AIシフト期にカスタマーサポートの成果や応対品質を向上させる方法

なぜ今、カスタマーサポートの「品質」が企業の命運を握るのか
コールセンターは「コストセンター」から「CXハブ」へ
従来のコールセンターは、苦情や問い合わせをいかに低コストで処理するかという部門でした。しかし、オムニチャネル化が進んだ現代、Web、アプリ、FAQ、ボットなどで自己解決できなかった感情的で、複雑な問い合わせが有人窓口に入るようになりました。
1回の通話の質が、顧客に企業のサービスやブランドを使い続けたいという信頼感や感動(WOW体験)を与えられるか、それとも二度と使わないという解約(チャーン)を招くかの分岐点となります。
グッドマンの法則が証明する「ピンチをチャンスに変えるLTV戦略」
アメリカのマーケティング研究者であり、コンサルティング会社CCMCの創業者ジョン・グッドマン氏は、1970年代に米国商務省の委託を受けて実施した消費者苦情処理調査のデータを基に、顧客のクレーム対応と再購入率の関係性を体系化した「グッドマンの法則」を提唱しコールセンターやカスタマーエクスペリエンス(CX)領域における重要なポイントを示しました。その法則によると、不満やトラブルを持って問い合わせてきた顧客に対し、迅速で卓越した問題解決を提供できた場合、トラブルが発生しなかった顧客よりもロイヤルティ(再購買率)が高くなることが実証されています。
また、現場に蓄積されるVOC(Voice of Customer:顧客の声)を分析し、プロダクトや経営層へフィードバックするインテリジェンスハブとしての役割を果たすことで、コールセンターは直接的に事業収益(プロフィット)へ貢献します。
💡LTVの最大化 = (解約率の低下) + (クロスセル/アップセル) + (VOC還元によるプロダクト改善)
コールセンターの応対品質管理の重要性
今では一般的となったコールセンターですが、発祥の歴史は1980年代にさかのぼり、顧客からの問い合わせ窓口を一本化したことから始まりました。
1990年代に入ると、コンピューターの普及によりコールセンターもシステム化され、より効率的に対応できるようになりました。
さらにCRM=Cutomer Relationship Management(顧客管理)が導入され、コールセンターは単なる電話対応から顧客満足向上に重きを置くようになります。
そのため現在のコールセンターは、聞かれたことに応えるだけではなく、よりお客様満足を追及した応対が必要となってきました。今のコールセンターやカスタマーサポートでは、応対品質管理は最重要課題となっているのです。
コールセンターやカスタマーサポートの応対品質はなぜ低下するのか
コールセンターやカスタマーサポートにおいての応対品質管理の重要性は前述したとおりですが、肝心の応対品質は低下する傾向が多く見られます。
いったいなぜ重要課題でありながら、応対品質は低下してしまうのでしょうか。
結論からいうと、オペレーターやカスタマーサポート対応者の品質管理ができていないから他なりません。
オペレーターの品質管理ができていないとどういう結果になるか、その原因と結果について考えてみましょう。
原因①新人研修の問題
コールセンターへ配属となった新人オペレーターの多くは、着台になる前に研修を受けますが、その研修に問題がある場合、間違いなく応対品質は低下します。
入社後の新人研修は大きく分けて二つの内容を実施します。
一つ目は、社会人としての基礎知識やビジネスマナーを学ぶビジネスマインド研修二つ目は、業務に即した実務研修です。
一つ目の研修では、会社の理念や方針、目的・目標を学ばせ、社会の一員であり、会社の一員であるという意識を持ってもらうために行います。
さらにコールセンターは顧客と直に話をする貴重な部門であるため、「会社の顔」という大切な一面もあります。
このことの重要性をしっかりと学ばせているか、いないかでは応対に大きな影響が出るのはいうまでもありません。
二つ目の実務研修は、顧客の問い合わせに対して正確かつ迅速に対処することを学ばせる研修です。顧客は用があって電話をしてくるわけですが、その時間は無限ではありません。
限られた時間で顧客に納得のいく回答をしなくてはならないのですから、オペレーター自身もしっかりとした知識を吸収する必要があります。
自信をもって案内や回答ができなければ、品質は低下するばかりです。
原因②着台デビューしたあとはオペレーター任せでフォローをしない
新人研修が終了すると新人オペレーターは各チームへ配属となります。
それまではトレーナーや同期入社の社員と一緒に研修を受けていましたが、デビューとなれば「独り立ち」です。
手取り足取り教えてくれたトレーナーと別れ、苦楽を共にした同期の仲間とも別れ、一人で受電をすることになります。
しかしここで気を付けなくてはいけないことは「独り立ち」は「独り」ではない、ということです。
座学研修の態度やOJTが優秀。研修期間中の小テストやアンケート結果も良く、非常に期待ができるオペレーターだとしても、独り立ち後に「独り」にしてはいけません。
どんなに優秀なオペレーターも、そこでは「新人」であって、自信が少なく不安が多いものです。
経験者だから大丈夫、と放任をしていると、思い込みで業務を行うようになったり、不安に駆られ受電が怖くなってしまったり、最悪の場合、退職に至ってしまう事態になりかねません。
思い込みで業務をすれば、誤った対応となりクレームも出るでしょう。
また受電が怖くなり退職などになれば、人手不足からサービスレベルの低下に繋がり、応対品質は低下の一途をたどることになります。
コールセンターで管理する「品質」とは
そもそも「品質管理」とは、製品やサービスの品質の安定化と向上を図るために検証や検査をして、その保証をすることです。
できるだけコストをかけず効率的に行うことも必要です。
このことを踏まえて、コールセンターで管理すべき「品質」について考えてみましょう。
1.コールセンター運用品質
正しいコールセンターの運用とは、高いサービスレベルを保つことにあります。そのためには、適切な人員配置が非常に重要です。
単に応答率を上げるのではなく、決められた時間内に応答するサービスレベルを向上させることでさらに顧客満足を高めることができます。
2.オペレーター応対品質
顧客と直接応対するオペレーターの応対は顧客満足に大きな影響を与えます。そのためオペレーターは、正しい接遇マナーを身に付け、迅速かつ正確に業務を遂行することが最大の課題となります。
コールセンターには「インバウンド」と「アウトバウンド」がありますが、品質管理の基本的な考え方は同じです。ただし受電と架電の違いから管理方法に違いがあります。(後述)このようにコールセンターにおいて品質管理は非常に大切な役割を持っています。
もしも品質管理をせずにコールセンターを運営した場合、次のような事態が予測されます。
- 顧客へ対する統一したサービスの提供ができなくなる
- 解消されない人手不足によるサービスレベルの低下、クレームの増大
これらはほんの一例にすぎません。
品質管理をしないということは、コールセンターが機能しないだけでなく、会社そのものへ甚大な影響を及ぼすこととなるでしょう。
コールセンター応対品質のチェック方法
では応対品質のチェックは、具体的にどのような方法があるでしょうか。
1.第三者機関による覆面調査
「ミステリーコール」といわれているもので、コールセンターやお客様相談室など、顧客と直接つながっている部署に一般の顧客として架電をし、その応対を調査するものです。
顧客視点でオペレーターの調査をするので、より厳しい目での評価となります。
評価内容は、依頼した調査機関との打ち合わせで決定しますが、概ね以下の内容となります。
①製品やサービスについての知識
②正しい接遇マナー
③ホスピタリティが感じられるか
④適切なクレーム対応
また第三者機関を利用していますので、他社と比較をすることができます。
自社の現状把握と弱みを知ることで、応対品質を向上させていくことに大いに役立ちます。
2.自社内でのモニタリング
顧客を装う「ミステリーコール」と違い、管理者または専任者が顧客とオペレーターの通話を直接 聞き、精査するのが社内モニタリングです。
社内でモニタリングをすることは、業務処理能力以外にも、顧客に対するオペレーターのコミュニケーション能力も知ることになり、応対品質の向上に非常に役立ちます。
またモニタリングを実施し現在の状況を把握することは、オペレーターの個人評価ともなり、高い評価はモチーションアップになります。
モニタリング結果を知り、改善をしたオペレーターは自分の仕事に自信を持ち、なお一層の努力をするようになるでしょう。
そうすると定着率は上がり、離職率はおのずと低下します。人材が安定することによって、サービスレベルも安定し、結果としてやはり応対品質の向上へとつながっていくのです。自社内でのモニタリングは必ず行いたいチェック方法です。
モニタリング内容と手法は概ね以下のとおりです。
モニタリング内容
1.オープニングトークが適切か | 感謝・歓迎の挨拶から始まっているか |
|---|---|
2.正しいトークスキルが使えているか | 聴き心地の良い話し方ができるか、適切な言葉遣いができているか |
3.相手の話を理解しているか | 話がかみ合っているか |
4.正しい情報が伝えられているか | 会社のルールに則っているか |
5.寄り添った応対ができるか | 顧客満足を意識しているか(ホスピタリティ) |
6.クロージングトークが適切か | 感謝の気持ちで終話しているか |
モニタリングの手法
- 遠隔で音声のみ、応対中の様子をリアルタイムでモニタリング
- 応対中のオペレーターの横に座り、操作画面も含めたモニタリング
- 録音した音声データをモニタリング
Zoomなどを利用し、画面共有をしたうえでのモニタリングも可能です。
在宅勤務などでもモニタリングができるシステムですので取り入れやすいでしょう。
コールセンター応対品質管理の方法
コールセンターの応対品質を確かなものにするためには、適正な管理が必要となります。
誰が・いつ・どのようにして管理をするのが効果的なのか考えてみましょう。
コールセンターの応対品質を管理するには適切な組織づくりが欠かせない
前述したとおり、「聞かれたことに応えるだけ」ではなく、「お客様満足を追求」した応対が必要となっている現在、応対品質管理は最重要課題となっています。
応対品質を管理するということは、コールセンターそのものを管理するといっても過言ではありません。
そのためには適切な組織づくりが重要です。
SV任せにしない
支援チームを作るコールセンターを健全に運営していくためには、オペレーターだけで構成するのではなく、受電(架電)業務を支える役割が必要です。
多くのコールセンターでは、オペレーターのシフト作成や研修などをSVが行っていますが、できれば専任チームを設けてコールセンターを運用することがベストでしょう。
なぜならば、SVには本来の業務(オペレーターのサポートやエスカレーション対応)に専念させることによってさらに「顧客満足」に厚みを持たせることができからです。
必要な支援チームは、適正な人員配置をするオペレーションチームと人材育成を担うトレーニングチームです。
人員の確保が難しくチームを作ることができない場合は、各担当者のレポートラインをコールセンター長とする、独立した配置にしましょう。
オペレーションチームとトレーナーチームの役割と品質管理
オペレーションチーム
サービスレベル向上のため、適切な人員配置をするチーム
【管理方法】
いつ | 常時(コールセンター営業時間) 気を付ける時間帯:ランチ時間(オペレーターの層が薄くなるため) |
|---|---|
誰が | WFM担当者(Workforce Management) |
どのようにして |
|
トレーニングチーム
オペレーター人材育成を担当
またオペレーターのスキルに合わせた研修を実施し、コールセンター全体の応対品質の向上を使命とする
【管理方法】
誰が |
|
|---|---|
いつ/どのようにして |
|
アウトバウンドコールの品質管理について
アウトバウンドの管理は、「架電件数」「アポイントや予約ができた件数」「成約した件数」など、目的達成数が対象となっています。
そのため架電するオペレーターも目的達成に重きを置き、いかに効率的に件数をとることができるか、に注力してしまい、応対品質が後回しになっている場合が多く見られます。
そもそもアウトバウンドは「用があって電話をかけてくる」インバウンドと違い、顧客にニーズはありません。
また架電のタイミングも会社都合のため、顧客の迷惑になりかねません。
これは顧客の損失へつながる恐れもあり、危険です。アウトバウンドは、そういった側面も踏まえ、インバウンド同様、またはそれ以上の品質管理が必要でしょう。
トークスクリプトを充実させ、ホスピタリティを感じさせる応対技術が不可欠です。ロールプレイングも定期的に取り入れましょう。
こんな管理方法はNG
これまで応対品質の適切な管理やコツについてお話をしてきました。最後に誤った管理方法について触れておきます。
モニタリングのフィードバックをしない
モニタリングはフィードバックをしない、または遅いと意味がありません。
モニタリング実施後は、できるだけ早くフィードバックをし、次の業務の反映させるます。フィードバックは「悪い点の指摘」ではありません。改善すべき点を伝えるのはもちろん、良かったところも必ずフィードバックしましょう。
漠然と「良かった」「悪かった」ではなく、より具体的なフィードバックが必要です。「がんばってください」というような精神論だけにならないよう、モニタリング担当者は、自身の傾聴スキルやフィードバックスキルは常に磨いておきましょう。
モニタリングを目的にしてしまう
モニタリングはあくまで応対品質管理の手段です。モニタリングをすることで満足してしまい、本来の目的を見失うことがないよう、管理者はなぜモニタリングが必要なのかということを常に考えていなくてはなりません。
管理すべき「品質」の二大柱とトレードオフの打破
コールセンターの品質管理は、相反する2つの軸が存在します。
成果品質と応対品質の“ジレンマ”という落とし穴
成果品質(AHT短縮・効率)偏重の失敗
SVが1通話を3分以内で終話をするよう圧力をかけると、オペレーターは顧客の話を遮り、共感を省きます。結果として一次解決率(FCR)が急落し、同じ顧客からの再入電(二次クレーム)が激増。全体の呼数が増えて悪化します。応対品質(ホスピタリティ)偏重の失敗
納得するまで何時間でも寄り添いなさいと放任すると、AHTが激増して電話がつながらなくなり(応答率低下・放棄率急増)、接続待ちの顧客に悪い印象や体験を与えます。
ジレンマを打ち破る「統合アプローチ」
成果品質と応対品質はトレードオフではありません。 最初の30秒で正確に用件を把握し(迅速性・正確性)、適切な共感で警戒心を解く(共感性・安心感)ことができれば、無駄な保留や会話の堂々巡りが消え、結果としてAHT(平均処理時間)は自然と最適化され、FCR(一次解決率)とCSAT(顧客満足度)が同時に向上します。
AIとテクノロジーがもたらす評価革命
従来の「サンプリング評価(月3〜5本)」の限界
従来のモニタリングは、SVが月数本の録音を聴いて手採点していました。これには3つの致命的な限界がありました。
- 網羅性の低さ
全通話の0.1%未満しか評価できず、サンプリングの運で評価が決まる。 - 評価のブレ
SVの主観や感情、好き嫌いによって採点基準がブレる。 - タイムラグ
評価とフィードバックが翌月になり、行動改善につながらない。
生成AI×音声解析による100%全件自動評価
現在の先進企業は、生成AI(LLM)と音素・感情解析を組み込んだAI評価ツール(Dr.Tel、MiiTel、Zendesk QA等)を運用しています。
テキスト化
プロンプト採点
解析
自動生成
品質管理の二大柱
- 言語解析
名乗り、クッション言葉、NGワード、案内漏れの有無を瞬時に全件スコアリング。 - 非言語(ノンバーバル)解析
声のトーン、話速、沈黙時間、発話被せ率(言葉の衝突)を感情解析AIが定量化。 - フィードバック自動化
通話終了直後に要約と「良かった点(Good)」「改善点(More)」を自動出力。
人間(SV/QA)とAIのハイブリッド運用(HITL)
評価業務 | AI(テクノロジー)の役割 | 人間(SV / QA)の役割 |
|---|---|---|
評価対象 | 100%全件自動スクリーニング | アラート案件・低スコアの二次確認 |
評価の性質 | 定量的・客観的評価(ルール・トーン・NGワード) | 定性的・文脈評価(行間のニュアンス・臨機応変さ) |
育成・活用 | 自動コメント案・対話要約の即時生成 | 1on1対話型コーチング・心理的ケア |
管理 | ガバナンス・プロンプト精度向上 | 品質ビジョン(MVV)の設計・組織文化醸成 |
AIに全件スクリーニングを任せることで、SVの評価工数は50%〜80%削減されます。削減された時間を「オペレーターへの伴走(1on1コーチング・メンタルケア)」に集中投下することが品質底上げの鍵です。
実践!成果を出す応対品質チェックシートの設計
チェックシートは100項目も作る必要はありません。20項目程度に絞り、企業目的に合わせて「加重配分(配点傾斜)」を行うのが成功の鉄則です。
応対品質を決定づける「6つのコア評価項目」
- 正確性 (Accuracy): 誤案内ゼロ。最新マニュアルに沿った正しさとエスカレーションの判断。
- 迅速性 (Speed): 察知の早さ。保留理由と時間の目安(「1分ほどお待ちいただけますか」)の伝達。
- 柔軟性 (Flexibility): マニュアルの丸暗記ではなく、相手の状況に応じた代替案(オファー)の提示。
- 共感性 (Empathy): 話を遮らない傾聴。感情のトーンを合わせるミラーリングとクッション言葉。
- 安心感 (Confidence): 曖昧な表現(〜だと思います)を排除したプロとしての堂々とした案内。
- 好印象 (Impression): 第一声の笑声(えごえ)、正しい敬語、適切なクロージング。
現場を疲弊させる「4大・NGマネジメント」
- 評価スコアの記録が目的化し、タイムリーなフィードバックをしない改善:通話直後〜数日以内に、客観的なデータを示しながら本人の心に寄り添ってフィードバックする。
- 新人オペレーターを放置する改善:着台直後の1ヶ月こそ、隣席モニタリングや週1回のメンタリングで小規模な成功体験を積ませる。
- マニュアル通りの「心がこもっていないロボット対応」を強要する改善:減点方式の静的マナー評価をやめ、顧客の文脈に沿った付加価値提供を褒める「加点方式」へシフト。
- アウトバウンド(発信)で成約数のみを追い、強引な営業を放置する改善:強引な獲得は即時解約や炎上を招く。納得感のある合意形成プロセス(品質)を管理基準に組み込む。
感情労働のケアと離職防止(バーンアウト対策)
AI導入で「人が対応すべき案件」が重篤化するパラドックス
FAQやボットの進化で定型的な質問が自己解決されるようになった結果、有人窓口に繋がる案件は激怒しているクレーム、複雑極まりないトラブルのみになりました。オペレーターが受ける感情労働の密度が高まってしまいます。
心理的安全性とカスタマーハラスメント(カスハラ)対策
ハンドオフ(引き継ぎ)ルールの明確化: 暴言や過剰要求が発生した場合、オペレーターの判断で電話を切り、SVへ即座に引き継げる権限を与える。
コールドタイム(強制休憩)の導入: 激しいクレーム対応の直後は、ヘッドセットを外しクールダウンする時間を制度化する。
AI感情解析による予兆検知: 通話中の顧客の怒り上昇やオペレーターの元気度低下をAIがアラート通知し、SVがリアルタイムで割って入る(ウィスパリング/代わりの受電)。
オペレーターを自走させる「コーチング」の実践
「こう話しなさい」と指示するティーチングだけでは、イレギュラーに対応できる人材は育ちません。会話比率「SV 20%:オペレーター 80%」のコーチングへ転換します。
【コーチングの5ステップ】
- アイスブレイク
心理的安全性の確保 - 課題特定
AIデータを見ながら本人の気づきを引き出す - アクションプラン策定
どんなクッション言葉を挟む?」と問いかける - KPIの策定
SMARTの原則に沿った数値目標 - 定期的な振り返り
できたことを徹底的に承認する
研修体系とナレッジインフラの再構築
クレームをファンに変える「5段階対応プロセス」
【傾聴】 相手の怒りのエネルギーを出し切らせる(最初の7割は聴くことに徹する)。
【共感・初期謝罪】 企業の非ではなく「不快な思いをさせた顧客の心情」に100%共感する。
【事実確認・要約】 「お話を整理しますと…」と要約し、対立から協力関係へ構造を変える。
【解決策・代替案】 できないと断るのではなく、選択できる代替オプションを提示する。
【感謝・クロージング】 貴重な意見(VOC)をくれたことに感謝し、ポジティブに終話する。
暗記をなくす「AI検索型ナレッジ(FAQ)」の導入
1万ページのPDFマニュアルを暗記させる運用は限界です。 うろ覚えの検索単語からAIが顧客の意図を予測し、1秒で最適な回答カードを出すFAQシステム(Helpfeel等)を導入することで、検索ストレスをゼロにし、案内誤りを未然に防ぎます。
AIと人間が織りなす次世代コンタクトセンターへ
これまで応対時間の長さは仕方ないことという考えでした。しかしお客様満足の追求が進むにつれ、より迅速で正確、かつ接遇やマナーも兼ね備えた最適なコミュニケーション能力が重視されるようになりました。
そしてAIの台頭は、人間のオペレーターの仕事を奪うものではありません。 定型的な事務処理やスコアリング作業をAIに任せることで、人間は「共感」「高度な交渉」「心理的ケア」「ホスピタリティ」という人間ならではの高付加価値業務に集中できるようになります。
AIをコスト削減の道具としてではなく、現場のポテンシャルを最大化するパートナーとして位置づけ、業務改善を進めてみてください。それこそが、今後のの激しい市場環境を勝ち抜く最強のCX拠点を創り上げる一歩です。
企業の成長はお客様に最善を尽くすことで飛躍します。カスタマーサポートはその実現に欠かせない部門です。
この記事を通して今後の次世代コンタクトセンター導入にお役立ていただけると幸いです。

構成・編集:株式会社ネオキャリア BizFocus 編集部
bizfocus編集部では、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)や各種アウトソーシングによる営業支援・カスタマーサポートの業務効率化をはじめ、企業の生産性向上を支援する最新ノウハウを発信しています。また、AI活用や業務自動化(RPA)をはじめとする先進的なビジネストレンドを幅広く取材・検証し、実践的で役に立つビジネス情報をお届けしています。

原案:北川 たまき
大手タクシー会社のコールセンター、外資系メーカーのカスタマーサービスにて研修講師を務める。わかりやすく、もっと読みたくなるような「読む研修」を得意とする、研修講師×ライター。











