インサイドセールスのクロージングのポイントを徹底解説!流れや成約率を高める方法も紹介
インサイドセールスのクロージングは、成約に直結する重要なプロセスです。しかし、インサイドセールスのクロージングにおいて、次のような悩みを抱える部門責任者の方もいるでしょう。
- リードは獲得できているものの成約につながらない
- クロージングに必要なスキルやトークが部下に不足していると感じる
- インサイドセールスのクロージングの成約率を高める方法を知りたい
本記事では、インサイドセールスにおけるクロージングの流れから、成約率を高める具体的な方法まで詳しく解説します。インサイドセールスのクロージングの質を上げて、業績拡大を目指しましょう。
目次[非表示]
- 1.営業活動におけるクロージングの重要性
- 2.インサイドセールスにおけるクロージングとは
- 3.インサイドセールスの営業スタイルの種類
- 4.インサイドセールスのクロージングの流れ
- 4.1.流れその1:テストクロージング
- 4.2.流れその2:クロージング
- 4.3.流れその3:契約締結
- 5.成約率を高めるためのクロージング前の準備
- 5.1.準備その1:適切なKPIを設定する
- 5.2.準備その2:BANT情報を把握する
- 5.3.準備その3:複数のプランや選択肢を用意する
- 5.4.準備その4:トークスクリプトやメールテンプレートを用意する
- 6.インサイドセールスにおけるクロージングのポイント
- 6.1.ポイントその1:適切なタイミングでクロージングをする
- 6.2.ポイントその2:テストクロージングを効果的に取り入れる
- 6.3.ポイントその3:ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを使う
- 6.4.ポイントその4:導入して何が実現するかをイメージしてもらう
- 6.5.ポイントその5:強引なクロージングにならないように注意する
- 7.インサイドセールスのクロージングの成約率を高める方法
- 8.インサイドセールスのクロージングの成約率を高めよう
営業活動におけるクロージングの重要性
クロージングは契約に関する話と思われがちですが、顧客との会話を適切に着地させ、次のステップにつなげるための重要な役割を果たします。
たとえば、リードを商談へと育成しても、クロージングの精度が低ければ成約には至りません。クロージングとは、単なる契約締結の瞬間を指すのではなく、顧客との会話内容を整理し、次回のアクションプランや双方の約束を明確にすることが求められます。とくにインサイドセールスにおいては、クロージングの内容を次の担当者に引き継ぐ必要があります。話し合いの内容や着地点を正確に伝えることが重要です。
また、仮に商談が成立しない場合でも、会話を雑に終わらせてはいけません。なぜ顧客がその結論に至ったのかを確認し、次に連絡を入れるべき適切なタイミングや条件を話し合うことが肝心です。
インサイドセールスにおけるクロージングとは
インサイドセールスとは、訪問を伴わない内勤型の営業スタイルで、主にリード育成や顧客との関係構築を担当します。インサイドセールスでのクロージングは一連のプロセスにおける最終段階で、次の担当者への引き継ぎや商談完結において重要な役割を果たします。
おもに、インサイドセールスではフィールドセールスにつなげるまでを担当し、フィールドセールスがクロージングをするのが一般的です。しかし、サブスクリプション型のSaaSなど、リモートで完結可能なケースでは、インサイドセールスが成約まで対応することもあります。
インサイドセールスについて詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてください。特徴や導入の流れを解説しています。
≫インサイドセールスとは?特徴や種類を含む基本知識、導入の流れも紹介
インサイドセールスの営業スタイルの種類
インサイドセールスの営業スタイルには、次の3種類があります。
- 分業型インサイドセールス
- 完結型インサイドセールス
- 混合型インサイドセールス
それぞれのスタイルとクロージングの特徴について詳しく解説します。
スタイルその1:分業型インサイドセールス
分業型インサイドセールスは、リードの育成や商談の準備をインサイドセールスが担当し、クロージングはフィールドセールスが行うスタイルです。
分業型では、各担当者が自分の専門分野に集中できるため、効率化や生産性向上を見込めます。分業型のクロージングにおいて重要なのは、正確な情報共有です。顧客のニーズ、商談の進捗状況、次回のアクションプランなどを詳細に記録し、フィールドセールスにスムーズに引き継ぐ必要があります。
また、BANT情報(予算、決裁権者、ニーズ、時期)を整理し、フィールドセールスが最大の成果を引き出せるよう準備を整えることもポイントです。
スタイルその2:完結型インサイドセールス
完結型インサイドセールスは、リード育成からクロージングまでを1人の担当者が一貫して行うスタイルです。そのため、電話やWeb会議ツールを活用し、リモートで顧客対応を完結させるのが特徴です。完結型では、顧客との信頼関係を深めるため、一貫性のある対応が容易になります。担当者は顧客の課題を深く理解し、ニーズに合った提案を行いながら、タイムリーにクロージングを進めます。
また、成約後もフォローアップを続けることで、契約後の満足度向上や将来的なアップセルやクロスセルを提供できる可能性が高まるでしょう。
≫インサイドセールスにおすすめのツール20個を比較!特徴や導入のメリットを解説
スタイルその3:混合型インサイドセールス
混合型インサイドセールスは、分業型と完結型を顧客の状況に応じて使い分ける柔軟なスタイルです。
たとえば、購買意欲が高く即決が見込まれる顧客には完結型で対応し、複雑な商談や長期的なリード育成が必要な場合は分業型としてフィールドセールスに引き継ぐなどの使い分けが考えられます。
混合型のメリットは、顧客ニーズに合わせてリソースを配分できる点にあります。ただし、分業型と完結型を併用することで工数が増えるため、チーム間の連携やプロセスの標準化が必要です。顧客との接点を柔軟に調整し、状況に応じた最適なクロージング方法を選ぶことで、高い成約率を維持できる営業スタイルといえます。
特徴 |
メリット |
|
分業型インサイドセールス |
リードの育成や商談の準備をインサイドセールスが担当し、クロージングはフィールドセールスが行うスタイル |
各担当者が自分の専門分野に集中できるため、効率化や生産性向上を見込める |
完結型インサイドセールス |
リード育成からクロージングまでを1人の担当者が一貫して行うスタイル |
成約後もフォローアップを続けることで、契約後の満足度向上や将来的なアップセルやクロスセルを提供できる可能性が高まる |
混合型インサイドセールス |
分業型と完結型を顧客の状況に応じて使い分ける柔軟なスタイル |
顧客ニーズに合わせてリソースを配分できる。ただし、分業型と完結型を併用することで工数が増えるため、チーム間の連携やプロセスの標準化が必要 |
インサイドセールスのクロージングの流れ
インサイドセールスのクロージングは、次の3つの流れで行います。
- テストクロージング
- クロージング
- 契約締結
それぞれのステップでの具体的な例を挙げながらフローを解説します。
流れその1:テストクロージング
テストクロージングとは、顧客が提案にどれだけ興味を持ち、前向きであるかを確認する対応のことです。テストクロージングでは、顧客の反応を見ながら適切な問いかけを行い、次のステップへの可能性を探ります。例えば、次のように相手に寄り添った質問を用います。
「ここまでの説明を聞いて、何か不満な点などはございますか」
「なぜそう感じられたのか、ご教示いただけますか」
「私としては、〇〇様にとって最適な形で解決できると考えているのですが、〇〇様が現在懸念に思われている部分はございますか」
以上の質問をして顧客の本音を引き出すなど、テストクロージングのやり方を理解し、クロージングに向けた準備を整えましょう。
流れその2:クロージング
テストクロージングで前向きな姿勢を確認したら、次はクロージングで具体的な意思決定を促します。クロージングでは、顧客の選択肢を整理しつつ、次のステップに進む許可を得るような柔らかい表現を使うことがポイントです。例えば、次のような質問をします。
「ここまでで、ご不明点などなければ次は〇〇のステップへうつっていければと思うのですが問題ありませんか」
「問題がなければ、〇〇のパターンと〇〇のパターンがございますが、〇〇様のご希望の流れはございますか」
顧客に迷いがある場合は最後に不安を解消し、安心して意思決定できる状況を提供します。
流れその3:契約締結
契約締結の段階では、契約書への署名や確認事項の最終確認など、事務的な手続きを丁寧に進める必要があります。顧客に安心感を与えるため、次のような対応を心がけましょう。
「最大限サポートできればと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします」
「ご不明点などあればお気軽にご相談ください」
契約締結後もアフターフォローを怠らず、顧客との信頼関係を深め、長期的な関係構築を目指しましょう。
成約率を高めるためのクロージング前の準備
クロージングを成功させるためには、事前準備が欠かせません。成約率を高める準備として、以下の4つが挙げられます。
- 適切なKPIを設定する
- BANT情報を把握する
- 複数のプランや選択肢を用意する
- トークスクリプトやメールテンプレートを用意する
それぞれの準備を詳しく見ていきましょう。
準備その1:適切なKPIを設定する
インサイドセールスでのKPI設定は、クロージングの成功に直結します。
闇雲にアポ件数や受注件数を追うのではなく、顧客との関係性を深めながら適切なタイミングでクロージングを行うことが重要です。
たとえば、リードをセグメントごとに分けてKPIを設定することで、特定の顧客層に最適なアプローチが可能になります。新規顧客向けにはアポ率を重視し、既存顧客向けには契約継続率を目標とするなど、明確な指標を持つことで戦略的な営業が可能となります。
≫インサイドセールスのKPI設定とは?項目や正しい目標設定について解説
準備その2:BANT情報を把握する
BANT情報は、次に示す4つのアルファベットの頭文字をつなげた言葉で、見込み客の状況を把握してリードの育成やクロージングにつなげるためのフレームワークです。
- Budget:予算
- Authority:決裁権者
- Needs:ニーズ
- Timing:時期
たとえば、顧客の予算や導入時期を確認し、得られた情報に合わせた提案を準備することで、ニーズに合致した提案が可能です。BANT情報を元にクロージングに臨むことで、顧客との信頼関係を築きつつ、成約率を高められます。
さらに、Competitor(競合)やHuman resources(人員体制)を加えたBANTCHを意識することで、より精緻な準備が可能になります。
準備その3:複数のプランや選択肢を用意する
インサイドセールスのクロージングにおいて、顧客のニーズに応じて複数の選択肢を提示することは、成約率を高める上で有効です。
ひとつの提案だけではなく、基本プラン、アップグレードプラン、長期契約プランなど、異なる角度の選択肢を用意することで、適したプランを選びやすくなります。たとえば、費用重視の顧客にはコストパフォーマンスの高いプランを、機能重視の顧客にはカスタマイズ可能なプランを提案するなど、柔軟な対応が可能となります。
準備その4:トークスクリプトやメールテンプレートを用意する
クロージングの精度を高めるためには、トークスクリプトやメールテンプレートの準備が欠かせません。
トークスクリプトやメールテンプレートにより、営業担当者は一貫性のあるメッセージを顧客に届けやすくなります。仮に新入社員や経験の浅い営業担当者でも高い品質の対応が可能となります。
具体的には、顧客の懸念点に柔軟に対応するスクリプトや、複数の提案内容を明確に伝えるメールテンプレートを用意しておくことで、商談がスムーズになるでしょう。
インサイドセールスのトークスクリプトは次の記事を参考にしてください。トークスクリプトの作り方や具体的な例文も紹介しています。
≫インサイドセールスのトークスクリプトとは?作成のメリットや作り方、例文も紹介
インサイドセールスにおけるクロージングのポイント
インサイドセールスにおけるクロージングは、成約に直結する重要なプロセスです。以下に、具体的なポイントや活用のコツについて解説します。
適切なタイミングでクロージングをする
- テストクロージングを効果的に取り入れる
- ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを使う
- 導入して何が実現するかをイメージしてもらう
- 強引なクロージングにならないように注意する
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
ポイントその1:適切なタイミングでクロージングをする
クロージングを成功させるためには、顧客の状況を見極め、適切なタイミングで移行することが重要です。 顧客が提案に対して肯定的な反応を示したり、具体的な質問をしてきたりした場合は好機といえます。
たとえば、次のような具体的な質問は、購買意欲が高まっているサインです。
「どう活用するのか?」
「アフターサービスはどうなるのか?」
また、価格や契約内容、導入スケジュールに関する問合せも、クロージングを進めるタイミングを示しています。顧客の購買シグナルを見逃さず、懸念点を解消しながらスムーズに次のステップへと導きましょう。
ポイントその2:テストクロージングを効果的に取り入れる
テストクロージングは、顧客の購入意欲を探るために効果的な手法です。
インサイドセールスでは顧客との接点が複数回にわたるため、テストクロージングを取り入れることで成約率を上げられます。
たとえば、適宜次のような質問を行い、顧客の温度感を確認してみましょう。
「ここまでの提案内容についてご不明点はございますか?」
「この条件で進める場合、どのような課題を感じられますか?」
テストクロージングを挟むことによって、無理な押し付けを避けつつ、顧客のニーズに合ったアプローチが可能になります。
ポイントその3:ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを使う
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは、最初に大きな提案を提示し、断られた後でより現実的な提案を行うことで成約に結びつける手法です。
たとえば、
1、まず高額プランを提示し、顧客が難色を示した場合に
2、基本プラン(より安価なプラン)を提案すると、顧客に
3、「お得感」や「親身になってもらえた」という印象を与えられます。
このように、トークスキルに行動心理学を併用することはインサイドセールスでは恒常的かつ重要になってきます。テクニックを適切に活用することで、顧客が提案を受け入れる可能性を高められます。
ポイントその4:導入して何が実現するかをイメージしてもらう
顧客が契約後に得られる具体的なメリットをイメージできるようにすることも重要です。
一方的に商材を売り込むのではなく、顧客の課題を解決する未来像を共有しましょう。
たとえば、
「このサービスを導入することで、業務効率が30%向上し、年間〇〇円のコスト削減が見込めます」
といった具体的な成果を提示することで、契約への動機を強化できます。顧客が成功をイメージできる提案は、クロージングを円滑に進める助けとなります。
こちらの手法は信頼感の醸成ですね。また詳しい手法については下記資料にまとめていますので、よろしければご参考ください。
≫新規営業の極意~正しいコールスクリプトとマーケティング分析、自社に必要なものとは~
ポイントその5:強引なクロージングにならないように注意する
インサイドセールスのクロージングでは、強引に契約を求めることは避けた方が良いです。顧客が自ら選択肢を選べるよう、複数のプランを提示することでプレッシャーを軽減しましょう。
たとえば、
「プランAとBのどちらがより適しているとお考えですか?」
といった提案をすることで、顧客は安心して判断できます。また、商談中に顧客が考え込む沈黙も焦らず受け入れ、顧客のペースに合わせた対応を心がけることが信頼構築につながります。
インサイドセールスのクロージングの成約率を高める方法
インサイドセールスのクロージング成功率を向上させるには、次の2つの方法があります。
- インサイドセールススタッフの教育を行う
- クロージングまで営業代行会社に依頼する
それぞれの方法を詳しく解説します。
方法その1:インサイドセールススタッフの教育を行う
時間はかかりますが、インサイドセールスチームの教育は長期的な成果を生む投資です。効果的な教育プログラムでは、以下の内容を網羅することが重要です。
- 製品やサービスに関する知識
- 適切なヒアリングやクロージングなどの顧客対応スキル
- MA、CRM、SFAなどの分析ツールの活用法
以上の研修内容を、ロールプレイやOJTを通じて実務に即した形で実施することが効果的です。
教育を内製化する場合、既存のノウハウを活用しながら進められますが、外部の専門機関を利用することも視野に入れましょう。
≫インサイドセールス教育の内製化でセールスチームを強化!導入方法も紹介
方法その2:クロージングまで営業代行会社に依頼する
即戦力が必要な場合、インサイドセールス業務を外注するのも有効な選択肢です。特に、クロージングはスキルと経験が求められるプロセスであり、営業代行会社に任せることで効率的な成果が期待できます。営業代行会社の利用には以下のメリットがあります。
- 即戦力の確保
- クロージング業務の負担軽減
- ワンストップ代行による柔軟な対応
代行会社を選ぶ際は、料金体系や実績、導入事例などを確認し、自社のニーズに合ったサービスを提供しているか見極めることが重要です。
クロージングまで営業代行に依頼できる会社は次の記事を参考にしてください。注意点や選定の代行会社選定のポイントも詳しく解説しています。
≫営業クロージングまで依頼可能な代行会社15選!注意点や選定ポイントを徹底解説
インサイドセールスのクロージングの成約率を高めよう
インサイドセールスにおいて、成約率を左右する重要なプロセスがクロージングです。本記事では、インサイドセールスのクロージングの流れやポイントを詳しく解説しました。
クロージング成功率を上げるためには、まず顧客の購買意欲が高まる瞬間を見極めることが重要です。テストクロージングを活用し、検討状況を確認しながらスムーズに商談を進めましょう。また、顧客視点での提案を心がけ、課題解決につながる具体的なメリットを提示することも欠かせません。
即効性を求める場合は、営業代行会社の活用も有効です。クロージングまでプロに任せることで、効率的かつ確実な成果が期待できるでしょう。
ネオキャリアのインサイドセールス代行サービスでは、リード獲得からクロージングまで一括で対応可能です。インサイドセールスの成果を最大化したい方は、ぜひご相談ください。