営業アウトソーシング(営業代行)とは?費用やメリットデメリットを解説
企業利益をアップさせるためにも、営業部門にもっと力を集中させたいと考える方も多いでしょう。
営業職とは、「人間の魅力」だけではなく、「ノウハウ」を必要とするものですが、時には斬新なアイデアが道を切り開く場合も少なくありません。
そんなときに利用したいのが、営業のアウトソーシングです。
今回は、営業アウトソーシングの委託内容と、利用する上でのメリットや注意点、有用なケースを解説します。
目次[非表示]
- 1.営業アウトソーシングとは
- 1.1.営業アウトソーシングの方法と違い
- 2.営業アウトソーシングにおすすめのケース
- 3.営業アウトソーシング≒営業代行
- 4.営業アウトソーシング(営業代行)で何が実現できるか?
- 5.営業アウトソーシングのメリット・デメリット
- 6.営業アウトソーシングの費用相場
- 7.どの料金体系を選ぶべき?ケース別に解説
- 8.営業アウトソーシングで失敗しないためのポイント
- 9.営業アウトソーシング(営業代行)業者5選
- 9.1.株式会社ネオキャリア
- 9.2.アズ株式会社
- 9.3.株式会社エグゼクティブ
- 9.4.株式会社コンフィデンス
- 9.5.株式会社セレブリックス
- 10.まとめ
営業アウトソーシングとは
営業アウトソーシングとは、営業活動を外部の代行会社に委託することを指します。
アウトソーシング方法は主に「営業代行」「営業派遣」「SPO」という方法があります。
SPO(セールス・プロセス・アウトソーシング)とは、新規開拓から営業組織の仕組み化まで、営業活動に関わる業務をトータルでアウトソーシングすることです。
営業活動の一部をアウトソーシングする営業代行と似ており、営業代行会社の一部にも営業活動をトータルでサポートできる会社もあります。
営業アウトソーシングの方法と違い
営業派遣 |
営業代行 |
SPO |
|
---|---|---|---|
目的 |
人材の補充 |
営業活動の代行 |
営業の仕組み整備、長期的な成果向上 |
契約先 |
派遣会社 |
営業代行会社 |
SPO会社 |
業務の指揮命令 |
派遣先 |
営業代行会社 |
SPO会社 |
報酬形態 |
主に時給制 |
成果報酬型、従量課金型、月額固定型など |
成果報酬型、従量課金型、月額固定型など |
対価 |
派遣スタッフの労働 |
業務の遂行・成果 |
業務の遂行・成果 |
営業派遣の場合、営業のノウハウを豊富に持った人材や、営業の組織設計などができる人材を採用することは難しいため、ある程度仕組化ができており、現場マネジメントが行き届く場合は向いています。
逆に営業の仕組化やノウハウが欲しい場合はSPOを選ぶと良いでしょう。
まずはアウトソーシングしたい目的や業務範囲を洗い出し、どのアウトソーシング方法が適しているのかを検討しましょう。
営業アウトソーシングにおすすめのケース
営業アウトソーシングは主に以下のようなケースにおすすめです。
営業方法が煮詰まってきて、効率的に新規を開拓したいと感じているとき
営業方法は企業内のノウハウ以外に、その人独自のスタイルを足すことで出来上がっていくものですが、時には視野が狭くなったり、煮詰まってきたりすることもあるでしょう。
そんなときには、BPOの営業代行を利用することで、ブレイクスルーになりえることもあります。新たな風を呼び込み、営業における思いがけない視点や、効率よく新規開拓ができる方法を得ることができるかもしれません。
新しい事業の育成に営業のリソースを充てたいとき
新規事業を始める場合、これまでのメイン事業の営業成績も維持しながら、新規事業の育成にも力を注ぐ必要があります。
そのような場合には、新しい事業を育てるという仕事をBPOの営業代行にお任せすることで、メイン事業のほうも今まで通りの売り上げを維持できるようになります。
営業アウトソーシング≒営業代行
営業活動を外部に委託するという意味では営業アウトソーシングと営業代行は同じものを指します。
営業代行(アウトソーシング)とは、企業の営業活動を代行するサービスのことです。
代行する内容に関しては、テレアポの様に営業活動の一部のみのこともあれば、クライアントへの提案や商談など、営業活動を丸ごと請け負う場合もあります。
また、営業代行サービスを提供する企業と依頼企業は業務委託契約を締結するため、単に一定の業務を遂行するだけでなく、成果にまで責任を持つ点も営業代行の特徴です。
営業代行をうまく活用すれば、営業活動の手間や負担を軽減でき、その分新たな顧客との接点を増やすことに専念できます。
営業アウトソーシング(営業代行)で何が実現できるか?
1.顧客の発掘
顧客リスト作成やアポイント獲得を依頼できます。市場調査や分析をもとに、売り上げに繋がる可能性がある顧客をリストアップしてくれるので、高い効果が期待できます。
テレアポ代行に特化した会社もあります。テレアポだけ委託したいという場合は、以下の記事もご覧ください。
【最新】テレアポ代行12社を料金形態別に徹底比較!失敗しない比較ポイントも紹介
2.見込み客を育てる
将来的に成約が見込める顧客への継続的なアプローチも依頼できます。「インサイドセールス」と呼ぶことも。
時間はかかるものの、顧客と良好な関係づくりで、購買したいタイミングで自社サービスを選んでもらいやすくなります。
3.商談~クロージング
アポイントを取った顧客に商品やサービスの提案を行う商談、顧客との交渉、成約までの一連の業務を依頼できます。
4.アフターフォロー
成約後のアフターサービスも依頼できます。顧客からの信頼度を高めることでリピートにつなげ、継続的な売り上げを確保できるようになります。
5.コンサルティング
営業戦略の立案、プロセス改革、マニュアルの整備など、総合的な営業支援も。自社の営業活動を客観的に分析し、改善したい企業におすすめです。
6.営業スタッフの教育
新人を育成する立場の先輩社員が少なかったり、忙しくて時間を割けなかったり、十分な教育ができない企業も多いのでは?代行会社は「営業のプロ」なので、営業スタッフの教育やメンターとしても活躍してくれます。
このように営業活動の一部だけ、またはすべてを依頼することができ、自社の状況に合わせて活用できるのが魅力と言えるでしょう。
営業アウトソーシングのメリット・デメリット
営業をアウトソーシングすることで、企業側にとってのメリットデメリットは具体的にはどんなものがあるのでしょうか?
メリット
営業に特化したスキルを持つ人を活用できる
営業職はノウハウもさることながら、その人間の経験に基づく勘に頼ることで成績につなげていくことも少なくありません。
営業アウトソーシングで営業力の高い人材を獲得し、事業の成績アップを狙うことができるようになります。
社外のノウハウを学び、今後の営業戦略改善につなげることができる
企業では、営業のオリジナルマニュアルが用意されていたり、先輩からノウハウを伝授してもらったりしています。
営業アウトソーシングを利用すると、このような社外のノウハウも学ぶことができますので、特に営業先の新規開拓方法など、今後に生かすこともできるようになります。
社内の営業フローを見直すきっかけになり、属人化脱却などが期待できる
営業部門を外部に委託することで、新しいノウハウを手に入れることができ、さらには社内で「最適である」と考えられていた営業フローを見直すきっかけにもなります。
よりよい営業フローが出来上がれば、特定の人にしか分からなかったような業務の属人化をなくし、誰でもある程度商品を売れるような仕組みの構築へとつながっていくことが期待できます。
デメリット
商材が複雑な場合、研修などの時間的コストがかかる可能性がある
自社の商材を売り込むためには、その魅力を理解していないと難しいものがあります。商材が複雑な場合は、その魅力が営業代行スタッフに伝わりにくいこともあるでしょう。また、実際のモノがないサービスの場合などでも、落とし込みに時間がかかる可能性が出てきます。
営業代行スタッフへの研修に時間やコストをかけなければならない場合、この追加コストをのちほどきちんと回収できなければ、損益となってしまいます。
適した料金形態を選ばなければ、想定以上にコストがかさむ場合がある
BPOの営業代行はサービス内容によって料金プランが大きく変わりますので、適した料金形態を選ばないと、コストがかかってしまう場合があります。コストを無駄にしないためにも、どのくらいのスパンでどこまでの結果を求めるのかを考慮する必要があります。
基本的には、短期での利用であれば「成果報酬型」、長期での利用前提であれば「固定報酬型」を選ぶといいでしょう。
情報流出の可能性がある
営業業務を委託するということは、その際に商品や顧客の情報を公開するということになり、情報流出の可能性は否定できません。
そのため、事前に委託先の情報管理体制について確認し、情報の取り扱いに関する契約書を締結しておく必要があります。
営業アウトソーシングの費用相場
営業アウトソーシングには大きく3つの料金形態があります。
自社商材の難易度や課題、依頼したい業務範囲などから適したものを選ぶと良いでしょう。
固定報酬型
月に一定の報酬が発生します。営業1人当たり50万~60万円程度が相場といわれています。
現場の営業担当以外に、プロジェクトマネージャーが別途付く場合もあります。
成果が出なくても支払いは発生しますが、あらかじめコストが確定されるので予算組がしやすい、比較的長期的に取り組みしやすいという特徴があります。
成果報酬型
取り組み時に決めた条件を成果とし、その成果実績に応じて報酬が発生します。
売上の30%程度が相場です。成果が出ない場合は支払う必要がないので導入しやすいですが、想定よりも成果が出た場合は最終的にコストが大きくなってしまうこともあります。
複合報酬型
固定報酬と成果報酬を組み合わせた報酬形態です。月額費用に成果報酬が上乗せされる仕組みです。
営業アウトソーシング・営業代行の料金について詳しくはこちらの記事もご覧ください。
【最新】営業代行の費用相場と料金形態は?見積り依頼のポイントも紹介
どの料金体系を選ぶべき?ケース別に解説
自社でアポ取得実績があり、リスト数も多い場合は月額報酬型
月額報酬型は成果が上がらないと費用対効果が合いませんので、過去に自社である程度のアポ取得実績があり、リスト数もそれなりに多い場合は適しています。
また、予想を超えた実績が出てもコストが上がらないため予算管理がしやすいのも特徴です。
とにかく初期費用を抑えたい場合は成果報酬型
成果が出た分だけの支払いで済むので、初期費用を抑えたい場合には向いています。ただ、想定以上の成果が出た場合はコストが大きくなる可能性があるので注意が必要です。
また、業者は成果を出さなければ売上が立ちませんので、強引な営業活動を行うリスクも0ではありません。
商材によっては成果が見込めないためそもそも営業代行を受けてもらえないケースもあります。
どちらを選ぶか迷った場合は複合型を選ぶのも1つの選択肢です。
ただ複合型にも月額報酬型、成果報酬型どちらがメインになっている料金体系もあるので必ず確認した上で選びましょう。
営業アウトソーシングで失敗しないためのポイント
アウトソーシング会社選びは慎重に
成果報酬型だから安心だろう、実績も多いようだし問題ないだろうと安易に決めるのは危険です。
実績が多くても、実際に行う内容がブラックボックスではいざ発注した後にこんなはずではなかった…ということもあり得ます。
自社の課題に対して実際にどのようなプロセスで業務を行ってくれるのか、報酬形態も依頼内容に対して本当に最適なものなのかをきちんと提案してくれるアウトソーシング会社を選定するようにしましょう。
営業アウトソーシング会社に丸投げしない
営業アウトソーシング会社は営業のプロですが、取り扱う商材のプロではありません。
委託後丸投げしてしまうと自社商材のブランドや方向性とは違った方向に進んでしまい、期待していた成果が出ないということもあります。
一方的にやってもらうのではなく、自社商材の位置づけや目標など、自社でしかわからない情報はしっかりと伝え、営業アウトソーシング会社と密にコミュニケーションをとることが重要です。
アウトソーシング後も自社で活かせるようにする
営業アウトソーシングをお願いしている期間は成果が出ていたが、終わったとたんに元通りになってしまうことが多くあります。
営業アウトソーシング中に得たノウハウは取り組み終了後も現場で活用できるようにまとめておき、取り組み終了後の結果を基にさらにブラッシュアップしながら実践するとよいでしょう。
営業アウトソーシング(営業代行)業者5選
それでは、おすすめの営業アウトソーシング業者をご紹介していきましょう。
それぞれに特徴がありますので、自社のニーズに合う業者を探してみてください。
株式会社ネオキャリア
約20年で培った圧倒的な営業力とノウハウで、営業成果にコミットします。
年間500社以上のアウトソーシング請負実績、国内最大級の約3,000社以上の取引実績があるため、様々なニーズに対応することが可能です。
特徴
1.1リスト250円〜発注できる
企業ごとにカスタマイズした顧客リスト作成が得意。高精度なターゲットを抽出し、効果的なアプローチを行います。
1リスト250円という価格設定も、選ばれている理由のひとつです。
2.最短10日で運用開始
ご依頼から運用開始までのスピード感が強み。急な案件依頼も得意です。
もちろん、現状の課題やご要望をヒアリングさせていただいた上で実施するので安心です。
3.徹底したセキュリティ対策
代行会社に依頼する際に心配なのが、情報漏洩。
ネオキャリアでは業務に関わる全てのスタッフに個人情報に関する研修や覚書、秘密保持契約の締結を行い、セキュリティ対策も万全なのが強みです。
URL
アズ株式会社
成果報酬型が可能な営業代行会社。1,800社以上の取引実績があります。
新規アポ獲得や既存顧客フォロー、過去顧客掘り起しなどの対応が可能です。
特徴
1.成果報酬でのテレアポが可能
担当者、責任者などレベルに応じた価格設定の成果報酬システムがあります。
※継続時のみ。初回稼働費用は別途かかります
2.専属の担当者が月1回訪問・レポーティング
活動報告とレポートを提出し、翌月の活動戦略を提案します。
株式会社エグゼクティブ
法人営業専門の営業アウトソーシングサービスを提供しており、相談から2週間で営業活動がスタートできます。
電話やWebによる見込み客の獲得はもちろん、見込み客の育成から商談まで、法人営業のプロに任せることもでき、1ヶ月単位の基本料金+成功報酬型サービスです。
創業から18年間で1000社の実績があります。
特徴
1.HP閲覧企業分析付きプランもあり
HP解析技術で興味あり企業を抽出し、アプローチ対象に追加。アクセス解析により優先順位を決めます。
2.営業ツールやHPの制作も可能
営業ツールやHPの制作も可能。営業活動にかかわる業務をワンストップで委託することができます。
株式会社コンフィデンス
1998年に営業代行を開始した業界のパイオニア。
営業人員の適正配置を行い、量的営業に特化して効率化を追求したアウトソーシングサービスです。
営業戦術の策定や営業代行、フィールドマーケティングまでをミッションとして新規事業の立ち上げを支援します。
特徴
1.新規事業立ち上げフェーズの支援が手厚い
新規事業を立ち上げたがうまくいかない、どう売っていけばいいかわからない、などの課題に対し、営業戦略・戦術の策定から営業代行による営業活動の実施検証までを実施します。
2.インサイドセールスをワンストップで委託可能
見込み客リストからの掘り起し、リード掘り起しの仕組化から、オンラインツールを活用したインサイドセールスまで多岐にわたった対応が可能。
株式会社セレブリックス
株式会社セレブリックスは、特に「法人営業」×「新規開拓」を得意としたサービスを提供しており、これまでに1,000社12,000サービス以上の豊富な実績があります。
コアセールスのアウトソーシング以外にも、テレアポやインバウンド一次対応支援、インサイドセールス支援、リードナーチャリング支援、セミナーアウトソーシングなどのサービスを展開しています。
特徴
1.独自の顧客開拓メソッドで成約率を最大化
膨大な実績のデータ分析から得られた、もっとも効果的な営業手法をノウハウ化した独自資料を利用し、成果を最大化します。
2.見込み客創出から商談クロージングまで可能
市場調査からクロージング、カスタマーサクセスまで代行可能。
営業組織改善、強化を目的としたコンサルティングや営業研修も多数実績があります。
まとめ
営業のアウトソーシングは、現在では特別なものではなくなってきています。
営業する人間の持つ独特な魅力に新しいノウハウをプラスしたり、営業フローの見直しをすることで営業成績をアップさせることができるようになったりなど、メリットは多いといえるでしょう。
営業アウトソーシングを依頼する際には、メリットデメリットを理解し、自社の解決したい課題に合っているアウトソーシング方法、委託したい業務内容を得意とするアウトソーシング会社を選ぶことが重要です。
営業代行会社の比較記事もありますので、選定の参考にご覧ください。
【業界・ケース別】営業代行おすすめ会社10選!特徴や料金形態など徹底比較