インサイドセールスの必要性とは?概要やメリット、注意点と導入ポイントを解説
インサイドセールスは、新規顧客への提案機会を効率的に創出するマーケティングプロセスのひとつです。しかし、インサイドセールスの必要性が十分に理解できず、導入に踏み切れない企業は少なくありません。
- インサイドセールスが今必要にされている理由とは?
- インサイドセールスを導入するメリットは?
- インサイドセールス導入する際のポイントとは?
結論からいうと、インサイドセールスの必要性が高まっているのは、時代に合わせた売上成長を実現するために重要な新規顧客開拓やリードナーチャリングを効率的に実践できるためです。この記事では、インサイドセールスの必要性や導入による効果・メリットに加え、導入時の注意点や円滑に導入するポイントを順にお伝えします。
インサイドセールスによる効率的な新規顧客の開拓で中長期的なビジネス成長を構築しましょう。
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目次[非表示]
- 1.インサイドセールスの役割
- 1.1.インサイドセールスとは
- 1.2.マーケティングプロセスにおける重要性
- 1.3.インサイドセールスができること
- 1.4.インサイドセールスの種類
- 1.5.テレアポとの違い
- 1.6.フィールドセールスとの違い
- 2.インサイドセールスの必要性が高いといわれる4つの理由
- 2.1.理由1:顧客の購買行動の変容
- 2.2.理由2:ビジネスモデルの変化
- 2.3.理由3:営業人員の構造的な減少
- 2.4.理由4:多様な働き方の広がり
- 3.インサイドセールスの必要性が感じられる5つのメリット
- 3.1.メリット1:フィールドセールスによる提案活動への集中
- 3.2.メリット2:見込み客への効率的なアプローチ
- 3.3.メリット3:幅広い潜在顧客の掘り起こし
- 3.4.メリット4:見込み客に関する情報管理の促進
- 3.5.メリット5:提案機会の逸失を抑制
- 4.インサイドセールス導入時の5つの注意点
- 4.1.1:情報管理の仕組みへの投資
- 4.2.2:顧客の悩みや課題の聞き出しが容易でない
- 4.3.3:案件化までに時間がかかる
- 4.4.4:専門担当者の育成に手間がかかる
- 4.5.5:既存部門に負荷がかかる
- 5.インサイドセールスの導入ポイント5つ
- 5.1.1:目的や役割の明確化
- 5.2.2:業務マニュアルの整備
- 5.3.3:情報管理ツールの導入
- 5.4.4:担当者向けに専門研修を提供
- 5.5.5:関連部門との連携
- 6.インサイドセールス導入に向いている商材
- 7.インサイドセールスの必要性が判断できない場合は代行サービスもおすすめ
- 8.インサイドセールスは中長期的な視点で必要性の見極めが重要
インサイドセールスの役割
インサイドセールスの役割は、非対面でのやり取りで見込み客の獲得・選別・育成し、新規顧客から案件創出を促すことです。従来のマーケティング部門や営業部門の機能には見られない特徴があり、導入や検討する企業も増えています。
インサイドセールスを理解する上で、基礎情報として把握しておくべきポイントは6つに整理されます。
- インサイドセールスとは何か
- マーケティングプロセスにおける位置づけ
- インサイドセールスは何ができる?
- インサイドセールスの種類
- テレアポとの違い
- フィールドセールスとの違い
インサイドセールスを活用して、営業の生産性向上や売上成長を加速しましょう。
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、BtoBビジネスの営業効率化や成果を最大化するビジネスモデル「ザ・モデル」で定義された分業内容のひとつです。
主な役割は商談前の段階にある見込み客(リード)の獲得・選別・育成で、とくに見込み客の育成(リードナーチャリング)や商談獲得が重視されています。
インサイドセールスではSDR(反響営業)やBDR(新規開拓)などに分かれ、商談獲得やリード選別、リード育成を電話やメールなどのコミュニケーションツールを駆使して行ないます。見込み客は、自社商材への興味が低くすぐに商談に至らないことも往々にしてあるため、リードナーチャリングが完了するまでに長い場合だと年単位の時間がかかるのも特徴です。そのようなリードを、営業担当者が日々の商談対応もこなしながらおいかけていくのは現実的にも難しいため、インサイドセールス部隊が丁寧に追いかけを行ないます。
売上安定のための顧客育成(リードナーチャリング)や成長の実現に必要な新規顧客の開拓を効率的に進める手法として、インサイドセールスへの注目度が高まっています。
インサイドセールスの役割について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
>>インサイドセールスの役割とは?導入のメリットや必要性について徹底解説
マーケティングプロセスにおける重要性
インサイドセールスは、マーケティング部門と営業部門(フィールドセールス)との間のつなぎ役です。
インサイドセールスはマーケティングと営業のプロセスとしておもに商談創出・獲得を目標とし、見込み顧客とのコミュニケーションを取っていきます。その際、重要になるのがしょうだんかく
対応し、マーケティングプロセスを補完・強化する役割を担います。リードの選別・育成が機能すると、マーケティング部門の活動と営業部門の活動が一体化し、理想的な営業プロセスの実現が可能です。
つまり、マーケティングと営業をつなげてマーケティングプロセスを確実に進める点が、インサイドセールスの役割です。
インサイドセールスができること
インサイドセールスは数多くの潜在顧客から商談に進める見込み客を獲得・選別・育成して、新規顧客への提案機会を効率的に創出できます。インサイドセールスが得意とするのは、新規顧客から良質で成約確度の高い提案機会を数多く創り出すことです。
手法としては主に電話やメールなど非対面でのやり取りに特化するため、1日に対応できる顧客数が多く、直接会わないためやり取りの頻度を高めやすいことが特徴です。
対応する顧客数が増えれば見込み客の母集団が増えるため、商談に進める可能性のある見込み客数も増やしやすくなります。加えて、頻繁にやり取りを重ねると見込み客における検討の醸成が進み、受注確度を高めやすくなり、これが顧客育成(リードナーチャリング)の目指すところとなります。
商談獲得を最終目標に置くものの、マーケティング分析においてもインサイドセールスの顧客とのコミュニケーションデータは必須となります。たとえば「マーケティングチームがある程度育成が終わったホットリード(ニーズのある顧客)としてインサイドセールスに渡したが、実際に話しを聞いてみるともう少しマーケティングチームでのナーチャリングが必要だった。」もしくは「なんらかのきっかけがあっていったんサービスの検討段階を終えてしまった」などのデータがリアルタイムで取れるためです。
またインサイドセールスが顧客の生の声を直接聴けるのも、マーケティングの素材としては重要です。顧客の生の声から今後のサービスへ活かしたりメルマガやセミナーのテーマに反映したりするなど、インサイドセールスがもたらしてくれるデータは非常に重要なものが多いです。
後述しますが、インサイドセールスがもたらす情報は資産です。その分情報管理ツールを使いこなすことは必須となります。まだ各ツールの導入が完了していない企業はインサイドセールスを自社で活用する場合は情報管理ツールの導入を検討してみましょう。
インサイドセールスの種類
インサイドセールスは2種類に分類されます。
インサイドセールスの役割 |
活動の特徴 |
Sales Development Representative |
自社へ問合せをしてきた見込み客に対応 |
Business Development Representative |
見込み客に対して新規開拓を実施 |
SDRは問い合わせをしてきた見込み客を対象に、自社商材への興味を高めたり検討内容を整理して商談につなげることを目的に活動します。これを反響営業ともいいます。
一方、BDRは連絡先を把握している見込み客に対してメールや電話でコンタクトを取り、課題や自社商材の興味を探って提案の余地を見いだします。
見込み客数が多い場合にはSDR、見込み客数を増やす必要がある場合にはBDRと、見込み客の状況に応じて必要なインサイドセールスを見極めましょう。またBDR二は大手企業開拓が得意などの特性もあります。
BDRやSDRの詳しい違いやそれぞれのメリットについては、こちらの記事も参考にしてください。
>>アウトバウンド型インサイドセールス(BDR)とは?インバウンド型(SDR)との違いやメリットも解説
テレアポとの違い
インサイドセールスとテレアポはいずれも非対面で見込み客とやり取りする点は同じですが、業務の目的が異なります。インサイドセールスは新規案件創出を目的とする中長期的な見込み客育成を担いますが、テレアポは直近での顧客訪問のアポ取りが目的です。
たとえば、商談獲得を目標とするインサイドセールスが取ってくるのはきちんと顧客にニーズがある「商談」となります。一方で、テレアポについては「アポイント獲得」が主な目的となり、挨拶アポや情報交換アポなど軽アポと呼ばれる「ニーズが薄いアポイント」も入ってきてしまうのです。
業務目的以外にも活動の時間軸や成果指標、見込み客とのコミュニケーション方法にも違いがあります。
比較項目 |
インサイドセールス |
テレアポ |
業務目的 |
見込み客の検討促進・関係構築 |
対面での訪問約束の獲得 |
活動の時間軸 |
数カ月~年単位 |
数日単位 |
成果指標例 |
商談獲得数 |
アポイント獲得数 |
顧客との接触方法 |
電話・メール・Web会議 |
電話 |
イメージとしては、テレアポは電話をかけるという短期的な作業、インサイドセールスは商談を獲得するというためにリードタイムなどを加味しない長期対応、という認識でいるとわかりやすいかもしれません。またこれをふまえると、インサイドセールス部隊は外注も内製も、ある一定の顧客単価を保てる商材でないと難しいことがわかります。
インサイドセールスとテレアポの違いをより深く知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
>>インサイドセールスとテレアポの違いとは?効果的な活用方法も徹底解説
フィールドセールスとの違い
インサイドセールスとフィールドセールスの違いは、例外もありますが、基本的にはインサイドセールスは商談前を担当し、フィールドセールスは商談中や商談後の対応を行なう点です。
比較項目 |
インサイドセールス |
フィールドセールス |
業務の主目的 |
見込み客の検討促進・関係構築 |
契約の受注 |
対象顧客 |
新規顧客中心 |
既存顧客中心 |
成果指標例 |
引き継いだ見込み顧客数 |
受注高・売上高 |
顧客との接触方法 |
電話・メール・Web会議 |
顧客訪問 |
分業制を敷いていない企業であれば上記すべてを営業担当が対応していることでしょう。しかしインサイドセールスとフィールドセールスが分かれている場合は、それぞれが専門性を持って対応をおこないます。
たとえば、前述した長期的なリードナーチャリングですが、これはフィールドセールスが商談獲得をおこなうインサイドセールスも兼任していたら、年単位でのリードナーチャリングをして商談化させる追いかけをすることは現実的に難しいでしょう。
逆にインサイドセールスがフィールドセールスも担っていた場合、商談対応もすることになりますので、商談準備や商談相手の情報収集、提案書の作成などに追われて商談獲得数を伸ばしたり、商談までに顧客の検討確度を上げるなどのきめ細やかな対応はなかなか難しいです。またヒアリングした情報を情報管理ツールに記載しマーケティングチームと連携をはかりリード獲得(リードジェネレーション)の質を上げていく、といったマーケティング活動の一助もできません。
フィールドセールスは商談対応に集中し、自らの商談の質を上げて受注率を上げる、またインサイドセールスは顧客とのコミュニケーションの質を上げ商談獲得数を増加させるなど、それぞれKPIを分けてスペシャリスト化させることが重要です。
インサイドセールスの必要性が高いといわれる4つの理由
ビジネスを取り巻く経済・社会環境の変化により、インサイドセールスが企業から求められるようになっています。
インサイドセールスの需要が高まっている具体的な環境要因としては、大きく4つあげられます。
- 顧客の購買行動の変容
- ビジネスモデルの変化
- 営業人員の構造的な減少
- 多様な働き方の広がり
理由1:顧客の購買行動の変容
インサイドセールスが求められる理由のひとつに、顧客の購買行動が変わっている点があげられます。
インターネットでさまざまな情報が入手できるため、顧客は営業から情報を提供してもらう必要はなく、自分自身で商材の比較・検討が可能です。
また、場合によってはWeb上で契約手続きまで可能なものもあり、サブスクリプションと呼ばれる継続課金型の購買も出るなど、顧客だけで商材の検討から購入まで完結するケースが増えています。そのため、問い合わせなど自社商材に興味を示した見込み客には、企業側からの検討支援や自社商材を検討対象にしてもらう働きかけが大切です。
フィールドセールスは顕在化している案件の対応を優先しがちなため、見込み客への対応をインサイドセールスに任せたいと考える企業が増えています。
理由2:ビジネスモデルの変化
モノの売買からサービスなどのコトの提供にさまざまな企業のビジネスモデルが変わり始めているのも、インサイドセールスが求められる要因です。
とくに近年急激に広まっているサブスクリプションサービスは、インサイドセールスとの相性が良いとされています。なぜなら、サブスクリプションサービスは安価で内容もシンプルな場合が多く、フィールドセールスが対面で事細かな提案をする必要がないためです。
またサブスクリプション型サービスが多いSaaSをあつかう企業は場合によってインサイドセールスが受注(申込誘導)まで進められるため、インサイドセールスと相性がいい商材といわれています。
市場ニーズやビジネスモデルの変化でリードナーチャリングの重要性が高まっているため、インサイドセールスの必要性も高まっています。
SaaS企業とインサイドセールスについて詳しく知りたい方はこちら
>>SaaS企業にはインサイドセールスがおすすめ!導入前に検討しておくべきこととは
理由3:営業人員の構造的な減少
営業に関連する業務に携わる人口も減少傾向が続いており、多くの営業員がいる前提とする人海戦術的な営業戦略が物理的に採用しづらくなっています。
理由としては、少子高齢化による生産年齢人口の減少に加え、女性や高齢者の就業率も高止まりしており、就業者数を抜本的に増加させるのは困難なためです。
実際、総務省の調査によると、販売業務の従事者数はピークだった2018年から2023年までに7%程度減少しています。今後も営業人員の減少傾向が続くと見込まれ、売り上げの維持や成長を目指すためには、営業活動の生産性向上が必須です。
そのため、見込み客育成を効率的に進められるインサイドセールスは、営業マーケティング活動の生産性向上に効果的な職種と期待されています。
理由4:多様な働き方の広がり
インサイドセールスは、オフィス勤務が困難な社員のニーズに応える職種としても注目されています。なぜなら、インサイドセールスは見込み客に直接会う必要はなく、テレワーク形式で業務を行える職種であるためです。
たとえば育児や介護により、通勤が困難だったりオフィスでの時短勤務が受け入れられなかったりして、仕事を辞めざるを得ない場合があります。しかし、顧客対応が対面でなくリモート対応が原則のインサイドセールス職であればテレワークでも業務が可能なため、仕事と育児や介護を両立しやすくなります。
つまり、インサイドセールスは社会構造の変化から必要性が高まっている職種といえます。
社員の生活状況に応じた働き方を実現する環境作りの一環としても、インサイドセールスの導入は有効な取り組みです。
インサイドセールスの必要性が感じられる5つのメリット
インサイドセールス導入による効果やメリットは多岐にわたります。なぜなら、フィールドセールスのみの体制で散見される課題や悩みを解決できる取り組みであるためです。
すでにインサイドセールスを導入している企業で共通して見られる効果・メリットは5つに整理できます。
- フィールドセールスによる提案活動への集中
- 見込み客への効率的なアプローチ
- 幅広い潜在顧客の掘り起こし
- 見込み客に関する情報管理の促進
- 提案機会の逸失を抑制
インサイドセールスの導入効果・メリットが、自社の営業マーケティング部門が抱える課題に適合しているか確認しましょう。
メリット1:フィールドセールスによる提案活動への集中
インサイドセールスが導入されると、フィールドセールスは目の前の提案活動に集中しやすくなります。今までフィールドセールスが対応していた見込み客の発掘や育成業務を、インサイドセールスに任せられるようになるためです。
見込み客の発掘・育成のためには、継続的に顧客と電話やメールでやり取りする必要があり、対象顧客数が多いと相当な時間がかかります。インサイドセールスに見込み客対応を担ってもらえば、空いた時間で提案数を増やしたり、より丁寧に提案対応したりしやすくなります。
営業プロセスをインサイドセールスと分業して、フィールドセールスが目の前にある案件に注力できる環境を整備しましょう。
メリット2:見込み客への効率的なアプローチ
見込み客対応をインサイドセールスに任せると、見込み客へのアプローチの効率性も高まります。インサイドセールスは非対面でのやり取りが前提であり、顧客訪問のための物理的な移動時間を省けるためです。
フィールドセールスのみの体制の場合、提案活動の合間に見込み客対応するため割ける時間も短く、1日の対応件数が限定されます。しかし、インサイドセールスが専任で対応すれば移動時間もないため、1日当たりのアプローチ数を容易に増やすことが可能です。
アプローチの効率性が高まると、顧客とのやり取り頻度やアプローチする顧客数が増えるため、効率的な新規案件の創出発掘が見込まれます。
メリット3:幅広い潜在顧客の掘り起こし
インサイドセールスを導入すると、これまで掘り起こせていなかった潜在顧客へのアプローチがしやすくなります。
たとえば、フィールドセールスだけの体制だと対面対応できる顧客数が限られ、見込みはあっても遠方の顧客は断念せざるを得ない場合もあります。しかし、インサイドセールスには距離の制限がないため、見込みの高い顧客に確実にアプローチが可能です。また、見込みが低い顧客や休眠顧客など、フィールドセールスがアプローチしきれなかった見込み客にも対応できます。
そのため、インサイドセールスを導入すると幅広い見込み客を掘り起こし、中長期的な案件の芽を数多く育てられます。
メリット4:見込み客に関する情報管理の促進
インサイドセールスを導入するメリットとして、見込み客に関する情報が的確に管理できるようになる点もあげられます。インサイドセールスは、商談に進む顧客に関する情報を最終的にフィールドセールスに引き継ぐ必要があるためです。
重要情報をヌケモレなく引き継ぐためには、収集した情報を確実に記録・保管しておかなければなりません。また、対応する見込み客数が膨大のため専用ツールを活用するケースが多く、それにより記録する情報項目は統一され属人性も排除できます。
マーケティングプロセスを適切に機能させる上で、見込み客に関する情報連携が重要であるため、顧客情報の管理が促進されます。
メリット5:提案機会の逸失を抑制
知らないうちに提案機会を逃す事態を減らせるのも、インサイドセールス導入のメリットです。
見込み客とのやり取りが途絶えている間に、急に検討が進んで商材導入まで行き着いてしまい、提案機会を逸失するケースは度々発生します。しかし、高頻度に見込み客とやり取りできるインサイドセールスを導入すれば、顧客の状況変化も臨機応変に把握可能です。
新規顧客への商談は既存顧客と比べて成約が困難なケースが多いですが、案件数を増加できれば売上成長につながる可能性が高まります。
インサイドセールス導入による他のメリットにも興味がある方は、こちらの記事も参考にしてください。
>>インサイドセールスをBtoB企業が導入するメリットやポイントを解説
インサイドセールス導入時の5つの注意点
インサイドセールスの導入メリットを十分に享受するためには、導入の際に発生しうる注意点への適切な対処がポイントです。もし、注意点に対して何も講じないと、インサイドセールス導入により発生するデメリットが際立ってしまう恐れがあるためです。
インサイドセールス導入において、押さえておきたい注意点は以下の5つに整理されます。
- 情報管理の仕組みへの投資
- 顧客の悩みや課題の聞き出しが容易でない
- 案件化までに時間がかかる
- 専門担当者の育成に手間がかかる
- 既存部門に負荷がかかる
インサイドセールスの導入効果を最大化するべく、導入時には注意点への対応計画も併せて検討しましょう。
1:情報管理の仕組みへの投資
インサイドセールスが適切に機能する環境を整備するには、情報管理の仕組みへの投資が必要です。なぜなら、インサイドセールスが担当する見込み客は非常に多く、収集できた情報を担当者が個別に管理するには限度があるためです。
求められる情報管理の仕組みとしては、SFA(商談進捗管理システム)やCRM(顧客情報システム)などがあります。情報管理の仕組みを導入するとフィールドセールスやマーケティング部門との情報連携も円滑になり、情報のブラックボックス化も防げます。
インサイドセールスの試行時には不要かもしれませんが、本格導入の際には情報管理の効率化や標準化の観点から専用ツールの活用を検討しましょう。
2:顧客の悩みや課題の聞き出しが容易でない
インサイドセールスを導入したとしても、見込み客から悩みや課題を聞き出せるようになるには時間がかかる場合があります。顧客とのやり取りが非対面コミュニケーションであるため、見込み客との信頼関係の構築に時間がかかりやすいためです。
対面形式であれば発言だけでなく表情や態度などから人となりが分かり、顧客との信頼関係も短期間で構築できるケースが多くあります。
しかし、非対面形式では言葉のみのやり取りとなり、顧客の反応に合わせた対応が容易でないため、相手に不信感を与えてしまう可能性があります。
そのため、非対面でのやり取りでもWeb会議を活用してカメラ投影するなどして、見込み客に信頼感を感じてもらえる工夫を講じましょう。
3:案件化までに時間がかかる
インサイドセールスが見込み客の育成を通じて、具体的な商談に至るまでには数カ月から年単位の時間がかかる場合があります。インサイドセールスが担当する顧客の多く、とくにBDR領域(顧客からの問い合わせでないもの)になると自社商材への興味が低く、導入に向けた検討もなされていないためです。
そのため、インサイドセールスは顧客の興味を高めたり検討の具体化を促す情報の提供やセミナーに勧誘したり、粘り強い対応が必要です。
また、予算状況や対応期限の明確化など、契約に向けた活動が可能な状況にならないと、案件をフィールドセールスに引き継ぎできません。
よって、インサイドセールスのリードナーチャリングは一朝一夕には進むものではないことを、関連部門を含め共通認識を持っておくことが大切です。
リードナーチャリングの進め方やポイントについて深く知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
>>インサイドセールスにおけるリードナーチャリングの重要性|3つのリードプロセスと戦略的育成方法
4:専門担当者の育成に手間がかかる
インサイドセールスの体制を構築する場合、担当者をイチから育成する必要があり、定常的に成果を出せるまでには時間がかかります。
そもそもインサイドセールスは日本では比較的新しい職種のため、人材市場全体で経験者が乏しく、即戦力人材を短期間で確保することが困難です。また、フィールドセールス経験者であっても、非対面での顧客対応経験が乏しく、過去の経験やスキルをそのまま活用できるとは限りません。
そのため、研修や業務を通じてさまざまな経験を積み、インサイドセールスの専門家として時間をかけて育成する必要があります。
よって、インサイドセールスが期待する成果を出し続けられる状態になるまでには、時間がかかる可能性がある点を理解しておきましょう。
5:既存部門に負荷がかかる
インサイドセールスが導入されると、マーケティングやフィールドセールスなどの関連する部門の業務負荷がかかる可能性があります。なぜなら、インサイドセールスが機能するためには、マーケティン部門やフィールドセールス部門との業務連携が不可欠であるためです。
たとえば、インサイドセールスはマーケティング部門から見込み客情報を共有してもらい、顧客特性などを理解する必要があります。また、商談に進める見込み客を育成できれば、フィールドセールスに細かな情報を引き継ぐ時間を設けてもらわなければなりません。
インサイドセールスを導入すると新たな業務が追加され、既存部門の業務負荷が高まる可能性がある点を事前に周知しておきましょう。
インサイドセールスの導入ポイント5つ
自社にインサイドセールスを導入する上で、要点を押さえると期待する成果が上がりやすくなります。インサイドセールス導入時に押さえるべきポイントは5つに整理されます。
- 目的や役割の明確化
- 業務マニュアルの整備
- 情報管理ツールの導入
- 担当者向けに専門研修を提供
- 関連部門との連携
円滑にインサイドセールスを導入し、効率的に新規顧客から案件を創出できる営業マーケティングプロセスを実現しましょう。
インサイドセールスの自社導入に関する成功事例や具体的な導入方法に興味のある方は、こちらの記事も参考にしてください。
>>インサイドセールス立ち上げの成功事例を紹介!導入の具体的なやり方も解説
1:目的や役割の明確化
インサイドセールスが活動の方向性を見失わず、他部門の期待値を満たすためにも、インサイドセールスの目的や役割を明確にしましょう。
たとえばインサイドセールスがテレアポと誤解されると、フィールドセールスから大量のアポ取りの業務依頼が来る可能性があります。
しかし、インサイドセールスの本来の役割はリードナーチャリングを通じた、新規顧客からの具体的な案件の創出です。そのため、関連部門から支援を得て協業するためには、インサイドセールスの目的や役割を理解してもらうことが重要です。
さらに、業務内容や既存部門との責任分界点を定義して、業務の谷間や重複の発生を防ぎ、効率的・効果的に活動できる環境を整えましょう。
2:業務マニュアルの整備
インサイドセールスの業務品質を安定させるには、まずはトークスクリプトなどの業務マニュアルを整備することが重要です。インサイドセールスは経験の浅いメンバーが任されることも多く、経験の浅いインサイドセールスのスキルだけに頼るのは困難であり、属人的になる危険性もあります。
たとえば、見込み客とのやり取りの流れや会話方法・内容を明文化しておくと、未経験者でもインサイドセールスの業務を進めやすくなります。また、フィールドセールスに引き継ぐ見込み客の条件を明確にしておくと、引き継ぎ後も効率的に提案活動を進められます。
着任してから短期間でインサイドセールスの業務を遂行し、担当者間の成果の変動を減らすうえでも、業務マニュアルの準備は効果的です。
3:情報管理ツールの導入
インサイドセールスが効率的に業務を進める上では、CRMやSFA、MAツールといった情報管理ツールの導入が欠かせません。なぜなら、インサイドセールスの業務は見込み客から得た情報を関連部門と連携しながら進める必要があるためです。
大勢の見込み客から収集した情報は膨大なため、担当者が個人で記録するには限界があり、収集する情報にも属人性が発生する恐れがあります。しかし情報管理ツールを導入すれば、収集する情報項目が標準化され、関連部門への情報連携も容易になります。
また前述した通り、インサイドセールスが取得した情報はマーケティングチームの資産ともなり得るため、情報管理ツールの導入は非常に重要です。またインサイドセールスの効率的な見込み客の選別や育成としても顧客から得た情報は重要なため、体系的に情報を収集・記録・保管できるツールの導入を検討しましょう。
4:担当者向けに専門研修を提供
インサイドセールスの担当者が的確に成果を出すためには、相応のスキル習得や強化を促す専門研修の提供が必要です。既存業務で顧客と非対面でやり取りする機会はまれであり、インサイドセールスに必要な経験や技術がある社員は少ないためです。
たとえば、非対面のやり取りだと一方的に話を進めてしまいやすく、押し売り営業と思われると聞く耳を持ってもらいにくくなります。そのため、不信感を与えやすい非対面のやり取りを効果的に進めるには、顧客に自発的に話をしてもらえる流れを設ける会話術が大切です。
導入効果を高めるには、専門研修を設けて担当者のスキル向上を図り、成果を出せるインサイドセールスの構築を目指しましょう。
5:関連部門との連携
インサイドセールスが効率的に成果を発揮するには、マーケティング・フィールドセールス両部門と密に情報を連携する取り組みが重要です。
情報連携を密にする際のポイントは、プロセスの下流から上流に情報を展開するフィードバッグを適宜行うことです。フィールドセールスから顧客育成(リードナーチャリング)の際に収集すべき情報を得られれば、引き継ぐ商談の成約確度を上げやすくなります。また、リードナーチャリングの結果から見込み客獲得を強化する施策を提案すると、マーケティング部門との一体感も高まります。逆に、商談獲得の確率を上げるために、マーケティング部門から流入経路などの詳細なデータを受け取ることも大切です。
単に情報を行き来させるだけでなく、業務で得られた気づきや提案事項を積極的に共有して、関連部門との業務連携を強化しましょう。
インサイドセールス導入に向いている商材
自社の商材がインサイドセールスと相性が良ければ、インサイドセールスの導入成果も上げやすくなります。
インサイドセールスに向いている商材の特徴は以下の通りです。
- 価格が安価・シンプル
- 商材が簡素
- 契約手続きが顧客自身で完結
多くの企業が積極的に取り入れているサブスクリプションサービスは、上記の特徴に合致する商材です。サービス内容が簡単で費用も安いケースが多いため、見込み客も非対面でのやり取りを進めることに不安を感じにくくなります。
顧客が対面商談を求める商材でもインサイドセールスの見込み客育成は有効ですが、商材特性を踏まえてインサイドセールス導入を判断しましょう。
インサイドセールスと相性の良いSaaSを取り扱う企業におけるインサイドセールスの役割に興味のある方は、こちらの記事も参考にしてください。
>>SaaS企業でのインサイドセールスの役割とは?効果を出すためのポイント
インサイドセールスの必要性が判断できない場合は代行サービスもおすすめ
インサイドセールスに興味があるものの、小規模な導入で試行したかったり、自社でのチーム立ち上げからの大規模導入に不安を感じたりする場合は代行サービスの活用もひとつの手段です。インサイドセールス代行サービスは、すでにスキルを持った担当者が依頼企業の要望に応じて柔軟かつ短期間でインサイドセールスを構築できるためです。
代行サービスを利用するとインサイドセールスの専門家を投入してもらえ、自社での導入ケースよりも短期間での成果を実感できるでしょう。また、自社インサイドセールス担当者と協業してもらえたり、インサイドセールスの本格導入に向けた支援をしてもらえる場合もあります。
インサイドセールスの必要性を感じながらも、内製化への不安や導入効果の見極めをしたい場合は、代行サービスを活用しましょう。
インサイドセールス代行サービスについて興味のある方は、こちらの記事も参考にしてください。>>インサイドセールスは外注すべき?外注先の選び方、外注推奨ケースを解説
インサイドセールスは中長期的な視点で必要性の見極めが重要
この記事では、インサイドセールスの必要性が高まっている理由や導入メリットとともに、導入時の注意事項や導入ポイントを解説しました。
インサイドセールスの必要性が高まっている理由は、激しく変化する社会でビジネス成長に必要なマーケティング活動を実行できるためです。
インサイドセールスは、営業活動を効率的に分業化するだけでなく、中長期的な売上成長のための顧客基盤拡大にも寄与できます。新たな職種のためヒト・時間・カネの投入が欠かせませんが、要点を踏まえて導入すれば投資対効果の高い取り組みになると期待できます。
ビジネス形態や商材とインサイドセールスとの適合性が高いならば、いち早く導入して売上成長性や生産性を向上させましょう。
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