テレアポのコツとトークスクリプトの作成術!プロが実践するアポ獲得率を上げる方法

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テレアポ(テレフォンアポイントメント)は、 新規開拓の効率を高めるために欠かせない営業手法です。

しかし、ただ電話をかけるだけでは、なかなか担当者につながらず、アポ獲得に至らないという課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。特に、デジタル化が進む現代において、電話でのアプローチは単なる「数」をこなす根性論だけでは通用しにくくなっています。

成果を出すテレアポには、 緻密な準備と、 相手の心理を動かす「話術」が必要です。プロのコールスタッフは、単に商材を紹介するだけでなく、電話一本で信頼関係を築き、顧客の顕在・潜在ニーズを引き出すスキルを持っています。

また近年では 顧客の検索行動データ(インテントデータ)などを活用した、 戦略的なアプローチも主流になりつつあります。

本記事では、 テレアポで成果を最大化するための 準備、具体的な話し方のコツ、そして効果的なトークスクリプトの作成術を、プロのアウトバウンド(テレアポ架電)部隊が実践するノウハウを交えて詳しく解説します。この記事を読むことで、あなたのテレアポの精度が格段に上がり、アポ獲得率の向上につながるでしょう。

テレアポの基本とアポ獲得率の目安

テレアポを効果的に行うには、まず基本となる「アポ獲得率」の計算方法と、業界・アプローチ方法ごとの平均的な目安を把握することが重要です。この数字を追うことで、テレアポ活動の効率と効果を客観的に評価できます。

アポ獲得率(アポ率)とは

アポ獲得率とは、アポイントメントを取得できる確率のことで、「アポ率」や「アポ取得率」とも呼ばれます。この指標は、企業が商談を取りつけるための成功率を示しており、高いアポ獲得率は、より多くの潜在顧客に自社製品やサービスを紹介し、その後のフィールドセールスへとつなげられた証となります。

アポ獲得率(%)は、以下の計算式で算出されます。

アポ獲得率(%)アポ獲得数 ÷ アプローチ件数 × 100

例えば、50件架電して2件のアポを獲得した場合、アポ獲得率は4.0%となります。
テレアポの平均的な架電数は、1時間あたり12~15件が目安とされています。

テレアポのアポ獲得率の目安

テレアポのアポ獲得率は、一般的に0.1~10%程度と幅広く、業種や商材、そして何よりも「営業リストの質」によって大きく変動します。アプローチ先ごとのアポ獲得率の目安は以下の通りです。

入手経路

アプローチの種類

アポ獲得率の平均

購入した営業リストに電話する場合

架電(BDR)

0.1~1%

メールで反応があった見込み客に電話する場合

流入対応(SDR)

5~10%

イベントで獲得した名刺の連絡先に電話する場合

流入対応(SDR)

5~10%

Webからの流入へのアプローチの場合

流入対応(SDR)

5~10%

FAXやメールでアプローチする場合

架電(BDR)

2~5%

この表からわかるように、顧客が自発的に興味を示しているインバウンド型(SDR)のリード(Webからの問合せ、資料請求など)へのアプローチは、一般的にアポ獲得率が高い傾向にあります。

一方、購入リストなど、まだ関心度が低い見込み客にアプローチするアウトバウンド型(BDR)は、獲得率が低いものの、広範囲にアプローチできる点がメリットです。

💡 ここがポイント

アポ獲得率を上げるためには、「誰に」「どの方法で」アプローチするかを明確にし、獲得率の高いSDR領域を増やすためのマーケティング施策と連携することが重要です。

テレアポ成功のための準備:ターゲット選定とデータ活用

テレアポの成功は、電話をかける前の準備で8割が決まると言っても過言ではありません。やみくもに電話をかけるのではなく、ターゲットを明確にし、データに基づいたアプローチ戦略を立てることが、アポ獲得率向上のカギとなります。

ターゲット(ペルソナ)を明確にする

テレアポの成果を高めるには、ターゲットとなる顧客の属性やニーズを明確に把握することが不可欠です。企業の規模や業種、抱える課題によって提供できる価値は異なるため、ターゲットに合わせてアプローチ方法を設計しましょう。

SaaS企業でインサイドセールスを導入する場合、企業全体のペルソナ購買担当者のペルソナの二重で設定することが推奨されます。テレアポの場合、購買担当者であるキーマンにつながるための「受付突破」の対策も重要となるため、担当者のペルソナ(職種、年代、課題など)まで落とし込むことが大切です。

【ターゲット設定で確認すべき項目】

  • 企業(部署)のペルソナ:業界・業種、部署の規模、現在の課題、使用中のツールや手法
  • 購買担当者のペルソナ:職種、現在の課題、決裁権の有無、ITリテラシー

効果的なアプローチのためのデータ活用(インテントセールス)

従来のテレアポは、企業リストに対して順番に電話をかけるという非効率な面がありました。しかし、近年では、顧客の行動データや意図(インテント)を分析し、最適なタイミングでアプローチする手法が注目されています。

AIは、顧客のWeb閲覧履歴、SNSでの発言、購買履歴などの膨大なデータを分析し、関心度や購入の可能性が高い見込み客を自動で抽出します。このデータに基づく戦略的な営業をインテントセールスと呼びます。

インテントデータを活用することで、テレアポ担当者は以下のことが可能になります。

  • 最適なターゲットに的確にアプローチできるため、無駄な架電工数を大幅に削減できます。
  • 「今まさに課題を解決しようと情報収集している企業」に絞ってアプローチできるため、アポ獲得率が向上します。
  • 従来の「勘」や「経験」に頼った営業から脱却し、データに基づく戦略的な営業活動へと進化できます。

AIやデータ分析ツール(CRM/SFA/BI)を導入し、「誰に」「いつ」「何を伝えるか」をデータに基づいて決定することが、現代のテレアポには不可欠です。

適切なタイミングを見極める

テレアポは、電話をかけるタイミングも重要です。担当者が不在の時間帯に電話をかけても効率が悪く、アポ取りは難しくなります。

一般的に、朝礼やミーティングがある始業直後や12時から13時の昼休みの時間帯は避けた方が良いでしょう。オフィスワーカーには、会議の少ない午後の時間帯がつながりやすい可能性があります。企業や担当者の特性によってつながりやすい時間は異なるため、事前にターゲットの行動パターンをリサーチし、最適な時間帯を選定することが大切です。

アポ獲得率を上げる話し方のコツ【電話編】

電話でのアプローチは、顔が見えない分、話し方ひとつで相手に与える印象が大きく変わります。プロのテレアポ部隊が実践する、アポ獲得率を高める具体的な話し方のコツを解説します。

短時間で商材のメリットを伝える

テレアポを成功させるには、限られた時間で商材のメリットを的確に伝えることが大事です。電話で顧客にアプローチする際、長々とした説明は逆効果で、顧客にストレスを与えてしまう可能性があります。

商材の最も重要なメリットを1分以内で伝えられるよう要点をまとめましょう。結論を先に伝える話法を用いると、顧客の興味を引きやすくなります。

【結論先行型のトーク例】

  • 「このシステムを導入いただくと、人件費を平均20%削減できる具体的な事例がございまして、その導入効果について3分ほどお時間をいただけないでしょうか?」
  • 「貴社と同じ製造業のお客様で、不良率を5%改善した実績のあるソリューションのご紹介です。3分ほどで概要をお伝えできますが、いかがでしょうか?」

このように、具体的な数値や成果を冒頭に伝えることで、顧客の関心を引くことができるでしょう。

落ち着いた声のトーンとスピードを意識する

対面と異なり、電話では声のトーンや話し方からしか、あなたの印象を伝えることができません。特にテレアポでは、落ち着いた声のトーンと、聞き取りやすいスピードを意識することが重要です。

  • ワントーン明るく、聞き取りやすい声で話すことを意識しましょう。
  • 早口はせっかちな印象を与え、内容が伝わりにくくなります。普段よりも少しゆっくりと、特にメリットや数字を伝える際は丁寧に話すよう心がけてください。
  • 「話を聞いても大丈夫」という安心感を持ってもらうことが、テレアポの第一歩です。

アクティブリスニングを活用してニーズを引き出す

テレアポでアポを獲得する際、一方的に説明するのではなく、アクティブリスニング(傾聴)を活用して顧客のニーズを引き出すことが効果的です。アクティブリスニングとは、単に相手の話に耳を傾けるだけでなく、共感や賛同の意を示しながら適切な質問を投げかけるヒアリング技術です。

具体的には、相手が話している間に「大変興味深いですね」「具体的にはどのような点でお困りですか?」などの相づちや質問を挟むことで、相手の話を引き出しやすくなります。これにより、相手の本音や隠れたニーズを把握し、より的確な提案が可能になります。

【アクティブリスニングのトーク例】

  • 「この業界(業種)であれば、多くの方が〇〇という課題に直面していますが、御社ではいかがですか?」
  • 「〇〇の課題については、ぜひとも解決できると確信している提案内容がございます」

セールス色を強くしすぎず、顧客にとって有益な情報を提供することを意識した、押し付けがましくないアプローチを心がけましょう。

成果につながるトークスクリプトの作成術

テレアポの質を標準化し、誰が電話をかけても一定の成果を出せるようにするには、トークスクリプトの作成が不可欠です。AIを活用すれば、過去の商談データをもとに、成果につながりやすいスクリプトを自動で作成することも可能になっています。

トークスクリプトに盛り込むべき要素

効果的なトークスクリプトには、単なる商品説明だけでなく、アポ獲得に必要な要素を網羅的に盛り込む必要があります。以下の4つのステップで構成しましょう。

  1. 導入・自己紹介(最初の10秒):誰からの電話で、何の目的で電話したかを瞬時に伝えます。企業名と自分の名前、そして電話をかけた理由(何の課題を解決できるか)を簡潔に伝えます。
  2. ヒアリング(課題の特定):相手の課題やニーズ、関心度を尋ね、トークの方向性を決定します。事前に設定したターゲットのペルソナに基づいた「キラークエスチョン」を用意しておくと効果的です。
  3. 価値の提示(メリットの訴求):顧客の課題に対して、自社の商材がどのような具体的なメリットを提供できるかを、数値や実績を交えて短時間で伝えます。主観的な表現は避け、客観的なデータを用いることが重要です。
  4. クロージング(アポの獲得):次のアクション(商談、資料送付など)を促します。日時や方法など、具体的な選択肢を提示することで、相手に「Yes」と言わせやすくします。

スクリプト作成の3つのコツ

トークスクリプトを単なる「読み上げ台本」で終わらせず、成果につながるものにするためには、以下の3つのコツを意識して作成しましょう。

【スクリプト作成のコツ】

  • 想定問答集を充実させる:受付突破のセリフ、断り文句(「間に合っている」「結構です」など)への切り返し、専門的な質問への回答など、あらゆるパターンを想定した問答集を作成しましょう。AIを活用することで、FAQ対応の自動化や、顧客属性に応じたパターン作成も可能です。
  • 客観的なデータで説得力を高める:「当社の商品は素晴らしいです」といった主観的な表現ではなく、「このソフトは業務効率を業界平均20%向上させました」といった具体的な数値を盛り込み、説得力を高めます。
  • 会話の流れを重視した「分岐」を用意する:顧客の返答によってトークを切り替えられるよう、会話の「分岐点」を設計しましょう。これにより、スクリプトに沿いながらも、人間らしい柔軟な対応が可能になります。

テレアポでやってはいけないこと(注意点)

テレアポでアポ獲得率を高めるためには、効果的なアプローチのコツを実践するとともに、顧客からの信頼を失うような行動を避けることも重要です。特に、一方的なセールスは敬遠されがちです。

セールス色を強くしすぎない

露骨な営業感を控えることが、テレアポでは非常に重要です。顧客に押し売りの印象を与えてしまうと、すぐに電話を切られてしまう可能性が高くなります。

テレアポの目的は、「商材を売ること」ではなく、「商談の機会をいただくこと」です。あくまで顧客にとって有益な情報を提供することを意識しましょう。具体的には、「貴社に役立つ情報提供として5分だけ時間をいただきたい」というスタンスで臨み、相手の課題解決に貢献する姿勢を示すことが大切です。

主観的な表現や言い回しを避ける

前述の通り、テレアポでは主観的な表現や言い回しを避け、客観的なメリットを伝えることが重要です。「素晴らしい」「絶対に良い」といった主観は、押し売りのイメージを持たれやすいので注意が必要です。

  • データに基づく客観的な情報を提供することを心がけましょう。
  • 客観的なデータを用いてサービスや商品のメリットを伝えることで、安心感・説得力が向上します。

顧客情報・機密情報の管理を徹底する

テレアポ活動では、顧客リストや商談内容など、機密性の高い情報を扱います。もしデータ漏洩や不正アクセスが発生すれば、企業としての信頼を失うだけでなく、法的な責任を問われる可能性もあります。

テレアポチーム全体でプライバシーや情報管理の重要性を共有し、明確なルールと運用体制を整えることが必要です。特に外部へ業務を委託する場合は、セキュリティ認証(Pマークなど)の取得状況や秘密保持契約の締結などを必ず確認しましょう。

テレアポの成果を最大化する組織的改善策

テレアポの成果を継続的に向上させるには、属人的なスキル向上だけでなく、組織全体として取り組むべき改善策が必要です。ここでは、アポ獲得率を根本から改善するための3つの方法を紹介します。

テレアポのツール(MA/SFA)を活用する

テレアポ活動の効率と効果を最大化するためには、ツールの活用が不可欠です。特に以下のツールは、戦略的なテレアポに役立ちます。

  • MA(マーケティングオートメーション):見込み客の行動データを収集し、適切なタイミングでのアプローチを自動化します。
  • SFA(営業支援システム):営業プロセス全体を可視化し、改善ポイントをデータに基づいて分析できます。

これらのツールを活用することで、テレアポの活動を数値として可視化でき、成功しているアプローチ方法や失敗している要因を明確にすることで、戦略的な営業活動に活かすことが可能です。

テレアポ担当者の教育を強化する

ツールの導入と並行して、テレアポの効果を最大化するためには、スタッフの継続的な教育が欠かせません。経験や勘に頼る属人化を防ぎ、「誰がやっても一定の成果が出せる体制」を構築することが重要です。

  • 効果的な研修プログラムには、理論(商材知識、ターゲット理解)と実践(ロールプレイ、OJT)のバランスが重要です。
  • ナレッジ共有の仕組みを構築し、ベテランの成功事例や営業ノウハウをチーム内で活用できるようにしましょう。
  • AIでトップセールスの行動パターンを分析し、その知見をチーム全体に共有することで、組織全体の営業力底上げを図れます。

テレアポのアポ取りを外部に委託(アウトソース)する

自社でテレアポのノウハウが不足している、あるいはリソースが足りない場合は、テレアポ代行(アウトソーシング)の活用が有効です。外部の専門業者に委託することで、以下のメリットが得られます。

  • 即戦力となるプロのスキルを活用でき、新規開拓を加速できます。
  • 特に難易度の高い新規開拓(BDR)を外部に任せ、自社はホットリードのフォロー(SDR)に集中できます。
  • 固定の人件費を削減し、成功報酬型など柔軟な料金体系を活用することで、コスト管理を効果的に行えます。
  • リスト作成、スクリプト作成、架電、既存顧客アプローチなど、自社の営業人材では対応しきれない業務を部分的にでも依頼できます。

東京には多くのテレアポ代行会社が存在しており、自社に関連する業種の実績があるか、トークスクリプトの改善提案をしてくれるか、料金体系が自社の目的に合っているかなどを比較検討することが重要です。

まとめ:テレアポのコツを掴んで新規開拓を加速させよう

テレアポは単なる「架電作業」ではなく、緻密な準備と高度なコミュニケーションスキルが求められる戦略的な営業活動です。アポ獲得率を高めるには、ターゲットの明確化、データ活用によるアプローチの最適化、そしてプロのノウハウを詰め込んだトークスクリプトが不可欠です。

本記事で紹介したコツとトークスクリプトの作成術を参考に、テレアポの精度を高め、効率良く商談につなげましょう。

「まず何から手をつければいいかわからない」
「即戦力を確保してすぐに成果を上げたい」

という場合は、営業代行サービスの活用をご検討ください。
プロのノウハウとスキルを活用することで、テレアポの成果を早期に最大化することが可能です。

BizFocus 編集部
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