インサイドセールスとフィールドセールスの違いとは?営業成果を高める役割分担と連携方法

インサイドセールスとフィールドセールスを導入・運用するなかで、「それぞれ何が違うのかわからない」「どこまで役割を分けるべきか曖昧になっている」と感じている企業は少なくありません。
営業活動の効率化や人手不足への対応が求められるなかで、役割分担が曖昧なままでは対応漏れや商談機会の損失、営業活動の属人化につながる可能性があります。そのため、両者の違いや役割を整理したうえで、自社に合った営業体制を構築することが重要です。
また、社内だけで体制を整えるのが難しい場合は、外部のインサイドセールス代行サービスを活用し、専門スキルを取り入れながらスピード感を持って営業体制を整える方法もあります。
単に人手を補うだけでなく、営業活動の仕組み化や商談創出の強化につなげられる点も、外注を活用する価値といえるでしょう。
本記事では、
- インサイドセールスとフィールドセールスの違いや、テレアポとの違い
- リード獲得から受注までの連携イメージと、引き継ぎのタイミング
- 分業するメリットや、連携を進める際のポイント
- 分業が向いている企業の特徴と、外注を活用する考え方
についてご紹介します。
インサイドセールスとフィールドセールスの違いを整理し、自社に合った営業体制を構築したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次[非表示]
- 1.インサイドセールスとフィールドセールスの基礎知識
- 1.1.インサイドセールスとは
- 1.2.フィールドセールスとは
- 2.インサイドセールスとフィールドセールスの違いとは
- 3.インサイドセールスとフィールドセールスを分業するメリット
- 3.1.①フィールドセールスが商談や提案に集中できる
- 3.2.②見込み客への対応スピードが上がる
- 3.3.③商談化率や受注率の改善につながる
- 3.4.④営業活動の標準化、再現性のある体制の構築
- 3.5.⑤営業プロセスごとの課題を把握しやすくなる
- 4.インサイドセールスとフィールドセールスの分業で起こりやすい課題
- 5.インサイドセールスとフィールドセールスの連携イメージ
- 6.インサイドセールスとフィールドセールスを連携させるポイント
- 6.1.①担当範囲と責任範囲を明確にする
- 6.2.②商談化や引き継ぎの基準を決める
- 6.3.③共有する顧客情報を統一する
- 6.4.④部門ごとの目標だけでなく共通目標も設定する
- 6.5.⑤SFA・CRMで顧客情報を一元管理する
- 6.6.⑥定期的にフィードバックの場を設ける
- 7.インサイドセールスとフィールドセールスの分業が向いている企業
- 8.営業体制の見直しでは外注も視野に入れる
- 9.まとめ
インサイドセールスとフィールドセールスの基礎知識
インサイドセールスとフィールドセールスは、営業プロセスの中で異なる役割を担う営業手法です。
どちらも営業活動に関わるものの、担当する範囲や顧客との接点には違いがあります。まずはそれぞれの基本的な意味を押さえたうえで、両者の違いを整理していきましょう。
インサイドセールス | 電話やメール、オンライン商談ツールなどを活用し、非対面で見込み客にアプローチする |
|---|---|
フィールドセールス | 顧客との商談を通じて課題をヒアリングし、提案や条件を調整しながら受注につなげる |
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、電話やメール、オンライン商談ツールなどを活用し、非対面で見込み客にアプローチする営業手法です。顧客先へ訪問するのではなく、商談前の段階で見込み客と接点を持ち、課題や検討状況を確認しながら商談機会を創出します。
主な業務には、資料請求やWebからの問合せ後のフォロー、リードナーチャリング、顧客課題のヒアリング、商談化の見極めなどがあります。また、検討度が高まった見込み客をフィールドセールスへ引き継ぐことで、次の営業フェーズへ進めやすくなるでしょう。
営業担当者が新規開拓から商談まで抱えている場合、見込み客への継続対応が後回しになることも少なくないため、インサイドセールスを設けることで、商談前の顧客対応を整理しやすくなります。
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フィールドセールスとは
フィールドセールスとは、顧客との商談を通じて課題をヒアリングし、提案や条件調整をおこないながら受注につなげる営業手法です。従来は訪問営業や対面商談を指すことが多くありましたが、現在ではオンライン商談を含め、商談・提案領域を担う役割として使われるケースもあります。
主な業務は、顧客課題のヒアリング、課題に合わせた提案、見積もりや条件調整、クロージング、受注後の初期フォローなどです。商談段階の見込み客に対して、導入条件や意思決定の流れを深掘りし、受注に向けて具体的な提案を進めます。
営業担当者が新規開拓と商談対応の両方を抱えていると、提案準備や顧客課題の整理に十分な時間を使いにくくなります。フィールドセールスが商談に集中できる体制を整えることで、顧客ごとの課題に合わせた提案をしやすくなり、受注率の改善にもつながるでしょう。
インサイドセールスとフィールドセールスの違いとは
インサイドセールスとフィールドセールスの大きな違いは、担当する営業フェーズと役割です。インサイドセールスは主に商談前の顧客対応や商談機会の創出を担い、フィールドセールスは商談・提案・受注を中心に担います。
両者の違いを整理すると、以下の表のとおりです。
比較項目 | インサイドセールス | フィールドセールス |
|---|---|---|
担当フェーズ | 商談前の顧客対応・育成 | 商談、提案、クロージング |
顧客との接点 | 電話、メール、オンライン商談、Web問合せ後の対応など | 訪問、対面商談、オンライン商談など |
主な役割 | 商談機会の創出 | 受注獲得 |
主なKPI | 架電数、接続率、アポイント数、商談化率など | 商談数、受注率、受注金額、案件単価など |
求められるスキル | ヒアリング力、情報整理力、継続接触力 | 提案力、交渉力、課題解決力 |
インサイドセールスは、見込み客の課題や検討状況を把握し、商談につながる可能性を見極める役割を持ちます。
一方、フィールドセールスは商談段階の顧客に対して具体的な提案をおこない、受注に向けて条件調整やクロージングを進める役割です。
どちらか一方だけが重要なのではなく、営業プロセスの中で役割を分けて連携することが大切です。違いを理解しておくと、自社の営業体制を見直す際に、どの業務を誰が担うべきか整理しやすくなるでしょう。
インサイドセールスとテレアポの違い
インサイドセールスとテレアポはどちらも電話を使ってアプローチしますが、目的や対応範囲が異なります。
インサイドセールスの主な目的が顧客の検討状況を確認しながら商談化につなげることであるのに対し、テレアポは電話でアポイントを獲得することです。
比較項目 | インサイドセールス | テレアポ |
|---|---|---|
目的 | 見込み客を育成し、商談化につなげる | 電話でアポイントを獲得する |
顧客との接点 | 電話、メール、オンライン商談ツールなど | 主に電話 |
主な役割 | 初回接触、継続フォロー、課題把握、商談化の見極め | 架電、受付突破、アポイント獲得 |
主なKPI | 商談化率、案件化率、引き継ぎ後の受注率など | 架電数、接続率、アポイント数など |
テレアポが不要という意味ではなく、インサイドセールスとは目的や役割が異なります。営業体制を見直す際は、アポイント数だけでなく、商談の質や受注につながるかまで確認するようにしましょう。
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インサイドセールスとフィールドセールスを分業するメリット
インサイドセールスとフィールドセールスを分業すると、見込み客への対応と商談対応を分けられるため、営業活動を効率化できます。営業担当者がすべての工程を抱える状態を見直すことで、商談や提案に集中できる時間を確保しやすくなるなど、対応スピードや商談の質を改善しやすい点も、分業によるメリットです。
ここからは、インサイドセールスとフィールドセールスを分業する主なメリットを解説します。
- 営業担当者が商談や提案に集中できる
- 見込み客への対応スピードが上がる
- 商談化率や受注率の改善
- 営業活動の標準化、再現性のある営業体制の構築
- 営業プロセスごとの課題を把握しやすくなる
①フィールドセールスが商談や提案に集中できる
インサイドセールスが商談前の顧客対応を担うことで、フィールドセールスは商談や提案に集中しやすくなります。
営業担当者が新規開拓、見込み客へのフォロー、商談、提案まで一人で抱えていると、業務の優先順位をつけにくくなります。新規開拓に時間を使えば商談準備が不足し、商談対応を優先すれば見込み客への継続的な接触が後回しになることもあるでしょう。
その点、インサイドセールスが初回接触や商談前のヒアリングを担うことで、フィールドセールスは顧客課題の深掘りや提案内容の調整に時間を使いやすくなります。結果として、商談ごとの準備精度が高まり、顧客に合わせた提案につなげやすくなるでしょう。
②見込み客への対応スピードが上がる
インサイドセールスが見込み客への初回対応やフォローを担うことで、リードへの対応スピードが上がります。
Webからの問合せや資料請求があった際、対応が遅れると顧客の検討意欲が下がる可能性も少なくありません。特に複数社を比較している顧客の場合、早期に接点を持てるかどうかが商談機会に影響します。
インサイドセールスが早期に接触することで、顧客の関心が高いタイミングでの課題や検討状況の確認が可能です。さらに、すぐに商談化しない見込み客にも継続的にフォローできるため、営業担当者が商談対応で忙しい場合でも、リード対応が後回しになりにくくなるでしょう。
③商談化率や受注率の改善につながる
インサイドセールスとフィールドセールスを分業すると、顧客の検討状況に合わせた対応ができ、商談化率や受注率の改善につながります。
商談につなげる前に顧客の課題や温度感を確認しておくことで、受注見込みが低い顧客を無理に商談化する状況を防ぐことができます。またフィールドセールスにとっても、事前に顧客の課題や検討背景を把握できるため、初回商談から的外れな提案になりにくい点がメリットです。
商談前の情報が整理されているほど、商談時に確認すべき内容や提案の方向性も明確になるため、顧客の関心度に応じて適切なタイミングで商談へ進めることが、結果として商談化率や受注率の改善につながります。
④営業活動の標準化、再現性のある体制の構築
インサイドセールスとフィールドセールスで役割を分けると、営業活動を個人の経験や勘に依存する属人化を防ぐことができます。
たとえば、一人の営業担当者が新規開拓から商談、提案、クロージングまで抱えていると、対応方法や判断基準が属人化しやすくなり、成果が出ていても、なぜうまくいったのかを組織で共有できないため、担当者が変わったときに同じ品質を保つことができません。
一方、インサイドセールスとフィールドセールスの役割を分けると、誰がどのフェーズを担当するのかが明確になり、顧客対応や商談引き継ぎの流れも整理できるため、営業活動を標準化しやすくなるでしょう。結果として、担当者のスキルに依存しすぎない、再現性のある営業体制を作りやすくなります。
⑤営業プロセスごとの課題を把握しやすくなる
分業によって営業プロセスを分けて管理できるようになると、どの段階に課題があるのかを把握しやすくなります。
一人の営業担当者がリード対応から受注まで担っている場合、成果が伸びない原因を特定しづらく、リード数が足りないのか、商談化に課題があるのか、提案内容が受注につながっていないのか、など課題が見えづらいです。これらは、インサイドセールスとフィールドセールスで役割を分けることで、 リード対応や商談化、提案、受注といったフェーズごとに状況を確認できるようになります。
たとえば、リードは多いのに商談化しない場合は、初回接触やフォローの内容を見直す必要があるでしょう。また、商談数はあるものの受注に至らない場合は、提案内容やクロージングに課題がある可能性を確認できます。
このように営業プロセスを分けて見ることで、改善すべきポイントが明確になります。限られた営業リソースを有効に使うためには、フェーズごとに課題を把握できる体制づくりが重要です。
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インサイドセールスとフィールドセールスの分業で起こりやすい課題
インサイドセールスとフィールドセールスを分業しても、役割や連携ルールが曖昧なままではなかなか成果にはつながりません。分業によって営業活動を効率化できる一方で、設計が不十分なまま運用すると、部門間で認識のズレが生じることがあるためです。
特に、商談前の対応と商談以降の対応で担当者が異なる場合、情報の受け渡しや判断基準のズレが顧客対応に影響しやすくなる点に注意が必要でしょう。
- 役割分担が曖昧になり、対応漏れや二重対応が発生する
- 商談化の基準が統一されず、フィールドセールスに渡す商談の質がばらつく
- 顧客情報の共有が不足し、商談時に再ヒアリングが必要になる
- インサイドセールスがアポイント数だけを追い、受注につながる商談を作りにくい
- 商談後の結果や失注理由が共有されず、次のアプローチ改善につながらない
分業時の課題は、分業そのものが原因というより、運用設計が不十分なまま役割だけを分けたときに起こりやすいものです。たとえば、インサイドセールスがアポイント数を重視しすぎると、フィールドセールスでは「商談には進んだものの、受注につながりにくい」と感じる場面が増える可能性があります。
こうした課題を防ぐには、担当範囲や引き継ぎ基準、情報共有のルールをあらかじめ決めておくことが重要です。
次章では、インサイドセールスとフィールドセールスが営業プロセスの中でどのように連携するのかを紹介します。自社の営業体制に照らし合わせながら、連携のあり方を考える参考にしてみてください。
インサイドセールスとフィールドセールスの連携イメージ
インサイドセールスとフィールドセールスを分業する場合、インサイドセールスが商談前の顧客対応を担い、フィールドセールスが商談・提案を進める流れが一般的です。両者の役割を分けるには、リード獲得後から受注までの流れを整理し、どの段階で連携するのかを把握しておきましょう。
ここでは、営業プロセス上におけるインサイドセールスとフィールドセールスのつながりを整理します。
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リード獲得から受注までの流れ

リード獲得から受注までは、見込み客の獲得、商談化、提案、受注という段階に分けて考えると整理しやすくなります。
たとえば、広告やSEO、展示会、セミナーなどで見込み客を獲得した場合、インサイドセールスが接触し、課題や検討状況を確認しながら商談化の見込みを判断します。商談化の見込みが高まった顧客には、フィールドセールスが課題をさらに深掘りし、提案や条件調整を進めると良いでしょう。
このように役割を分けることで、リード対応、商談化、提案、受注のどこに課題があるのかを把握しやすくなります。営業担当者がすべてを一人で抱えている場合でも、営業プロセスを段階ごとに分けて考えることで、各担当の役割を整理しやすくなるでしょう。
インサイドセールスからフィールドセールスへ引き継ぐタイミング
インサイドセールスからフィールドセールスへ引き継ぐタイミングは、顧客の課題や検討状況が明確になり、具体的な提案が必要になった段階が目安です。具体的には、「顧客が解決したい課題を把握できているかどうか」がひとつの判断材料になります。
導入時期や予算感、決裁者や関係者の情報も確認できていれば、フィールドセールスが商談で提案を進めやすくなるため、単にアポイントが取れた時点ではなく、商談で提案を進める材料がそろっているかを確認してからにしましょう。
引き継ぎが早すぎると、課題が曖昧なまま商談に進み、フィールドセールス側で再度ヒアリングが必要になることがあります。反対に引き継ぎが遅れると、顧客の検討意欲が下がったり、競合に先行されたりする可能性もあるため、適切なタイミングを整理しておくことで、担当者ごとの判断のばらつきを抑えられます。
商談の質を安定させるためにも、どの状態になったら引き継ぐのかをあらかじめ決めておくことが重要です。
マーケティングやカスタマーサクセスとの関係
インサイドセールスとフィールドセールスの連携を考える際は、マーケティングやカスタマーサクセスとの関係も整理しておくと、営業プロセス全体を把握しやすくなります。マーケティング施策で獲得した見込み客は、すぐに商談へ進むとは限りません。検討状況を確認し、商談化できる状態かを見極める段階が必要です。
一方、カスタマーサクセスは、受注後の顧客支援や継続利用を担います。
インサイドセールスやフィールドセールスが主に受注前の営業活動に関わるのに対し、カスタマーサクセスが関わるのは導入後の活用支援や関係構築です。また、受注後にカスタマーサクセスが関わる場合は、導入目的や商談時のやり取りを共有しておくことで、その後の関係構築や継続利用を支援しやすくなるでしょう。
インサイドセールスとフィールドセールスを連携させるポイント
インサイドセールスとフィールドセールスを連携させるには、部門間で共通のルールを持つことが重要です。役割や引き継ぎの考え方が曖昧なままでは、対応漏れや商談の質のばらつきが起こりやすくなります。
この章では、連携を進めるうえで整理しておきたいポイントを解説します。
①担当範囲と責任範囲を明確にする
インサイドセールスとフィールドセールスを連携させるには、それぞれがどこまで対応するのかを明確にしましょう。
担当範囲が曖昧なままでは、対応漏れや二重対応が起きやすくなります。たとえば、インサイドセールスが初回接触や継続フォロー、課題や検討状況のヒアリング、商談化の判断まで担う場合、その範囲を社内で共有しておくことが重要です。
一方、フィールドセールスは商談、詳細なヒアリング、提案、見積もりや条件調整、クロージングを担うことが多くあります。
どの段階からフィールドセールスが責任を持つのかをあらかじめ決めておくと、引き継ぎ後の顧客対応もスムーズに進めやすくなります。また、担当範囲と責任範囲を整理しておくことで、対応漏れや属人化の防止につながるでしょう。
②商談化や引き継ぎの基準を決める
商談化や引き継ぎの基準を決めておくと、フィールドセールスに渡す商談の質を安定させることができます。
基準が曖昧なままでは担当者ごとに商談化の判断がばらつき、確度の低い顧客まで商談化すると、フィールドセールスの工数が増え、提案に使える時間も圧迫されてしまいます。引き継ぎの基準を決める際は、顧客の課題や導入目的、検討時期、予算感などを確認しておくようにしましょう。
また、決裁者や関係者、競合比較の有無、導入に向けた温度感も整理できていれば、フィールドセールスは提案準備に入りやすくなります。商談化や引き継ぎの基準を決めておくことは、営業活動を仕組み化し、商談化率や受注率の改善を目指すうえでも重要です。
③共有する顧客情報を統一する
インサイドセールスとフィールドセールスの連携では、引き継ぎ時に共有する顧客情報を統一することが重要です。
担当者によって伝える内容が異なると、フィールドセールスは商談前に顧客の状況を把握しづらくなります。また、必要な情報が不足したまま商談に入ると、顧客に同じ質問を繰り返すことになるため、対応への不信感につながるおそれもあるでしょう。そのため引き継ぎ時には、企業名や部署、役職のほか、顧客の課題、問合せや資料請求の背景、検討状況、導入時期、予算感などを整理しておく必要があります。
さらに、決裁者や関係者、過去の接触履歴、顧客が重視している条件、次回商談で確認すべき内容までそろっていると、提案準備の精度も高まります。あらかじめ項目をそろえておくことで、担当者が変わった場合でも顧客対応の質を保ちやすくなるため、部門間の認識ズレを減らし、商談をスムーズに進めるためにも、引き継ぎ時に何を伝えるかを決めておくことが大切です。
④部門ごとの目標だけでなく共通目標も設定する
インサイドセールスとフィールドセールスを連携させるには、部門ごとの目標だけでなく、営業全体で追う共通目標も設定しましょう。
部門ごとの目標だけを見ていると、それぞれの動きが部分最適になりやすくなります。たとえば、インサイドセールスがアポイント数だけを追うと、商談の質を十分に見極められないままフィールドセールスへ引き継いでしまう可能性があります。
一方で、フィールドセールスが受注だけを重視すると、商談前の接点づくりや顧客理解の重要性が見えにくくなります。そのため、商談化率や有効商談数、受注率、受注金額、リードから受注までの転換率など、営業全体で確認する指標を合わせておくことが大切です。両部門が同じ成果を意識できれば、アポイント数だけでなく、受注につながる商談を重視しやすくなります。
また、営業体制を見直す際は、単に商談数を増やすだけでなく、その商談が成果につながっているかを見る視点が欠かせません。共通目標を設定しておくことで、部門間の認識を合わせやすくなり、営業活動全体の改善にもつながるでしょう。
⑤SFA・CRMで顧客情報を一元管理する
SFA・CRMを活用して顧客情報を一元管理すると、インサイドセールスとフィールドセールスの情報共有を円滑にしやすくなります。顧客情報や接触履歴、商談ステータスが個人のメモや口頭共有に依存していると、共有漏れや対応の重複が起こりやすくなります。
引き継ぎ内容が十分に残っていないと、フィールドセールスが商談前に状況を正しく把握できず、顧客対応にもズレが生じかねません。
SFAは営業活動を管理するためのツール、CRMは顧客情報を管理するためのツールです。これらを活用し、次回対応予定や失注理由、受注後の申し送り事項まで一か所に集約しておくことで、商談の進捗や営業プロセスごとの課題を確認しやすくなるでしょう。
ただし、ツールを導入すること自体が目的ではありません。インサイドセールスとフィールドセールスが同じ情報を確認し、部門間の連携を進めるための手段として活用することが重要です。
⑥定期的にフィードバックの場を設ける
インサイドセールスとフィールドセールスの連携を改善するには、定期的にフィードバックの場を設けましょう。
引き継ぎ基準や共有ルールを決めていても、実際に運用すると認識のズレが生じることがあります。たとえば、フィールドセールス側で「顧客の課題が十分に整理されていない」「商談化の温度感が想定と違う」と感じる場合、インサイドセールス側へその内容を戻す必要があります。商談後の結果を共有すると、どのような顧客を商談化すべきか、どの情報を事前に確認すべきかを見直しやすくなるでしょう。
受注につながった商談だけでなく、失注理由も共有しておけば、次回以降のアプローチ改善にも活かせます。日々の営業活動に追われていると、振り返りは後回しになりがちになるため、フィードバックの場を設けることで、個人の判断に頼らず、組織として連携体制を改善しやすくなります。
インサイドセールスとフィールドセールスの分業が向いている企業
インサイドセールスとフィールドセールスの分業は、見込み客への対応や商談対応に課題があり、営業活動を効率化したい企業に向いています。ただし、すべての企業が必ず分業すべきとは限りません。
まずは新規リードへの対応、商談の質、受注率、営業人員の状況などを確認し、自社の営業課題に合うかどうかを判断しましょう。特に、リード対応が追いついていない企業や、営業担当者が新規開拓から受注まで一人で対応している企業では、役割を分けることで営業活動を整理しやすくなります。
商談数はあるものの受注率に課題がある場合や、営業活動を仕組み化したい場合にも、分業を検討する価値があるでしょう。
①新規リードへの対応が追いついていない企業
新規リードへの対応が追いついていない企業は、インサイドセールスを設けることで初回接触や継続フォローを整理しやすくなります。
Webからの問合せや資料請求、セミナー参加者などが増えると、営業担当者だけではすべてに対応しきれない場合があります。また、商談対応に追われて初回連絡が遅れると、顧客の検討意欲が下がり、商談機会を逃すおそれもあるでしょう。
インサイドセールスが初回接触やフォローを担えば、リードへの対応スピードを保ちやすくなります。さらに、見込み度に応じて優先順位をつけることで、商談化しやすい顧客へ適切に対応できます。
営業担当者が新規リード対応と商談対応を同時に抱えている場合は、役割を分けると営業機会の取りこぼしを防ぎやすくなるでしょう。
②営業担当者が新規開拓から受注まで一人で担当している企業
営業担当者が新規開拓から受注まで一人で担当している企業は、営業活動の優先順位が曖昧になりやすいため、業務をフェーズごとに整理する必要があります。
新規開拓や見込み客へのフォローに時間を使えば、商談準備や既存案件への対応が後回しになることもあるでしょう。反対に、目の前の商談を優先し続けると、新しい顧客との接点づくりが十分に進まない場合もでてきます。このような状態では、まず商談前の対応と商談以降の対応を分けて考えることが重要です。
初回接触や継続フォロー、商談化の見極めをどこまで担うのか、商談や提案にどれだけ時間を使うのかを整理すると、営業担当者の負担や対応漏れを把握しやすくなります。人員をすぐに増やせない場合でも、営業プロセスを分けて見直すことで、限られたリソースをどこに使うべきか判断しやすくなるでしょう。
③商談数はあるが受注率に課題がある企業
商談数はあるものの受注率に課題がある企業は、インサイドセールスとフィールドセールスを分業することで、商談前の見極めと提案活動を整理しやすくなります。
商談数が多いにもかかわらず受注につながりにくい場合は、商談に進める顧客の見極めが十分でない可能性が高いです。見込み度の低い顧客まで商談化していると、フィールドセールスの工数が増え、提案準備に使える時間も限られてしまうため、このような企業では、商談前の段階で顧客の課題や検討状況を確認し、提案に進むべき顧客を見極める体制が必要です。
インサイドセールスが商談化の判断を担い、フィールドセールスが提案に集中できる状態を作ることで、商談数だけでなく受注につながる商談を増やしやすくなるでしょう。
④営業活動を仕組み化したい企業
営業活動を仕組み化したい企業は、インサイドセールスとフィールドセールスで役割を分けることで、営業プロセスを標準化しやすくなります。
営業活動が個人の経験や勘に依存していると、担当者によって対応方法や判断基準が変わり、成果にもばらつきが生じる可能性があります。成果を上げている担当者がいても、その進め方が組織に共有されていなければ、再現性のある営業体制にはつながりません。
インサイドセールスとフィールドセールスで役割を分けると、リード対応、商談化、提案、クロージングといった営業プロセスを段階ごとに整理できます。さらに、対応ルールや引き継ぎ基準を整えておくことで、担当者が変わった場合でも一定の営業品質を保ちやすくなるでしょう。
属人化した営業から組織で管理する営業へ移行したい企業にとって、分業は営業活動を見直すきっかけになります。
営業体制の見直しでは外注も視野に入れる
営業体制を見直す際は、社内だけで対応しきれない業務を外注することも選択肢のひとつです。
インサイドセールスとフィールドセールスの分業には、担当範囲の整理や引き継ぎルールの設計、見込み客への継続的な対応など、一定の工数がかかります。また、営業人員が限られている場合は社内だけで体制を整えようとしても、日々の商談対応や既存案件への対応に追われることがあるでしょう。そのような場合は、社内で担う業務と外注する業務を切り分けることが重要です。
この章では、外注を活用する際の考え方や、営業代行で依頼できる主な業務を整理します。
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社内だけで営業体制を整えるには工数がかかる
インサイドセールスとフィールドセールスの分業体制を社内だけで整えるには、人員確保や役割設計、運用ルールづくりなど、一定の工数がかかります。
社内で体制を作る場合は、インサイドセールスを担う人員を確保し、フィールドセールスとの役割分担を決める必要があり、さらに、商談化の基準や顧客情報の共有方法、SFA・CRMの運用ルール、定期的な振り返りの場なども整えなければなりません。これらを通常の営業活動と並行して進める場合、既存の営業担当者に負担が集中しやすくなります。
新規リード対応や商談準備を進めながら、 役割設計や運用ルールの整備まで担うには、一定の時間とノウハウが必要です。社内で体制を整える場合は、必要な人員や運用工数を事前に確認し、通常業務と並行して進められる範囲を見極めることから始めましょう。
外注を活用すると不足している業務を補いやすい
外注を活用すると、社内だけでは対応しきれない新規開拓や見込み客へのフォローなどを補いやすくなります。
外注は、営業活動のすべてを任せるためだけではありません。新規開拓やテレアポ、見込み客への初回接触、資料請求やWebからの問合せ後のフォロー、商談設定など、 自社で手が回りにくい業務を部分的に任せることも可能です。
営業人員が限られている企業では、新規開拓や商談設定まで社内で抱えると、提案やクロージングに使える時間が不足しがちなため、 一部の業務を外注するだけでも、社内の営業担当者は受注に近い業務へ集中しやすくなります。
ただし、外注する場合でも、 自社の営業方針やターゲットは共有しておくようにしましょう。どの業務を外注し、どこを社内で担うのかを整理することで、営業活動全体を止めずに体制を見直すことができます。
営業代行で依頼できる主な業務
営業代行では、新規開拓や見込み客へのアプローチ、商談設定などの依頼が可能です。
また営業代行で依頼できる業務は、新規開拓だけではありません。自社の課題に応じて、商談前の接点づくりや見込み客へのフォロー、商談設定、営業プロセスの改善支援なども依頼できる場合があります。
依頼できる業務 | 内容 | 向いている課題 |
|---|---|---|
新規開拓・アポイント獲得 | ターゲット企業へ電話やメールなどで接触し、商談機会を作る | 新規顧客への接触量が足りない、営業担当者が新規開拓に時間を割けな |
見込み客へのアプローチ | 問合せや資料請求などで接点を持った顧客に接触し、検討状況を確認する | リード対応が遅れている、継続フォローができていない |
商談設定 | 顧客の課題や検討状況を確認し、商談につなげる | 商談数を増やしたい、商談前の顧客情報を整理したい |
営業プロセスの改善支援 | 架電結果や商談結果をもとに、ターゲットや訴求内容、商談化基準の見直しを支援する | 営業活動の改善点がわかりにくい、属人的な営業から脱却したい |
依頼できる範囲は、営業代行会社によって異なります。すべてを外注するのではなく、自社の課題に合わせて不足している業務を補う視点で検討するようにしましょう。
自社の課題に合わせて依頼範囲を決める
営業代行を活用する際は、自社の課題に合わせて依頼範囲を決めましょう。
依頼範囲を決める前に、まずは 自社の営業活動でどこに負担や停滞が生じているのかを整理します。
- 新規開拓の数が足りないのか
- リード対応が遅れているのか
- 商談設定まで手が回っていないのか
何が課題となっているかによって、外注するべき業務は変わります。また、社内で担うべき業務まで外注してしまうと、自社に営業ノウハウが残りにくくなる場合もあります。商談、提案、クロージング、重要顧客への対応など、自社で判断すべき領域は残したうえで、不足している部分を外注で補うという視点が大切です。
また、依頼範囲を明確にしておくことで役割分担や費用対効果の判断がしやすくなります。営業代行を検討する際は、丸ごと任せるかどうかではなく、自社の営業体制をどのように補強するかという視点で考えると良いでしょう。
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まとめ
インサイドセールスとフィールドセールスは、担当する営業フェーズや役割が異なります。
インサイドセールスは商談前の顧客対応や商談機会の創出を担い、フィールドセールスは商談・提案・受注を中心に担当します。両者を分業する際は、単に役割を分けるだけでなく、引き継ぎ基準や顧客情報の共有ルールを整えることが重要です。また、営業プロセスごとに役割を整理しておくと、新規開拓、リード対応、商談、受注のどこに課題があるのかも確認しやすくなります。
社内だけで対応しきれない業務がある場合は、営業代行などの外注を活用する方法もひとつの手段です。営業担当者が商談や提案に集中しやすい環境づくりを進めるためにも、自社に不足している業務を必要に応じて補い、売上最大化に向けた営業体制を整えていきましょう。









