インサイドセールス立ち上げを成功へ導くロードマップ:5ステップと極意

インサイドセールス立ち上げを成功へ導くロードマップ:5ステップと極意

「そろそろインサイドセールスを立ち上げなきゃ…」と考えているご担当者様も多いのではないでしょうか?

最近、営業のオンライン化やデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中で、インサイドセールスの必要性は高まっています。しかし、いざ「立ち上げ」となると、「テレアポとは何が違うの?」「まず何から手をつけたらいい?」と、疑問や不安を抱えることは自然なことです。

特に、立ち上げを急いで進めようとすると、組織設計やKPI設定が曖昧になり、以下のような課題に直面しがちです。

  • インサイドセールスと訪問営業(フィールドセールス)の間で商談トスアップ基準が曖昧になり、連携ミスが起こる。
  • 効果的なトークスクリプトやマニュアルがなく、担当者のスキルに依存して成果が不安定になる。
  • 必要なITツール(SFAやCRMなど)の選定でつまずき、立ち上げがストップしてしまう。

本記事は、まさにそんな貴社のためのインサイドセールス立ち上げを成功へ導くロードマップです。

インサイドセールス導入実績が豊富なプロの視点から、立ち上げのメリット・デメリットから、目標設定、組織設計、ITツールの選定に至るまでの具体的な5つのステップ、そしてすぐに成果を出すための極意を、わかりやすく解説していきます。この記事を最後まで読めば、貴社も最短ルートでインサイドセールス部隊を軌道に乗せるイメージが明確になるはずです。

インサイドセールスを立ち上げたいご担当者様へ

もし「自社でやるのはちょっと大変そう…」「すぐにでもプロのノウハウが欲しい」と感じたなら、立ち上げのプロに相談するのが一番の近道です。

株式会社ネオキャリアのインサイドセールス代行サービスは、約3,500社以上の実績で培ったノウハウを元に、貴社の立ち上げ初期の不安解消と即効性のある成果創出を徹底サポートします。まずはお気軽にお問い合わせください。

目次[非表示]

  1. 1.立ち上げ前に知る:インサイドセールスの型と役割分担
    1. 1.1.SDR:反響型インサイドセールス
    2. 1.2.BDR:新規開拓型インサイドセールス
    3. 1.3.フィールドセールスとの基本的な役割分担
  2. 2.立ち上げのメリット:なぜ今、自社でインサイドセールス部隊を作るべきか
    1. 2.1.①営業活動の劇的な効率化とコスト削減
    2. 2.2.②商談化・受注率向上が期待できる
    3. 2.3.③業務の属人化を防ぎ、組織的な知見を蓄積
    4. 2.4.④顧客の声を収集し、マーケティング・開発部門へフィードバック
  3. 3.失敗を避ける:立ち上げ時に直面する3つの課題と解決策
    1. 3.1.①組織体制の構築と仕組み作りに時間とコストがかかる
    2. 3.2.②インサイドセールス人材の採用・育成が難しい
    3. 3.3.③部門間の連携がうまくいかず、軋轢が生じやすい
  4. 4.【最重要】インサイドセールス立ち上げを成功させる5ステップ
    1. 4.1.①目的と役割・業務範囲の明確化(営業プロセスの再設計)
    2. 4.2.②達成目標となるKPI(主要評価指標)の設定
    3. 4.3.③組織体制の確立と適切な人材の確保・配置
    4. 4.4.④営業シナリオ・トークスクリプトの作成と共有
    5. 4.5.⑤必要なツールを選定し、運用・改善サイクルを回す
  5. 5.成功事例から学ぶ!立ち上げ後の成果を最大化する極意
    1. 5.1.①他部門(マーケティング・フィールドセールス)との密な連携体制の構築
    2. 5.2.②トップダウンで推進し、経営層がKPIにコミットする
    3. 5.3.③少人数での迅速なPDCAサイクルを回す仕組みづくり
  6. 6.【事例】インサイドセールス立ち上げ企業の成功事例3選
    1. 6.1.①デジタルマーケティング会社
    2. 6.2.②ITソリューション・エンジニアリング会社
    3. 6.3.③医療関連サービスの開発・提供会社
  7. 7.まとめ

立ち上げ前に知る:インサイドセールスの型と役割分担

インサイドセールスを立ち上げる際、まず最初に明確にすべきなのは、「どのような役割を担うのか」という組織の型です。単に「内勤で営業をする」と決めるだけでは、現場が混乱し、フィールドセールス部門との連携に必ず失敗します。

立ち上げ担当者は、自社のビジネスモデルやリード獲得状況に応じて、大きく分けて2つの型(SDRとBDR)のどちらを採用するかを決定する必要があります。

SDR:反響型インサイドセールス

SDR(Sales Development Representative)は、マーケティング活動(Webサイト、セミナー、広告など)を通じて獲得したリード(見込み顧客)に対し、インバウンドで対応する型です。

  • 主な役割:
    問い合わせや資料請求といった「顧客からのアクション」があったリードをフォローし、情報収集やヒアリングを通じて顧客の検討確度を高めます。検討確度が高まった段階で、フィールドセールス(訪問営業)に商談をトスアップする。
  • 適している企業:
    すでにWebサイトなどから一定量のリード獲得ができている企業。

BDR:新規開拓型インサイドセールス

BDR(Business Development Representative)は、ターゲットとする特定の企業や未開拓の市場に対して、アウトバウンドでアプローチをかける新規開拓に特化した型です。

  • 主な役割:
    企業リストの作成、メールや電話、手紙などを活用した戦略的なアプローチを通じ、大口顧客や戦略顧客との新たな商談機会を創出する。
  • 適している企業:
    大企業向けの営業(エンタープライズ営業)や、リード数は少ないが顧客単価が高いビジネスモデルの企業。

フィールドセールスとの基本的な役割分担

インサイドセールスを立ち上げる目的は、フィールドセールスがクロージング(成約)という最も重要な業務に集中できるようにするためです。立ち上げ初期は、以下の原則で役割を分担することを推奨します。

担当部門

主な役割

業務内容

インサイドセールス

顧客の「育成」と「商談創出」

リードのヒアリング、課題の明確化、検討確度の向上(ナーチャリング)

フィールドセールス

「商談」と「クロージング」

訪問・オンラインでの詳細な提案、見積もり、契約締 結

インサイドセールスの基礎知識について深く知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

立ち上げのメリット:なぜ今、自社でインサイドセールス部隊を作るべきか

インサイドセールス部門の立ち上げは、単に「営業手法の追加」ではありません。営業組織全体の構造を強化し、収益を最大化するための戦略的な投資です。ここでは、貴社がインサイドセールス部隊を立ち上げることで得られる、具体的な4つのメリットを解説します。

①営業活動の劇的な効率化とコスト削減

従来のフィールドセールスでは、移動時間や待機時間など、成約に直接結びつかない「コアではない時間」が多く発生していました。インサイドセールスは、電話やWeb会議システムをメインに活動するため、この移動による非効率性を大きく削減することができます。

  • アプローチ数の増加:
    1日に訪問できる顧客数が限られていたのに対し、インサイドセールスは物理的な制約がなくなり、アプローチ可能数が飛躍的に増加する。
  • コストの最適化:
    交通費や出張費といった営業コストを大幅に削減し、その分を成果につながりやすいマーケティングやツールへの投資に回すことが可能。

②商談化・受注率向上が期待できる

インサイドセールスの最大の役割は、単にアポイントを取ることではなく、顧客を「育成(ナーチャリング)」し、検討確度が高まった「良質なリード」をフィールドセールスにトスアップすることです。

インサイドセールスは、ヒアリングや情報提供を継続的に行うことで、顧客がどの購買フェーズにいるのかを正確に把握します。その結果、フィールドセールスが訪問する時点で顧客の課題とニーズが明確になっており、「話を聞いてもらえない」といった無駄な商談を激減させ、商談化率や受注率の向上に直結します。

③業務の属人化を防ぎ、組織的な知見を蓄積

訪問営業では、商談の進捗や顧客との関係性が営業担当者個人の経験やスキルに依存し、情報が共有されにくい「属人化」が起こりがちです。

インサイドセールスは、すべての活動(架電履歴、ヒアリング内容、顧客の温度感)をCRM(顧客管理システム)などのITツールに記録することを前提とします。これにより、以下の効果が生まれます

  • ノウハウの標準化:
    成果の出ている担当者のトークスクリプトや成功パターンが組織全体の共通財産となり、新人教育にも活かせる。
  • リスク回避:
    担当者の異動や退職が発生しても、顧客情報が社内に残るため、急な引き継ぎによる機会損失リスクを防ぐことが可能。

④顧客の声を収集し、マーケティング・開発部門へフィードバック

インサイドセールスは、顧客の課題や懸念を、営業担当者よりも高い頻度でヒアリングできる最前線のポジションです。このポジションで得られた顧客のリアルな声やニーズは、以下の改善活動に役立てることができます。

  • マーケティング:
    「どのような広告が響いたか」「どんな資料が求められているか」といった情報を元に、リードの質を高める施策に活かせる。
  • 製品開発:
    「お客様が本当に欲しがっている機能」や「競合他社と比較された点」をフィードバックし、製品・サービスの改善サイクルを加速させる。

失敗を避ける:立ち上げ時に直面する3つの課題と解決策

インサイドセールス部門の立ち上げは多くのメリットをもたらしますが、準備不足や見通しの甘さから、3つの大きな課題に直面し、失敗に終わるケースも少なくありません。プロの知見として、立ち上げ担当者が事前に認識し、対策を講じておくべき課題と、その具体的な解決策を解説します。

①組織体制の構築と仕組み作りに時間とコストがかかる

インサイドセールスは、営業プロセス全体の仕組み化が重要です。この仕組みをゼロから構築するには、想定以上の時間と初期投資がかかります。

課題の具体例

  • 工数:
    営業プロセス全体の再設計、KPI(重要業績評価指標)の定義、フィールドセールス部門との連携ルールの策定など、立ち上げに関わるメンバーの工数が膨大になる。
  • 初期コスト:
    CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)といったITツールの選定、導入、カスタマイズに費用が発生する。
  • 期間:
    ツール選定から組織への定着、成果が見え始めるまでに半年から1年以上かかるケースも珍しくない。

課題の具体例

立ち上げ期間を短縮し、無駄なコストを抑えるためには、ベンチマークとなる成功事例やノウハウを参考に、いきなり完璧を目指さないことが重要です。まずは少人数でPDCA(計画・実行・評価・改善)を迅速に回せる最小限の仕組みからスタートしてみましょう。

②インサイドセールス人材の採用・育成が難しい

インサイドセールスに必要なスキルは、単なる「話し上手」や「テレアポの経験」とは異なります。市場では、この専門的なスキルを持った人材の獲得競争が激化しています。

課題の具体例

  • 必要なスキル:
    • 顧客の隠れた課題を引き出す高度なヒアリング能力
    • 会話の内容を正確にITツールに入力・記録する情報整理能力
    • 非対面でのコミュニケーションで信頼を構築する高い論理的思考力
  • 採用難易度:
    これらのスキルを持つ経験者は市場に少なく、未経験者を採用した場合は、育成に多大な時間とコスト(研修、マニュアル作成)がかかり、すぐに成果が出ないストレスから離職率が高まるリスクがある。

課題の具体例

自社での採用・育成が困難な場合は、外部リソースの活用を検討すべきです。インサイドセールス代行会社は、すでに訓練されたノウハウとスキルを持った人材を提供できるため、立ち上げ当初のリード対応の遅れを防ぎ、迅速に成果を出すための最短ルートとなります。

③部門間の連携がうまくいかず、軋轢が生じやすい

インサイドセールスを分業体制で立ち上げる最大の難関は、組織内の連携です。特にフィールドセールス部門との間で「商談の質」に関する認識のズレが生じやすく、これが組織全体のモチベーション低下につながります。

課題の具体例

  • 商談の質のズレ:
    インサイドセールス側が「確度の高い商談」としてトスアップしても、フィールドセールス側が「まだ検討段階が浅すぎる」と判断し、トスアップを拒否するケース。
  • 情報の共有不足:
    インサイドセールスが苦労して得た顧客情報が、フィールドセールスに正確に伝わっておらず、商談で同じ質問を繰り返してしまう。
  • 責任範囲の曖昧さ:
    リードのフォローや育成の責任がどこまでインサイドセールスにあるのか、あるいはどこからフィールドセールスが引き継ぐべきかという線引きが不明確な状態。

課題の具体例

この課題は、SLA(Service Level Agreement:部門間合意)を締結することで解決を目指します。具体的には、「インサイドセールスがトスアップするための明確な4〜5つの基準」を両部門で合意し、文書化します。これにより、感情論ではなく、数字とルールに基づいた連携が可能となります。

【最重要】インサイドセールス立ち上げを成功させる5ステップ

インサイドセールスの立ち上げは、以下の5つのステップを順番に踏むことで、失敗リスクを最小限に抑え、スムーズに軌道に乗せることが可能になります。

①目的と役割・業務範囲の明確化(営業プロセスの再設計)

まず、「なぜインサイドセールスを立ち上げるのか」という目的を明確にし、既存の営業プロセス全体の中でインサイドセールスが担う役割と業務範囲を定義します。

明確にすること

  • 最終目的:
    「商談数を2倍にする」や「放置リードの80%を復活させる」など、具体的な数値目標とゴールを定める。
  • 線引きの明確化:
    マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスの3部門が、どのフェーズからどのフェーズまでを担当するかを明確に線引きする。
    • 「リードが2回資料ダウンロードをしたら、インサイドセールスがフォローを開始する」
    • 「顧客の課題と予算、導入時期が確認できたら、フィールドセールスへ引き継ぐ」
      など

この線引きが曖昧になると、部門間の軋轢の原因となりかねません。

②達成目標となるKPI(主要評価指標)の設定

業務範囲を定義したら、次はインサイドセールス部門が日々追うべきKPIを設定します。立ち上げ当初と成熟期では追うべき指標が変わるため、フェーズに合わせた設定が必要です。

立ち上げ初期に設定すべきKPI(行動量重視)

立ち上げ直後は、仕組みの検証とノウハウ蓄積が最優先です。

  • 行動量:
    • 架電数
    • メール配信数
    • 接触率(電話がつながった数)
  • 初期転換率:
    • 商談設定数
    • 商談設定率(架電数に対する商談設定数の割合)

組織成熟期に設定すべきKPI(質重視)

仕組みが回り始めたら、最終的な成果との連動性を高めます。

  • 質の指標:
    • SQL(営業に引き渡せる確度の高いリード)件数
    • SQLの受注率
    • SQL化までのリード育成期間

KPI設定の注意点

KPIは必ずフィールドセールス部門の最終的な売上目標と連動させましょう。「商談数を増やすだけ」のKPIでは、質の低い商談ばかりをトスアップしてしまう可能性があります。

③組織体制の確立と適切な人材の確保・配置

インサイドセールスの成功は、人材と組織構造に大きく依存します。

  • 少人数スタートの推奨:
    立ち上げ初期は、3〜5名程度の少人数で開始することがおすすめ。これにより、PDCAサイクルを迅速に回し、初期のトークスクリプトやルールの検証・修正が容易になる。
  • 担当者の選定:
    顧客の潜在的な課題を引き出すヒアリング能力や、会話内容を正確にシステムに記録する情報整理能力を持つ人材を配置する。単にアポ取りが得意なテレアポ経験者ではなく、顧客の育成(ナーチャリング)に長けた人材を選ぶことが重要。
  • 管理者の役割:
    立ち上げ期は、管理者が現場レベルでのフィードバックと他部門との調整役を積極的に担い、チームのモチベーションを維持することが非常に重要。

④営業シナリオ・トークスクリプトの作成と共有

属人化を防ぎ、一定の成果を出し続けるためには、トークスクリプトやメールテンプレートの整備が不可欠です。

  • 顧客フェーズ別のシナリオ:
    顧客の検討フェーズ(興味段階、情報収集段階、比較検討段階)や属性(業種、企業規模)に応じて、アプローチの目的と会話の構成を分けて設計する。
  • トークスクリプトの作成:
    顧客からの想定される反論や頻出質問に対する模範的な回答をあらかじめ盛り込む。この際、優秀な担当者の成功パターンをベースに作成することが、成果を出す近道。
  • マニュアルの整備:
    トークスクリプトだけでなく、CRMへの入力ルール、SQLの定義チェックリスト、エスカレーションフロー(対応困難な場合の引き継ぎ手順)などもマニュアル化し、誰でも迷わず対応できる状態を目指す。

⑤必要なツールを選定し、運用・改善サイクルを回す

インサイドセールスは、ITツールなしには成立しません。KPIを追跡し、部門間の連携を円滑にするために、適切なツールの選定と導入は立ち上げの必須項目です。

  • ツールの選定:
    SFA(進捗管理)、CRM(顧客情報管理)、MA(マーケティング・オートメーション)の3ツールが基本となります。特にCRMは、顧客情報の一元管理、部門間連携の「共通言語」となるため、慎重に選ぶ。
  • 運用と改善(PDCA):
    ツール導入後が本当のスタート。KPIの進捗を定期的にチェックし、作成したトークスクリプトやシナリオ、SQLの基準をデータに基づいて修正し続ける改善サイクルを確立することが、成功の鍵となる。

成功事例から学ぶ!立ち上げ後の成果を最大化する極意

前述したステップでインサイドセールス部門を立ち上げた後、継続的に成果を出し続けるためには、組織全体のコミットメントと連携の仕組みが不可欠です。

ここでは、多くの成功企業が実践している、立ち上げ後の成果を最大化するための3つの極意を解説します。

①他部門(マーケティング・フィールドセールス)との密な連携体制の構築

インサイドセールスが単体でどれほど努力しても、リード供給元であるマーケティング部門と、最終的な成約を担うフィールドセールス部門との連携が不十分であれば、成果は頭打ちになります。

立ち上げ後の連携不足を防ぐには、感情論ではなくルールに基づいた連携が必要です。そのためにSLA(Service Level Agreement:部門間合意)を締結します。

  • マーケティング → インサイドセールス:
    • 「月に100件のMQL(マーケティングが生成したリード)を提供する」
    • 「インサイドセールスに引き渡すMQLの50%は、2営業日以内に架電対応する」
      など、供給と初期対応に関するルール
  • インサイドセールス → フィールドセールス:
    • 「SQL(営業に引き渡す商談)としてトスアップする際の4つの必須条件(課題、予算、導入時期、決裁者情報など)」
    • 「トスアップ後の24時間以内のフィールドセールスによるアクション」
      に関するルール。
  • フィードバックの義務化:
    フィールドセールスは、トスアップされた商談の結果(受注・失注の理由)を、CRMを通じてインサイドセールスに1週間以内にフィードバックする義務を負う。

このSLAこそが、部門間の責任範囲を明確にし、相互理解を深めるための土台となります。

②トップダウンで推進し、経営層がKPIにコミットする

インサイドセールスは、立ち上げ初期に「売上に直結しない」「部門間の板挟みになる」といった理由で、組織内で孤立しやすい傾向があります。

これを防ぎ、組織変革を成功させるためには、経営層や導入を決定した責任者によるトップダウンでのコミットメントが不可欠です。

  • 予算と権限の確保:
    経営層がITツール導入の予算を確実に確保し、SLA締結において部門間の利害調整を主導することで、インサイドセールスに「社内の後ろ盾がある」という安心感を与える。
  • 定例会議への参加:
    決済者がインサイドセールスのKPIレビュー会議(設定した行動量や質の指標)に定期的に参加し、現場の課題を直接把握する。これにより、インサイドセールスの活動が「全社的な最優先事項」であることを明確に示すことができる。
  • 評価と報酬:
    インサイドセールス担当者の評価を、単なるアポ数ではなく、トスアップしたSQL「最終的な受注額や受注率」にも連動させるなど、評価制度においてもコミットメントを示す。

③少人数での迅速なPDCAサイクルを回す仕組みづくり

立ち上げ初期は、「完璧な仕組み」よりも「早く試して改善する姿勢」が成果につながります。これを実現するのが、少人数チームによる迅速なPDCAサイクルです。

  • 会議体の設計:
    • 日次:前日の架電数や接触率の確認、モチベーション維持のためのショートミーティング。
    • 週次:KPIの達成状況レビュー、トークスクリプトの修正案検討、フィールドセールスからのフィードバック共有。
    • 月次:QLの受注率など、長期的な質の指標を評価し、SLA基準の見直しや、MAツールのスコアリングルールの修正を検討。
  • フィードバック文化の醸成:
    失敗事例や「うまくいかなかったトーク」こそが、チームの貴重なノウハウになる。失敗を責めず、「次はどう改善するか」に焦点を当てる建設的なフィードバック文化を醸成することが、チームの成長を加速させる。

【自社での立ち上げが困難な場合…】

ここまでに解説した極意をゼロから自社で確立するには、1年以上かかることも珍しくありません。

  • すぐに成果を出したい
  • 自社にSLAやKPI設計のノウハウがない
  • 部門間の調整が難航している

このような課題を感じる場合は、立ち上げ実績豊富なプロのノウハウを活用することが、成功への最も確実な近道となります。

【事例】インサイドセールス立ち上げ企業の成功事例3選

インサイドセールス部門の立ち上げは、貴社の抱える課題に対し、具体的な成果として現れます。ここでは、実際にインサイドセールスを立ち上げ、大きな成果を上げた3社の成功事例をご紹介します。

①デジタルマーケティング会社

立ち上げ前の課題

この企業では、展示会やWebサイト経由で多くのリード(見込み顧客)を獲得できていましたが、フィールドセールスによるアプローチが非効率で、営業の商談成約率が9.6%と低迷していました。以前にITツールを導入したものの、機能が複雑すぎたため使いこなせず、社内にネガティブな印象が残っていました。

立ち上げた結果

インサイドセールス部門を立ち上げ、まずSFAツールを再導入し、顧客がどの状態になれば「ホットな顧客(SQL)」と判断するかのスコアリング基準を明確に数値化しました。

  • 商談成約率の劇的改善:
    ホットな顧客(SQL)に絞ってインサイドセールスがアプローチを行った結果、営業の商談成約率が9.6%から44.7%に改善した。
  • 社内評価の転換:
    具体的な成果と使いやすいツールの導入により、「ツールは使えない」という過去のネガティブな印象が払拭され、インサイドセールスの活動が社内でポジティブに評価されるようになった。

②ITソリューション・エンジニアリング会社

立ち上げ前の課題

展示会を主なリード獲得手段としていましたが、コロナ禍により集客がゼロになり、新規リード顧客が完全に不足する危機的状況に陥りました。また、過去に蓄積したリード顧客リストが未開拓のまま放置されており、テレアポ業務が個人のスキルに強く依存しているという、属人化の問題も抱えていました。

立ち上げた結果

インサイドセールス部門を急遽立ち上げ、BDR(新規開拓型)とSDR(反響型)のハイブリッド戦略を採用。放置されていたリード顧客リストに対し、インサイドセールスが戦略的にアプローチを開始しました。

  • 新規リード顧客の確保:
    特にテリトリーであった関西エリアのリード顧客獲得数が2倍に増加し、コロナ禍における新規顧客不足を解消。
  • ノウハウの組織化:
    成功したトークスクリプトや、最もアポイントが取りやすい曜日・時間帯といったデータをITツールに蓄積。個人のスキルに頼らない再現性の高い営業ノウハウが会社として確立され、属人化からの脱却に成功した。

③医療関連サービスの開発・提供会社

立ち上げ前の課題

3名のフィールドセールス担当者が全国を訪問して商談を行っていましたが、移動に要する時間ロスが大きく、商談にかけられる「コア時間」が圧迫されていました。「医療業界の営業は訪問が必須」という固定概念が強く、オンライン営業への切り替えに社内からの反発もありました。

立ち上げた結果

経営層主導でインサイドセールス部門を立ち上げ、オンラインでのアプローチに完全に切り替えました。これにより、フィールドセールスは移動時間を排除し、トスアップされた良質な商談に集中できる体制が整いました。

  • 商談効率の劇的な向上:
    移動時間ロスがなくなった結果、商談数が4倍に増加しました。商談にかかる工数も4分の1に削減され、生産性が飛躍的に向上した。
  • 営業ノウハウの転換:
    立ち上げ初期の成果が、顧客からのポジティブな検討意向によって証明されたことで、「訪問必須」という社内の固定概念が覆った。オンラインでも高い成果を上げられる営業ノウハウが蓄積され、営業組織の抜本的な構造改革を実現。

まとめ

インサイドセールスは、単なる新しい営業手法ではなく、データと仕組みに基づいて組織全体の営業力を強化し、属人化を防ぐための必須の戦略です。SDR・BDRの型を明確にし、KPIを設定し、他部門とのSLAを締結することが、立ち上げを成功へ導く鍵となります。

しかし、立ち上げは「実行のスピード」が極めて重要であり、「ノウハウがない」「人材が不足している」「部門間の調整がうまくいかない」といった課題に直面し、立ち上がりが遅れる企業が多いのも事実です。これらの課題を自社だけで解決しようとすると、時間とコストが膨大になり、競争優位性を失う可能性があります。

もし、「最短でインサイドセールスを立ち上げ、確実に成果を出したい」とお考えであれば、実績豊富なプロのノウハウを活用することも有効な手段のひとつです。

株式会社ネオキャリアのインサイドセールス代行サービスは、約3,500社以上の実績とノウハウで、貴社の立ち上げ初期の課題解決と成果の最大化をトータルで支援いたします。インサイドセールスの立ち上げを成功させ、営業組織を次のステージに進めるためにも、まずはお気軽にご相談ください。

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