アウトソーシングと内製化どちらを選ぶべき?それぞれのメリット・デメリットを見極めて判断しよう
企業にとって、人材不足は大きな問題です。
アウトソーシングすることで人材不足を解消できますが、必ずしも有効な対策とは限りません。
アウトソーシングと内製化、それぞれのメリット・デメリットや、どちらを選ぶべきかの判断ポイントを解説します。
目次[非表示]
- 1.アウトソーシングと内製化の違い
- 2.アウトソーシングのメリット・デメリット
- 2.1.アウトソーシングのメリット
- 2.2.アウトソーシングのデメリット
- 3.内製化のメリット・デメリット
- 4.「アウトソーシングか内製化か」判断するポイント
- 4.1.アウトソーシングを選択すべきケース
- 4.2.内製化を選択すべきケース
- 5.まとめ
アウトソーシングと内製化の違い
アウトソーシングとは、他社に業務を外注することを指します。
社内に有資格者や有スキル者が不足している場合や、人材が不足する繁忙期などに、アウトソーシングすることがあります。
一方、内製化は、アウトソーシングとは逆に、社内の人員だけで業務を行うことです。
もともとアウトソーシングしていた業務を、自社に戻すことをあえて内製化と呼ぶこともあります。
アウトソーシングのメリット・デメリット
アウトソーシングには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
アウトソーシングのメリット
外部の高い技術力や知見を活用できる
社内に適切な技術やスキル、知見を持った人材がいない場合、アウトソーシングすることで現場に適した人材を活用できます。
例えば、今まで経験がない分野にマーケットを広げるなどの新しい事業を展開する場合、IT系が専門分野ではない企業が、新しいITシステムを活用して業務の効率化を行う場合などです。
外部の専門的な知識や技術を持つ企業の技術や知見を活用することで、効率よく最適解を得られるでしょう。
コア業務に注力できる
企業の運営を成り立たせるためには、コア業務以外にノンコア業務にも人材を割く必要があります。
例えば、お客様からの問い合わせに対応するサポート部門や、社内システムを管理するIT部門などのノンコア業務がなければ企業は成り立ちません。
そこでノンコア業務をアウトソーシングすれば、企業の中心的な人材を開発部門や営業部門などのコア業務に注力させることが可能です。
固定費を節約できる
突発的に生じる繁忙期に合わせて人員計画をすると、人件費や設備費などの固定費のコストがかさんでしまいます。
繁忙期にのみ人材をアウトソーシングすれば、必要なときにその業務だけをピンポイントで発注すればいいため、これらの固定費を節約できます。
社員教育のコストや手間が省ける
社内で優秀な人材を育てるためには、長い時間と労力が必要です。
そこで、アウトソーシングを活用すれば、優秀な人材を育てる必要はなく、社員教育のコストや手間を省くことが可能です。
アウトソーシングのデメリット
コストが上がる可能性がある
アウトソーシングをすることで、社内での社員教育や人件費などの固定費を削減できるメリットがありました。
しかし、使い方によっては、逆にコストが上がってしまう可能性もあります。
例えば、そもそも外注費が高い、品質管理のためのマネジメントコストが増えるなどの要因があります。
自社の戦略がうまく伝わらない可能性がある
他社に業務を外注する際は、自社の戦略がうまく伝わらない可能性もあります。
外注先とのコミュニケーションがうまくいかないと、手戻りが発生して、かえってコストがかかってしまうこともあります。
情報を社外に出すことになる
アウトソーシングを行う場合、業務必要な社内の情報を外注先に渡さなければなりません。
その際に、顧客情報や社外秘の情報を社外に出すことになり、セキュリティの問題が生じます。
トラブルにもつながるため、セキュリティ対策は、万全にする必要があります。
内製化のメリット・デメリット
内製化のメリットとデメリットについて見ていきます。
内製化のメリット
ノウハウが社内に築積される
社内の人材で業務を行うことで、業務を達成できるだけのノウハウや技術が社内に蓄積されます。
外注してしまうとノウハウは蓄積されません。
コストを下げるための対策をとりやすい
社内で業務を行う場合、指示を出すのは自社の社員ですから、仕事の効率化や業務改善などの指示を出しやすいです。
そのため、業務の効率化などがしやすく、コストを下げるための対策をとりやすいといえます。
業務スピードを上げやすい
内製化なら社内でコミュニケーションが取りやすいため、タイムロスが生まれにくく、業務スピードをアップさせることが可能です。
情報漏えいのリスクが低い
社内で業務を行うため、顧客情報や開発技術などの社外秘を外部に漏洩するリスクは低いです。
内製化のデメリット
固定の人件費が発生する
内製化にすると、繁忙期にも対応できる分の人材を恒常的に確保しておく必要があるため、固定の人件費が発生します。
専門性が高い場合、自社だけでは対応しきれない可能性がある
社内の人材だけでは専門性の高い技術やスキルが不足し、自社のみでは業務に対応しきれない場合もあります。
「アウトソーシングか内製化か」判断するポイント
アウトソーシングか内製化を、どのようなポイントで判断すべきなのでしょうか?
それぞれを選択するケースについて詳しくご説明します。
アウトソーシングを選択すべきケース
コア業務が圧迫されており、品質を保ちつつ外部のリソースを有効活用したい
外部リソースを有効に活用することで、圧迫されたコア業務品質を保ちつつ状況を改善できるケースに、アウトソーシングは適しています。
人件費削減のみだけでなく、業務の効率化を図りたい
人件費の削減だけが目的の場合、アウトソーシングは必ずしも最適解とは限りません。
しかし、業務の効率化も視野に入れると、アウトソーシングが適しているケースもあります。
事業の先行きが見通せない
事業の見通しが立っていない新規事業を始める場合などに、社内に新しい部門を立ち上げるのはリスクが伴います。
その場合、まずはアウトソーシングで事業を始めてみるという方法もあります。
内製化を選択すべきケース
コア業務が圧迫されておらず、適切な業務量である
社員たちが疲弊することないレベルの適切な業務量でコア業務も圧迫されていない状態なら、内製化で十分です。
事業の先行きを見通せる
急に大量の人材が必要になる可能性があるなど、事業の先行きが見通せない場合、内製化は向きません。
現状の体制で事業の見通しが立っているなら、内製化で十分でしょう。
まとめ
企業にとって、アウトソーシングか内製化かを選ぶのは、非常に重要なことです。
企業内の人員数や人材のスキル、ノウハウ、事業の内容や見通しなどを考慮して、適切な方法を選ぶようにしましょう。