
アウトソーシングのメリット・デメリットは?向いていない業務もある!
社内の人材不足や業務の負担増加の解決策となるアウトソーシング。多くのメリットもありますが、デメリットもあります。
この記事ではアウトソーシングのメリット、デメリット、アウトソーシングに向いている業務、不向きな業務についてご説明します。また、アウトソーシングを導入する際の注意点もご紹介しますので参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.アウトソーシングとは?
- 1.1.アウトソーシングと外注の違い
- 1.2.アウトソーシングとBPOの違い
- 2.アウトソーシングのメリット・デメリット
- 2.1.アウトソーシングのメリット
- 2.2.アウトソーシングのデメリット
- 3.アウトソーシングに向いている業務、向いていない業務
- 3.1.アウトソーシングに向いている業務
- 3.2.アウトソーシングに向いていない業務
- 4.アウトソーシングを導入する際の注意点
- 4.1.事前に業務内容の確認をする
- 4.2.報告・ミーティングを定期的に行う
- 4.3.セキュリティ体制が整備された業者を選ぶ
- 5.まとめ
アウトソーシングとは?
アウトソーシングとは、外部から人材やサービスを調達して、自社の強化を図る業務形態のことです。具体的には、内部で対応していた一部の業務を外部に委託することで、コスト削減や業務の効率化を目指します。
また、アウトソーシングとよく似た言葉として「外注」「BPO」もあるため、それぞれの違いについても説明します。
アウトソーシングと外注の違い
外注は形だけ見るとアウトソーシングに似ていますが、形態が異なります。一部の生産や工程のみを委託する外注とは違い、アウトソーシングは特定の業務そのものを委託するイメージです。
アウトソーシングとBPOの違い
アウトソーソングと似ている「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)」は、事業の中心となる、コア業務以外の業務をまるごと外部に委託するビジネスモデルです。
特定の業務を外部委託するアウトソーシングよりも、さらに広い範囲の業務内容を委託できます。
以下記事ではBPOについてより詳しくご説明しています。
≫BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とは?特徴とアウトソーシング・外注との違いを解説
アウトソーシングのメリット・デメリット
アウトソーシングによって企業にもたらされるメリットはどんなものがあるのでしょうか?デメリットと合わせて見ていきましょう。
アウトソーシングのメリット
高いクオリティで業務を遂行できる
専門的ノウハウを蓄えている業者に業務を委託することで、自社では実現できないクオリティで業務を遂行することができます。なぜなら、アウトソーシング先の業者では、その業務を専門とした経験値の高い人材が採用され、委託された作業を行っているためです。
一般社員がさまざまな業務の一環として行うよりも正確で効率的な業務を期待できるため、アウトソーシングした業務の品質が向上すると考えられます。
また、ノウハウやインフラ設備が整っていない業務の補完にも適しています。社内で業務のノウハウやインフラを整備していくには時間も労力もかかりますが、アウトソーシングを活用すれば、即座に質の高い最新の業務を行えるようになるでしょう。
コスト削減できる
通常、業務を内製化していくには、人材の確保や育成、設備の導入やマニュアルの整備が必須であり、そのためには多額の投資が必要になります。
しかし、その業務をアウトソーシングで担うのであれば投資は不要です。むしろ、一般社員よりも専門性が高い業者へ業務を委託することで業務効率が上がり、業務に対する所要時間や人件費の削減ができるでしょう。さらに、固定費の見直しも可能となるため、内製化するよりも大幅なコスト削減につながることも珍しくありません。
社内の人的リソースをコア業務に投下できる
ノンコア業務をアウトソーシングすることにより、社員がコア業務に専念する時間が増え、企業の独自性が高まります。
ビジネス競争で企業が生き残っていくためには、企業特有のサービスを生み出す部分にリソースを注力しなければなりません。アウトソーシングによって社員をできる限りルーティン業務から解放することで、企業の競争力そのものが強化されます。
業務プロセスの改善ができる
業務をアウトソーシングする場合には、事前の業務内容や定期的な業務フローの見直しが必要です。なぜなら、委託する業務と自社で行う業務を選別しなくてはならないからです。
このように定期的に業務の見直すことで無駄な業務の洗い出しや効率化が実現でき、業務プロセスの改善が可能となります。
アウトソーシングのデメリット
続いては、アウトソーシングのデメリットについて解説します。
情報漏えいのリスクがある
業務の内容によっては、営業先や顧客先情報などの機密情報を委託先が取り扱う場合があります。万が一、これらの情報が流出して顧客先に損害が出た場合、自社に責任が問われる可能性もゼロではありません。
外部に業務を委託するため、情報漏えいのリスクは常につきまといます。少しでもリスクを回避するためには、アウトソーシング先に選定時に機密情報の取扱いについてどのようなルールを設けているかを確認するようにしましょう。
社内にノウハウが蓄積されない
BPO・アウトソーシングを請け負っている会社は、専門の分野に対して特化しており、最新のシステムや情報を取り入れていることが多いですが、基本的に委託元の会社とノウハウの共有を行いません。
そのため、途中から業者の変更や、内製化を行う場合などにはそれまでに培ったノウハウがなく、一からプロセスを築き上げる必要があります。
ガバナンスが弱体化する可能性もある
自社の業務を把握しにくい、依頼先との認識にズレが出てくるといった弊害が予想されます。ガバナンスが弱体化し、仮にアウトソーシング業者に何かあった場合、共倒れしてしまうリスクもあります。
アウトソーシングに向いている業務、向いていない業務
アウトソーシングはとても有効な方法ですが、向いていない業務もあります。
アウトソーシングに向いている業務
コア業務ではないということを前提とすると、以下の業務はアウトソーシングに向いています。
【業務例】 |
アウトソーシング会社はそれぞれ強みとする業務があり、委託する業務が得意な会社に依頼するとスムーズに導入できる可能性が高くなります。
以下の記事では得意業務別のアウトソーシング・BPO会社をご紹介しています。
≫【最新】業務別!おすすめのBPOサービス(アウトソーシング)を厳選紹介
アウトソーシングに向いていない業務
先ほど述べた向いている業務とは反対に、非定型で社内のコミュニケーションを多く必要とする業務や成果物が明確でない業務、コア業務に関わるものはアウトソーシングには向いていません。
【業務例】 |
アウトソーシングを導入する際の注意点
先ほど述べたデメリットを踏まえ、アウトソーシングの導入時には以下のような点を注意すると良いでしょう。
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事前に業務内容の確認をする
いざアウトソーシングを導入することが決まったら、業者に委託する業務の内容を、厳密に選別しましょう。
デメリットの項目でも前述したように、アウトソーシングした業務はノウハウを蓄積できないという欠点があります。そのため、企業の柱となるコア業務や、成長させていくべき業務はアウトソーシングには適していません。
他社でもできる業務や、ノウハウの蓄積が必要ないノンコア業務を適切に見分ける判断力がカギになります。
報告・ミーティングを定期的に行う
アウトソーシングした後、業者にすべてを任せきりにするのではなく、定期的な報告やミーティングを設けるようにしましょう。
アウトソーシングによってサービスの品質が落ちるのであれば、一方的に業者だけが悪いのではなく、委託内容の共有方法にも問題があります。上がってきたサービスの品質や業務体制を定期的にチェックし、業者と認識のずれが生じないよう、綿密な連絡体制をとる必要です。
セキュリティ体制が整備された業者を選ぶ
アウトソーシングを行うときに不安になるのが、セキュリティ体制です。業務を外部に委託するには、情報漏洩のリスクがつきまといます。
このリスクを軽減するためには、アウトソーシングを行う業者選びが重要です。特に、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)や、プライバシーマーク認証のある業者を選ぶのがおすすめです。なぜなら、これらは情報を保護するマネジメントシステムであり、導入している業者を選ぶことでセキュリティリスクを大幅に減らすことが可能になるからです。
業者選びの際には、情報管理体制や実績についても事前にしっかりと確認しておきましょう。
まとめ
アウトソーシングは、うまく利用することで会社や社員の負担を軽減するだけでなく、業務効率や業務の質の向上が期待できるなど、大きなメリットを持つシステムです。人材不足が深刻化し、働き方改革が叫ばれる現代にとって、このシステムは救世主ともいえるのではないでしょうか。
ただし、アウトソーシングを行う際の業者や業務の選定は慎重に行い、デメリットにも備えておきましょう。