インサイドセールスとマーケティングの違いは?関係性や連携の方法について徹底解説
インサイドセールスは非対面で顧客の購買意欲を高めるための営業活動ですが、マーケティングと似た要素があるため、混同してしまいがちです。
本記事では、
- インサイドセールスとマーケティングの違い
- インサイドセールスとマーケティングの連携方法
- インサイドセールスとマーケティングの連携に役立つツール
について解説します。
インサイドセールスとマーケティングは、うまく連携できれば営業で成果を上げやすくなるため、自社の営業活動を加速させるためにも、双方の違いや強みを本記事で理解しておきましょう。
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インサイドセールスとは
インサイドセールスは、見込み顧客(リード)に対してメールや電話などを活用してコンタクトを取る、非対面の営業活動です。
主な役割として、「リードナーチャリング」と呼ばれる見込み顧客の育成を担っています。
リードナーチャリングは、見込み顧客に定期的な連絡を取りつつ悩みや課題を顕在化させ、最適なアプローチ方法で購買意欲を高めていくことです。
購買意欲が高まった見込み顧客はフィールドセールスへとパスされますが、万が一フィールドセールスで失注してしまった場合でも、今後成約の可能性がある場合には再度インサイドセールスに戻され、再びリードナーチャリングをします。
見込み顧客との関係構築はもちろん、フィールドセールスで成約率を上げられるように購買意欲を高める重要な役割です。
マーケティングとは
マーケティングは、自社の商品やサービスを買ってもらうための広告宣伝活動のことです。
自社の商品やサービスを売るためには、まず顧客のニーズを把握しなければなりません。そこで、マーケティングでは顧客のニーズを把握するために市場の調査を行い、分析結果を参考に商品の企画や開発をします。
また、商品販売後の効果測定もマーケティングの役割です。費用対効果の確認や、うまくいった施策とそうでない施策の分析を行い、商品開発の改善や仮説の見直しを行います。
顧客のニーズに応えられる最適解を見つけるために分析を続け、売上の拡大に貢献するのがマーケティングの役割です。
インサイドセールスとマーケティングの違い
本章では、混同しやすいインサイドセールスとマーケティングの違いについて解説します。
双方の違いは、
- 対象
- 目的
- 活動内容
の3つです。
インサイドセールス |
マーケテイング |
|
対象 |
顧客 |
市場 |
目的 |
見込み顧客の育成 |
見込み顧客の獲得・育成 |
活動内容 |
電話やメール、チャットを活用したヒアリングや情報提供など |
市場調査・Webサイト運用・企画立案・商材開発など |
以下でそれぞれの項目について詳しく解説します。
対象
インサイドセールスとマーケティングでは、営業の対象に違いがあります。
インサイドセールスの場合、営業を行う対象は顧客一人ひとりです。見込み顧客と関係を構築し、購買意欲を高めていくために顧客の現状を見極め、最適なタイミングでアプローチを行わなければならないため、各顧客と向き合う必要があります。
一方マーケティングは、市場が対象です。商品が売れやすくなるよう顧客のニーズを調査しなければならないため、ターゲットを幅広く捉える必要があります。
また、受注率を上げるためにはより多くの顧客のニーズに応えられる商品を開発し、販売しなければなりません。
そのためターゲットを広く定め、各年代や性別ごとに市場調査を行い、ニーズを探っています。
上記のように、インサイドセールスとマーケティングは対象が違いますが、最終目標は受注率を上げることです。
目的
インサイドセールスの目的は、見込み顧客の育成です。フィールドセールスでの成約率が上がるよう、見込み顧客に継続的なアプローチをかけ、購買意欲を高めます。
購買意欲が高まったかどうかを十分に見極めながらフィールドセールスと連携する必要があるため、顧客との関係性構築が鍵です。
一方のマーケティングは、見込み顧客の獲得が目的のため、顧客に商品を認知してもらう必要があります。
また、商品の認知だけでなく、商品の魅力が伝わるような宣伝活動をしなければ、見込み顧客の獲得には至りません。
活動内容
インサイドセールスは内勤営業のため、基本的に社内で電話やメール、チャットなどを活用し、見込み顧客へ定期的にアプローチを行っています。
また、自社商品の導入により課題解決に至った事例などを顧客へ情報提供することも活動内容の1つです。
マーケティングの場合は、市場調査・集客・企画立案・開発が主な活動内容で、ターゲットの分析結果に基づいて商品の開発を進めます。
商品ができれば広告などを用いて宣伝活動を行い、ターゲットに商品を購入してもらうよう促す役割です。
インサイドセールスとマーケティングの関係
インサイドセールスとマーケティングは、どちらも売上や受注率の向上を目指している関係で、両部門が連携することで効果の最大化が可能です。
マーケティングは見込み顧客の獲得を目指し、インサイドセールスは見込み顧客の購買意欲を高める役割をもっています。
加えて、インサイドセールスでは各顧客に合ったアプローチ方法で関係性を構築していくため、顧客の事前情報が欠かせません。
マーケティングが顧客の特性や課題感などを事前にインサイドセールスに共有できれば、顧客の課題に合わせた提案ができるため、顧客の購買意欲をさらに高める情報を用意することで、スムーズな商談化が可能です。
また、マーケティングとインサイドセールスの連携がうまく進まないと、社内間での情報共有ができないため、双方の営業活動に影響を与えてしまいます。
情報が共有されないと顧客の育成に時間がかかって生産性が落ち、マーケティングが顧客に伝えた情報を、インサイドセールスでも重複して伝える可能性が上がってしまうことはリスクです。
マーケティングとインサイドセールスの連携は生産性や受注率の向上においては必須項目なので、必ず連携を行って顧客の育成に活かし、受注率を上げられるよう努めましょう。
インサイドセールスとマーケティングが連携するポイント
本章では、受注率を上げるために欠かせないインサイドセールスとマーケティングが連携する際のポイントについて解説します。
インサイドセールスとマーケティングは同じゴールを設定しているため、お互いにKPIを明確にしたり、部門間で積極的にコミュニケーションを取ることがポイントです。
また、連携をする際に便利なツールの紹介も行っているため、スムーズに連携を行いたい場合は検討をおすすめします。
1:各部門でKPIを設定する
インサイドセールスとマーケティングの連携時には、部門ごとに明確なKPIを設定し、共有を行うことが大切です。
前述のとおり、両者は受注率の向上という同じ目標を持っています。そして、インサイドセールスは顧客の購買意欲の向上と商談化件数の数値目標があり、マーケティングには見込み顧客の獲得数が数値目標です。
両者のKPIは売上目標から逆算して設定するため、各部門でKPIを設定したまま共有を行わないと、目標が達成できないリスクが生まれます。
例えばインサイドセールスの商談化件数目標に対し、マーケティングの見込み顧客の獲得数が少ないと、いくら商談化率が高くても目標の達成は難しいです。
各部門で売上から逆算したKPIを設定し共有することで、受注率向上に繋げられます。
営業の生産性を高めるKPIの設定方法については以下の記事を参考にしてください。
>>営業生産性向上のために重要な3つの指標(KPI)と施策事例
>>インサイドセールスのKPI設定とは?項目や正しい目標設定について解説
2:部門間で情報共有を行う
インサイドセールスとマーケティングの連携は、コミュニケーションをしっかり取ることが鍵です。
両者でコミュニケーションが取れていないまま活動してしまうと、顧客情報の共有もないままインサイドセールスがアプローチすることになり、受注率が低下しかねません。
また、マーケティングが獲得した見込み顧客の中には、インサイドセールスが実際に話してみると確度が低かったり、ニーズとは少し違う顧客であったりする可能性もあります。
そのような時は、実際にあった事例としてマーケティングへこまめに共有を行うことで、マーケティング活動の改善が可能です。
コミュニケーションが取れれば、インサイドセールスで顧客とのコミュニケーションがスムーズになったり、マーケティング活動の質がさらに良くなったりするメリットがあるため、必ず意識しましょう。
3:ツールを導入する
マーケティングとインサイドセールスの連携には、ツールを用いることも有効です。
連携に役立つツールは、
- MA(マーケティングオートメーション)
- SFA(セールスフォースオートメーション)
- CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)
があります。
各ツールの特徴は以下の表を参考にしてください。
MA |
SFA |
CRM |
|
特徴 |
・Webサイトへのアクセスや閲覧情報から顧客の確度を判別可能 |
・見込み顧客に対して行った営業内容や反応などを蓄積可能 |
・顧客へのアプローチ履歴や購入した商品の履歴、また意見や苦情などの情報を管理することに特化 |
ツールを導入することで連携を効率よく行えるだけでなく、お互いの業務において重要なポイントなどを可視化できるメリットがあります。
重要なポイントが分かれば、情報共有の際に何を伝えるべきかが明確になり、連携もスムーズです。
インサイドセールスとマーケティングの連携に役立つMAとは
本章では、インサイドセールスとマーケティングの連携に役立つツールであるMA(マーケティングオートメーション)について解説します。
マーケティングオートメーションは、主に見込み顧客の情報管理を得意とするツールです。
活用するメリットや導入時の注意点もあるため、本章で理解を深めておきましょう。
主な機能
マーケティングオートメーションの主な機能は、見込み顧客の管理や育成などです。各顧客の属性や傾向などの基本情報を管理できるため、リードナーチャリングに活かすことができます。
また管理する顧客情報を元にリストを作成することができ、メルマガ配信の際にも役立つ機能です。
さらに、Webページの閲覧回数から成約の確度が高いと予想できる見込み顧客を絞り込める機能もあるため、フィールドセールスにパスする際にも有効活用できます。
活用するメリット
マーケティングオートメーションを利用することで、リードナーチャリングが効率良く行えます。
リードナーチャリングは各顧客に合ったアプローチ方法で営業をかける必要があるため、人力のみではかなりの手間と時間がかかる作業です。
そこでマーケティングオートメーションを利用することで顧客をカテゴライズでき、各カテゴリに合わせたアプローチを実施してくれます。
煩雑な作業でもツールによって簡略化できるため、効率の良い営業活動が可能です。
導入時の注意点
マーケティングオートメーションは、BtoB・BtoCで選ぶべきツールが異なるため、自社の目的に合ったツールの選定が必要です。
BtoB向けは主に購買意欲の高い顧客の抽出機能が備わっています。一方、BtoC向けでは各顧客の関心に合わせてメールの内容や送信時間の設定ができる機能が備わっていたり、ECに特化したツールが存在していたりするため、さまざまな種類から自社の目的にあったツールを選びましょう。
また、BtoB向けのマーケティングオートメーションにおいては、基本的に取り扱いリード数が500件以上ある場合が導入推奨件数です。
自社で保有しているリードが500件未満の場合はマーケティングオートメーションの導入はせず、まずはリード数を増やすことを目的として広告費などに予算を充てましょう。
インサイドセールスとマーケティングの連携が進まない際の対策
本章では、インサイドセールスとマーケティングの連携がうまく進まない場合の対策について解説します。
連携が進まない場合は、運用ルールが明確になっていなかったり、自社にノウハウが足りていないことが要因です。それぞれの対策について、事前に理解を深めておきましょう。
対策その1:部門間の運用ルールを見直す
連携がうまくいかない場合、運用ルールを見直すことも考えましょう。各部門で運用ルールが明確になっていないと連携が不十分になり、部門同士で業務範囲の認識に相違が生まれてしまいます。
加えて、業務範囲の認識にずれが生じると業務に重複する部分が出てきたり、逆に本来取り組むべき業務をどの部門も担当していなかったりするリスクがあり、連携がうまく進みません。
上手く連携できないと感じる場合は、運用ルールが明確かどうか、共通の認識を持てているかを確認し、必要があればルールの見直しを行いましょう。
対策その2:外注化を検討する
連携が上手く進まない場合は、プロに頼んで進めてもらうのも一つの手段です。インサイドセールスの代行会社があるため、部門を外注化して連携を進めてもらうことで、連携に関する問題も解消できます。
代行会社は多くの会社のインサイドセールス導入に携わったノウハウがあるため、自社にノウハウが不足していると感じる場合は導入を検討してみましょう。
代行会社の選び方については以下の記事を参考にしてください。
>>インサイドセールス代行22社徹底比較!特徴や選定方法、料金形態も解説
インサイドセールスとマーケティングの違いを理解して連携を進めよう
インサイドセールスとマーケティングには業務に明確な違いがありますが、最終的には受注率を上げることが目標です。互いに売上から逆算したKPIを設置して共有し、こまめにコミュニケーションを取ることで成果を最大化させられます。
ただ、インサイドセールスの導入が初めての場合はノウハウが少ない会社は、なかなか連携が進まない場合も多いです。
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