
AIを営業活動に活かす方法とは?活用事例8選やメリット・デメリットも紹介
営業活動にAIを取り入れることで、業務の効率化や成果の向上が期待できます。しかし、実際に導入してみたものの、思うような効果が得られず、以下のように悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
営業活動にAIを導入し始めたが、思うような成果が出ていない
AIを活用して営業を効率化する具体的な方法を知りたい
社内でのAI活用には限界を感じており、他の選択肢も検討したい
本記事では、営業におけるAI活用方法や導入事例8選、メリット・デメリットを詳しく紹介します。営業活動にAIを効果的に取り入れるための参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.営業活動におけるAI活用の現状と課題
- 1.1.インサイドセールスの組織構築のコツ
- 1.2.AI営業マンは営業職を代替するのか?
- 1.3.AI時代の営業職に求められるスキルとは?
- 2.営業活動へのAI活用方法
- 2.1.①営業ターゲットの設定
- 2.2.②営業メッセージの作成
- 2.3.③トークスクリプトの作成
- 2.4.④顧客・案件管理の効率化
- 2.5.⑤営業成果の評価と改善
- 3.営業活動へのAI活用事例8選
- 3.1.パナソニック コネクト株式会社|生成AIで提案資料作成を自動化
- 3.2.株式会社大塚商会|訪問先の自動提案で商談数3倍に
- 3.3.日本電気株式会社(NEC)|営業文書をAIで高速生成
- 3.4.日本生命保険相互会社|AI提案支援で成約率アップを実現
- 3.5.株式会社横浜銀行|AIで応対記録をチェックし営業品質を平準化
- 3.6.株式会社みずほフィナンシャルグループ|提案内容をAIがアドバイス
- 3.7.株式会社ヒノキヤグループ|AI分析で営業ターゲットを最適化
- 3.8.株式会社星野リゾート|営業プロセスを可視化しキャンセル率を半減
- 4.営業にAIを活用するメリット
- 4.1.①営業活動の効率化
- 4.2.②顧客エンゲージメントを強化
- 4.3.③データドリブンな営業活動を実現
- 5.営業にAIを活用するデメリット
- 5.1.①AIの精度には注意
- 5.2.②セキュリティ・個人情報リスク
- 5.3.③人間らしい対応力が失われる可能性
- 6.営業活動にAIを導入する手順
- 6.1.①営業AI化の目的と目標を明確にする
- 6.2.②営業AI導入に向けた道筋を立てる
- 6.3.③導入するAI営業ツールを比較・選定する
- 6.4.④運用体制を整備し現場に落とし込む
- 7.AIに任せきれない営業領域を営業代行でカバー
- 8.営業活動のAI活用で、チームの生産性を高めよう
営業活動におけるAI活用の現状と課題
AIを営業活動に導入する際は、AI活用の現状と課題を把握しておくと良いでしょう。以下では、営業現場におけるAI活用の現状と課題を踏まえ、なぜ今AIが必要とされるのか、そして営業職に求められるスキルについて、詳しく解説していきます。
インサイドセールスの組織構築のコツ
営業活動にAI活用が求められる理由は、営業活動に割ける時間の減少、顧客ニーズの多様化、AIの技術的な進歩が挙げられます。
営業現場では、人手不足や働き方改革による労働時間の制約、顧客ニーズの多様化により、より一層効率的かつ的確なアプローチが求められています。特に、商談前のリサーチや顧客分析、資料作成などに膨大な時間を取られてしまうことで、本来の営業活動に割ける時間が確保できない点は改善が必要です。
そこで、AIによるデータ分析や自動化によって、限られたリソースでも営業効率や成果を高められる環境づくりが求められています。
営業の人手不足の原因や解消法は、次の記事も参考にしてください。短期的、長期的な視点で、人手不足解消のポイントを詳しく解説しています。
▶営業の人手不足解消のための実践ガイド
AI営業マンは営業職を代替するのか?
営業の現場では、「AI営業マンは人間の営業職を代替できるのか?」という問いに関心を寄せる企業が増えています。生成AIやディープラーニングの進化により、営業資料の作成、提案内容の自動化、顧客対応の一部など、従来人が担っていた定型業務をAIが補えるようになってきました。
しかし、営業の核心ともいえる「顧客との信頼構築」や「ニーズの深掘り」といった領域は、人間にしかできない重要な部分です。相手の表情や空気感を読みながら柔軟に対応する力は、現時点のAIでは再現が難しいからです。
今後は、AIの力をうまく使いこなしながら、人が主導となって価値を提供していく営業スタイルが、より求められていくでしょう。
AI時代の営業職に求められるスキルとは?
AI活用が進む中、営業職にはより一層幅広いスキルが求められています。単なる商品説明や訪問営業だけでなく、データを読み解き、人と丁寧に向き合う力が重視されています。特に重要とされるのが、次の4つのスキルです。
スキル |
内容 |
解釈力 |
AIから得られたデータを理解し、提案や戦略に落とし込むスキル |
傾聴力 |
顧客の本音や潜在的なニーズを引き出すコミュニケーションスキル |
協働力 |
チームやツールと連携し、円滑に営業プロセスを進めるスキル |
ITリテラシー |
ITツールやAI技術を理解し、営業活動に効果的に取り入れるスキル |
AIはあくまで補助役としての位置づけであり、営業の現場では人にしかできない判断と対応力が重要になってきます。AIを活かしながら価値を提供できる営業が、AI時代に選ばれていくでしょう。
営業活動へのAI活用方法
営業の現場では、ターゲットの選定から商談後のフォローまで、多岐にわたる業務が求められます。営業活動におけるAIの活用方法として、次の5つが挙げられます。
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それぞれの活用方法について、詳しく見ていきましょう。
①営業ターゲットの設定
営業活動でまず重要なのは、「誰にアプローチするか」というターゲットの設定です。
AIは、顧客のWeb閲覧履歴やSNSでの発言、購買履歴など膨大なデータを分析し、関心度や購入の可能性が高い見込み客を自動で抽出します。AIを活用することによって営業担当者は最適なターゲットに対して的確にアプローチでき、無駄な工数を大幅に減らすことが可能になります。
さらに、AIによる市場調査を組み合わせることで、業界の最新トレンドを把握したうえで営業戦略を立てることも可能です。従来の勘や経験に頼った営業から脱却し、データに基づく戦略的な営業活動へと進化していきます。
顧客の行動データを活用して確度の高いターゲットを見つける手法として、インテントセールスも注目されています。詳しい仕組みや活用方法は、次の記事をご参照ください。
▶インテントセールスとは?仕組みや営業でのデータ活用方法、使用ツールも徹底解説
②営業メッセージの作成
提案メールや営業資料などの文書作成も、生成AIを活用することで効率化が可能です。
生成AIを使えば、顧客の興味関心や行動履歴に合わせたパーソナライズメッセージを自動で作成できます。従来は時間をかけて作成・調整していたメール文やSNSでの発信も、AIによって瞬時に最適化され、反応率の向上が期待できるでしょう。
営業メッセージの作成にAIを取り入れることで、営業担当者はコンテンツ作成にかかる手間を減らし、顧客との信頼構築など本来注力すべき業務に集中できるようになります。
③トークスクリプトの作成
生成AIを活用すれば、過去の商談データをもとに効果的な話し方や質問の順序を学習し、成果につながりやすいスクリプトを自動で作成できます。
商談やアポイントの成功率を上げるには、話す内容や流れを事前に整理した「トークスクリプト」が欠かせません。AIの活用により、FAQ対応の自動化や、顧客属性に応じたパターン作成も可能なため、新人の営業でも一定の成果を出しやすくなります。
さらに、営業トークの改善ポイントをリアルタイムで反映できるため、営業の質を組織全体で底上げできるのも大きな強みです。
トークスクリプトの作り方や活用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。例文付きで知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
▶インサイドセールスのトークスクリプトとは?作成のメリットや作り方、例文も紹介
④顧客・案件管理の効率化
AIはCRMやSFAなどの営業支援ツールと連携することで、顧客情報や商談履歴を自動で分析・整理します。
営業支援ツールとの連携により、アプローチすべき顧客の優先順位や、最適なフォロータイミングが明確になり、属人的な判断を排除できます。また、案件の進捗管理やスケジュール更新、リマインド通知などの事務作業もAIで自動化され、対応漏れのリスク回避も期待できるでしょう。
商談後のフォローアップメール送信などもAIが代行するため、営業担当者はよりコアな業務に集中できます。
⑤営業成果の評価と改善
営業活動の改善には、現状の成果を正しく評価し、具体的な改善点を把握する必要があります。
AI活用により、営業データをリアルタイムで分析し、効果的なアプローチは何であったか、成果に結びついた要因は何かを明確にします。さらに、改善策をフィードバックとして自動提案するため、営業担当者は次の機会に活かせるでしょう。
日報作成や成績評価も自動化され、個別の営業スキル強化や戦略の見直しを迅速に行うことが可能になります。
営業活動へのAI活用事例8選
営業活動にAIを取り入れる際に、先駆けて成功した事例を知っておくことが重要です。以下では、提案資料の自動生成や営業トークの最適化、顧客対応の標準化など、営業現場で実際に成果を上げているAI活用の具体例を8つご紹介します。それぞれの事例を詳しく見ていきましょう。
パナソニック コネクト株式会社|生成AIで提案資料作成を自動化
パナソニック コネクト株式会社は、社内向けAIアシスタント「ConnectAI」を全社員約13,400名に展開し、提案資料や業務文書の作成支援に活用しています。
2023年には、社内公式情報と連携する機能を追加し、約3,700件の自社Webページや495件のニュースリリースなどを参照可能にしました。さらに、音声入力や引用元表示などの機能も備え、社員がAIを活用しやすい環境を整えています。
資料作成の効率化と精度向上を図りながら、ナレッジの社内展開を促進する取り組みとして注目されています。
株式会社大塚商会|訪問先の自動提案で商談数3倍に
株式会社大塚商会は、営業活動を支援するため、AI分析ツール「dotData」を活用したシステム「AI行き先案内」を導入しました。
過去20年以上にわたって蓄積された5,000万件超の商談履歴と12億件以上の売上データをAIが解析し、営業担当者ごとに最適な訪問先を自動で提案する仕組みを構築しています。AI導入の取り組みにより、半年で7万件以上の商談提案を実現し、商談数は1年で3倍にまで増加しました。
AIによる高精度な提案は営業現場でも信頼を獲得しており、属人性の排除と営業力の底上げにつながっています。
日本電気株式会社(NEC)|営業文書をAIで高速生成
日本電気株式会社(NEC)は、生成AIを含む独自のAI技術を活用したマーケティング施策立案ソリューション「BestMove」を開発し、2025年6月より提供を開始しました。
購買データと属性拡張技術を組み合わせることで、商品に関心を持つ顧客を高精度に抽出し、複数の施策案を自動生成・比較できる仕組みを構築しています。
施策ごとの反応率や期待効果を可視化することで、確信を持った営業判断を支援する環境を実現しています。
参照:NEC|BestMove
日本生命保険相互会社|AI提案支援で成約率アップを実現
日本生命保険相互会社は、日立製作所のAI技術「Hitachi AI Technology/H(AT/H)」を活用し、営業職員向けの「訪問準備システム」を構築しました。
導入したシステムでは、約1,000万人分の顧客情報をもとに、約2,000種類の提案メッセージを自動生成し、職員に配信しています。さらに、AT/Hが成約率と相関する行動パターンを複数の観点から抽出したことで、営業経験に依存しない提案活動が可能となりました。
AI活用により営業力の底上げと提案の標準化が実現し、業務の効率化と成約率向上に大きく貢献しています。
株式会社横浜銀行|AIで応対記録をチェックし営業品質を平準化
株式会社横浜銀行は、FRONTEOの人工知能エンジン「KIBIT」を導入し、営業現場で日々蓄積される面談記録の解析に活用しています。
AIが記録内容を自動でスコアリングし、重要度の高い情報を優先的に抽出することで、営業活動の見直しと提案の精度向上が実現しました。従来は手作業で行っていた記録確認の工数が最大で15分の1にまで短縮され、営業品質の平準化と業務効率の向上につながっています。
株式会社みずほフィナンシャルグループ|提案内容をAIがアドバイス
株式会社みずほフィナンシャルグループは、営業力の強化と業務効率化を目的に、日立のAI技術「Hitachi AI Technology/H」を導入しました。
行員のPC操作や訪問回数、メール送信数などの行動データと組織属性をAIが分析し、売上や契約数と相関の高い行動パターンを抽出しています。
AI技術により、営業現場ではデータに基づいた改善策を実施しやすくなり、若手でも成果を上げやすい体制の構築が可能になりました。
参照:株式会社みずほフィナンシャルグループ|オペレーショナルエクセレンス
株式会社ヒノキヤグループ|AI分析で営業ターゲットを最適化
株式会社ヒノキヤグループでは、営業支援としてLINE WORKSと連携したAIチャットボット「ひのくまコンシェルジュ」を導入しました。
導入の目的は、営業活動の効率化と成約率向上の実現です。営業担当者が来場客とLINEでつながることで、連絡先の取得数は従来の2倍、やり取りの頻度は3倍に増加しました。
社内統計では、LINEでつながった顧客の方が成約率が高い傾向にあると示されています。
株式会社星野リゾート|営業プロセスを可視化しキャンセル率を半減
株式会社星野リゾートのブライダル事業では、営業活動の効率化と顧客満足度の向上を目的に「Zoho CRM」を導入しました。導入の目的は、情報共有のリアルタイム化とプロセスの最適化の実現です。
CRMと自社サイトを連携させることで、来館予約の状況を即時に把握でき、適切な接客対応が可能になりました。さらに、来館から契約までのリードタイム短縮により、来館予約のキャンセル率を最大50%削減する成果につながっています。
営業にAIを活用するメリット
営業にAIを導入することで、業務の効率化、顧客対応の質の向上、そしてデータに基づいた営業判断が可能になります。営業にAIを活用するメリットとして、次の3つが挙げられます。
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それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
①営業活動の効率化
AIを導入することで、営業活動に付随する反復的・定型的な作業を自動化し、本来注力すべき商談や顧客対応に時間を割けるようになります。
営業担当者は、資料作成や案件管理などの事務作業に多くの時間を費やしているのが現状です。業務を標準化できることで品質のばらつきがおさえられ、ヒューマンエラーの防止や残業時間の削減にもつながるでしょう。
②顧客エンゲージメントを強化
AIは、顧客の行動データや過去の対応履歴をもとに、最適な提案タイミングや内容を提示してくれるため、営業担当者はより深い理解に基づいたパーソナライズ対応が可能になり、顧客との信頼関係が構築しやすくなります。
特にサブスクリプション型ビジネスでは、解約率を下げるためにも、継続的な顧客関係の維持が重要です。AIを活用することでエンゲージメントの強化と成約率の向上が期待できるでしょう。
③データドリブンな営業活動を実現
AIを活用すれば、CRMやSFAに蓄積された膨大な顧客・案件データを迅速かつ正確に分析し、営業活動に活かすことができます。
顧客の購買履歴や対応履歴、メール・通話内容をもとに、ニーズや行動傾向を可視化できるため、最適なタイミングでの提案が可能です。また、トップセールスの行動パターンをAIで分析し、営業チーム全体に共有することで、組織全体の営業力の底上げも図れます。
人間の感覚や経験に頼らない、データドリブンな営業スタイルを確立できるのがAI活用の利点です。
営業にAIを活用するデメリット
営業活動にAIを取り入れることで多くの恩恵が得られる一方、精度のばらつきやセキュリティリスク、人間らしさの欠如といった課題も存在します。営業にAIを活用するデメリットは、次の3つが挙げられます。
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それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
①AIの精度には注意
AIは便利なツールですが、常に正しい判断が下されるとは限りません。「AIだから正しい」と思い込まず、最終的な判断は人間が行うことが重要です。
AIの分析や提案の精度は、もとになるデータの量や質に大きく左右されます。古い情報や偏ったデータが使われていると、誤った予測や判断につながるリスクがあります。
精度を保つためには、常に最新で正確なデータを集めて管理することが必要です。また、AIを導入したあとも、定期的な調整やモニタリングは続けるようにしましょう。
AIに任せきりにせず、人の目と判断がセットであってこそ、安心して活用できるのです。
②セキュリティ・個人情報リスク
営業でAIを活用する場合、顧客の個人情報や企業の機密情報を扱うことが多いため、セキュリティ対策は欠かせません。
もしデータ漏洩や不正アクセスが発生すれば、企業としての信頼を失うだけでなく、法的な責任を問われる可能性もあります。また、AIがどのようにデータを活用しているのかを、顧客に対して適切に説明する姿勢も求められます。
AIを安全に使いこなすには、営業チーム全体でプライバシーや情報管理の重要性を共有し、明確なルールと運用体制を整えることが必要です。
③人間らしい対応力が失われる可能性
AIによって営業の一部を自動化することで効率は上がりますが、対面での微妙なニュアンスや感情を汲み取るような「人間らしい対応」が失われる恐れもあります。
営業は信頼関係の構築が重要であり、顧客の感情や背景に応じた柔軟な対応はAIだけでは補えません。そのため、AIには業務支援を任せつつ、顧客との接点や関係構築は人間が担うという役割分担が大事です。
AIを「置き換えるもの」ではなく「補完する存在」として活用する姿勢が求められます。
営業活動にAIを導入する手順
営業にAIを導入するには、目的の明確化から始まり、計画策定、ツールの選定、現場への定着まで段階的な準備が必要です。営業活動にAIを導入するための手順は次の4つです。
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それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。
①営業AI化の目的と目標を明確にする
営業にAIを導入する最初のステップは、現場の課題を整理し、「何のためにAIを使うのか」を明確にすることです。
たとえば「商談数を増やしたい」「成約率を高めたい」など、具体的な目的を定め、その達成度を測るための指標(KPI)を設定します。目的が曖昧なまま導入を進めると、現場に定着せず、期待した効果が得られないリスクが高まります。
営業のAI化を成功させるには、自社の業務課題と照らし合わせたうえで、実現したい成果を明確にすることが重要です。
②営業AI導入に向けた道筋を立てる
AI導入にあたっては、プロジェクト全体の流れを可視化した「ロードマップ」の作成が欠かせません。
「誰が」「いつまでに」「何をするのか」を整理することで、メンバー間の認識を統一し、導入後の混乱を防げます。また、段階的なスケジュールを組むことで、小さな成功体験を積みながら現場に定着させることが可能になります。
営業AI導入は一度きりの施策ではなく、継続的な改善を前提としたプロジェクトとして計画を立てることが重要です。
③導入するAI営業ツールを比較・選定する
自社の営業プロセスの中で、AIで効率化したい部分を明確にしたうえで、目的に合った機能・使いやすさ・コスト面などを比較し、最適なツールを選定することが重要です。
AI営業ツールにはさまざまな種類があり、それぞれ得意な分野が異なります。たとえば、営業活動全体を管理するSFA(営業支援)ツール、提案文やメールを自動生成する生成AI、顧客データを分析するBIツールなど、用途に応じた選び方が必要です。
また、実際に導入したあとに活用され続けるかどうかは、「操作のしやすさ」や「現場への負担の少なさ」にも左右されます。
④運用体制を整備し現場に落とし込む
AIを効果的に活用するためには、現場に浸透させる運用体制の構築が必要です。
ツールの導入だけでなく、業務フローの中に自然に組み込まれるような設計と、実務に即したトレーニングが求められます。最初は小さな業務から始め、現場の声を反映しながら段階的に範囲を拡大していくのが効果的です。
また、AIの活用事例や成功体験を社内で共有し、他部署への展開やノウハウの蓄積にもつなげましょう。導入後の継続的な取り組みが、AI導入の成功を左右します。
AIに任せきれない営業領域を営業代行でカバー
営業活動の一部はAIで効率化できるようになってきましたが、顧客との信頼構築や契約締結といった「クロージング業務」は、人間の判断力や交渉力が求められます。
特にBtoB営業では、相手企業の状況に応じた柔軟な対応が必要になるため、AIだけでは対応しきれない場面が多くあります。
そこで注目されているのが、クロージングまで対応できる営業代行サービスです。アポイント取得から商談・成約までを一貫して任せることができ、営業リソースが不足している企業でも、効率よく成果を上げることが可能になります。
クロージングまで対応できる営業代行会社をお探しの方は、以下の記事も参考にしてみてください。選び方のポイントや注意点も詳しく解説しています。
▶営業クロージングまで依頼可能な代行会社15選!注意点や選定ポイントを徹底解説
営業活動のAI活用で、チームの生産性を高めよう
本記事では、営業におけるAI活用の具体的な方法や注意点、成功事例を紹介してきました。
営業活動にAIを取り入れることで、業務の効率化はもちろん、データを活かした高精度な提案やスピーディな対応が可能になります。一方で、クロージングや信頼関係の構築など、人との関わりが必要な場面ではAIだけでは限界があるのも事実です。
「営業の生産性を高めたい」「AIを活用したいけれど運用に不安がある」といったお悩みをお持ちの方は、プロの力を借りるのもひとつの方法でしょう。
ネオキャリアでは、AI活用を含む営業支援サービスを通じて、営業活動の効率化をサポートしています。課題に応じた柔軟な提案が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。