
インサイドセールス立ち上げを成功へ導くロードマップ:5ステップと極意
「そろそろインサイドセールスを立ち上げなきゃ…」と考えているご担当者様も多いのではないでしょうか?
最近、営業のオンライン化やデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中で、インサイドセールスの必要性は高まっています。しかし、いざ「立ち上げ」となると、「テレアポとは何が違うの?」「まず何から手をつけたらいい?」と、疑問や不安を抱えることは自然なことです。
特に、立ち上げを急いで進めようとすると、組織設計やKPI設定が曖昧になり、以下のような課題に直面しがちです。
- インサイドセールスと訪問営業(フィールドセールス)の間で商談トスアップ基準が曖昧になり、連携ミスが起こる。
- 効果的なトークスクリプトやマニュアルがなく、担当者のスキルに依存して成果が不安定になる。
- 必要なITツール(SFAやCRMなど)の選定でつまずき、立ち上げがストップしてしまう。
本記事は、まさにそんな貴社のためのインサイドセールス立ち上げを成功へ導くロードマップです。
インサイドセールス導入実績が豊富なプロの視点から、立ち上げのメリット・デメリットから、目標設定、組織設計、ITツールの選定に至るまでの具体的な5つのステップ、そしてすぐに成果を出すための極意を、わかりやすく解説していきます。この記事を最後まで読めば、貴社も最短ルートでインサイドセールス部隊を軌道に乗せるイメージが明確になるはずです。
インサイドセールスを立ち上げたいご担当者様へ
もし「自社でやるのはちょっと大変そう…」「すぐにでもプロのノウハウが欲しい」と感じたなら、立ち上げのプロに相談するのが一番の近道です。
株式会社ネオキャリアのインサイドセールス代行サービスは、約3,500社以上の実績で培ったノウハウを元に、貴社の立ち上げ初期の不安解消と即効性のある成果創出を徹底サポートします。まずはお気軽にお問い合わせください。
目次[非表示]
- 1.立ち上げ前に知る:インサイドセールスの型と役割分担
- 2.立ち上げのメリット:なぜ今、自社でインサイドセールス部隊を作るべきか
- 2.1.①営業活動の劇的な効率化とコスト削減
- 2.2.②商談化・受注率向上が期待できる
- 2.3.③業務の属人化を防ぎ、組織的な知見を蓄積
- 2.4.④顧客の声を収集し、マーケティング・開発部門へフィードバック
- 3.失敗を避ける:立ち上げ時に直面する3つの課題と解決策
- 4.【最重要】インサイドセールス立ち上げを成功させる5ステップ
- 4.1.①目的と役割・業務範囲の明確化(営業プロセスの再設計)
- 4.2.②達成目標となるKPI(主要評価指標)の設定
- 4.3.③組織体制の確立と適切な人材の確保・配置
- 4.4.④営業シナリオ・トークスクリプトの作成と共有
- 4.5.⑤必要なツールを選定し、運用・改善サイクルを回す
- 5.成功事例から学ぶ!立ち上げ後の成果を最大化する極意
- 6.【事例】インサイドセールス立ち上げ企業の成功事例3選
- 7.まとめ
立ち上げ前に知る:インサイドセールスの型と役割分担
インサイドセールスを立ち上げる際、まず最初に明確にすべきなのは、「どのような役割を担うのか」という組織の型です。単に「内勤で営業をする」と決めるだけでは、現場が混乱し、フィールドセールス部門との連携に必ず失敗します。
立ち上げ担当者は、自社のビジネスモデルやリード獲得状況に応じて、大きく分けて2つの型(SDRとBDR)のどちらを採用するかを決定する必要があります。
SDR:反響型インサイドセールス
SDR(Sales Development Representative)は、マーケティング活動(Webサイト、セミナー、広告など)を通じて獲得したリード(見込み顧客)に対し、インバウンドで対応する型です。
|
BDR:新規開拓型インサイドセールス
BDR(Business Development Representative)は、ターゲットとする特定の企業や未開拓の市場に対して、アウトバウンドでアプローチをかける新規開拓に特化した型です。
|
フィールドセールスとの基本的な役割分担
インサイドセールスを立ち上げる目的は、フィールドセールスがクロージング(成約)という最も重要な業務に集中できるようにするためです。立ち上げ初期は、以下の原則で役割を分担することを推奨します。
担当部門 | 主な役割 | 業務内容 |
|---|---|---|
インサイドセールス | 顧客の「育成」と「商談創出」 | リードのヒアリング、課題の明確化、検討確度の向上(ナーチャリング) |
フィールドセールス | 「商談」と「クロージング」 | 訪問・オンラインでの詳細な提案、見積もり、契約締 結 |
インサイドセールスの基礎知識について深く知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
立ち上げのメリット:なぜ今、自社でインサイドセールス部隊を作るべきか
インサイドセールス部門の立ち上げは、単に「営業手法の追加」ではありません。営業組織全体の構造を強化し、収益を最大化するための戦略的な投資です。ここでは、貴社がインサイドセールス部隊を立ち上げることで得られる、具体的な4つのメリットを解説します。
①営業活動の劇的な効率化とコスト削減
従来のフィールドセールスでは、移動時間や待機時間など、成約に直接結びつかない「コアではない時間」が多く発生していました。インサイドセールスは、電話やWeb会議システムをメインに活動するため、この移動による非効率性を大きく削減することができます。
|
②商談化・受注率向上が期待できる
インサイドセールスの最大の役割は、単にアポイントを取ることではなく、顧客を「育成(ナーチャリング)」し、検討確度が高まった「良質なリード」をフィールドセールスにトスアップすることです。
インサイドセールスは、ヒアリングや情報提供を継続的に行うことで、顧客がどの購買フェーズにいるのかを正確に把握します。その結果、フィールドセールスが訪問する時点で顧客の課題とニーズが明確になっており、「話を聞いてもらえない」といった無駄な商談を激減させ、商談化率や受注率の向上に直結します。
③業務の属人化を防ぎ、組織的な知見を蓄積
訪問営業では、商談の進捗や顧客との関係性が営業担当者個人の経験やスキルに依存し、情報が共有されにくい「属人化」が起こりがちです。
インサイドセールスは、すべての活動(架電履歴、ヒアリング内容、顧客の温度感)をCRM(顧客管理システム)などのITツールに記録することを前提とします。これにより、以下の効果が生まれます。
|
④顧客の声を収集し、マーケティング・開発部門へフィードバック
インサイドセールスは、顧客の課題や懸念を、営業担当者よりも高い頻度でヒアリングできる最前線のポジションです。このポジションで得られた顧客のリアルな声やニーズは、以下の改善活動に役立てることができます。
|
失敗を避ける:立ち上げ時に直面する3つの課題と解決策
インサイドセールス部門の立ち上げは多くのメリットをもたらしますが、準備不足や見通しの甘さから、3つの大きな課題に直面し、失敗に終わるケースも少なくありません。プロの知見として、立ち上げ担当者が事前に認識し、対策を講じておくべき課題と、その具体的な解決策を解説します。
①組織体制の構築と仕組み作りに時間とコストがかかる
インサイドセールスは、営業プロセス全体の仕組み化が重要です。この仕組みをゼロから構築するには、想定以上の時間と初期投資がかかります。
課題の具体例
|
課題の具体例
立ち上げ期間を短縮し、無駄なコストを抑えるためには、ベンチマークとなる成功事例やノウハウを参考に、いきなり完璧を目指さないことが重要です。まずは少人数でPDCA(計画・実行・評価・改善)を迅速に回せる最小限の仕組みからスタートしてみましょう。
②インサイドセールス人材の採用・育成が難しい
インサイドセールスに必要なスキルは、単なる「話し上手」や「テレアポの経験」とは異なります。市場では、この専門的なスキルを持った人材の獲得競争が激化しています。
課題の具体例
|
課題の具体例
自社での採用・育成が困難な場合は、外部リソースの活用を検討すべきです。インサイドセールス代行会社は、すでに訓練されたノウハウとスキルを持った人材を提供できるため、立ち上げ当初のリード対応の遅れを防ぎ、迅速に成果を出すための最短ルートとなります。
③部門間の連携がうまくいかず、軋轢が生じやすい
インサイドセールスを分業体制で立ち上げる最大の難関は、組織内の連携です。特にフィールドセールス部門との間で「商談の質」に関する認識のズレが生じやすく、これが組織全体のモチベーション低下につながります。
課題の具体例
|
課題の具体例
この課題は、SLA(Service Level Agreement:部門間合意)を締結することで解決を目指します。具体的には、「インサイドセールスがトスアップするための明確な4〜5つの基準」を両部門で合意し、文書化します。これにより、感情論ではなく、数字とルールに基づいた連携が可能となります。
【最重要】インサイドセールス立ち上げを成功させる5ステップ
インサイドセールスの立ち上げは、以下の5つのステップを順番に踏むことで、失敗リスクを最小限に抑え、スムーズに軌道に乗せることが可能になります。
①目的と役割・業務範囲の明確化(営業プロセスの再設計)
まず、「なぜインサイドセールスを立ち上げるのか」という目的を明確にし、既存の営業プロセス全体の中でインサイドセールスが担う役割と業務範囲を定義します。
明確にすること
|
この線引きが曖昧になると、部門間の軋轢の原因となりかねません。
②達成目標となるKPI(主要評価指標)の設定
業務範囲を定義したら、次はインサイドセールス部門が日々追うべきKPIを設定します。立ち上げ当初と成熟期では追うべき指標が変わるため、フェーズに合わせた設定が必要です。
立ち上げ初期に設定すべきKPI(行動量重視)
立ち上げ直後は、仕組みの検証とノウハウ蓄積が最優先です。
|
組織成熟期に設定すべきKPI(質重視)
仕組みが回り始めたら、最終的な成果との連動性を高めます。
|
KPI設定の注意点
KPIは必ずフィールドセールス部門の最終的な売上目標と連動させましょう。「商談数を増やすだけ」のKPIでは、質の低い商談ばかりをトスアップしてしまう可能性があります。
③組織体制の確立と適切な人材の確保・配置
インサイドセールスの成功は、人材と組織構造に大きく依存します。
|
④営業シナリオ・トークスクリプトの作成と共有
属人化を防ぎ、一定の成果を出し続けるためには、トークスクリプトやメールテンプレートの整備が不可欠です。
|
⑤必要なツールを選定し、運用・改善サイクルを回す
インサイドセールスは、ITツールなしには成立しません。KPIを追跡し、部門間の連携を円滑にするために、適切なツールの選定と導入は立ち上げの必須項目です。
|
成功事例から学ぶ!立ち上げ後の成果を最大化する極意
前述したステップでインサイドセールス部門を立ち上げた後、継続的に成果を出し続けるためには、組織全体のコミットメントと連携の仕組みが不可欠です。
ここでは、多くの成功企業が実践している、立ち上げ後の成果を最大化するための3つの極意を解説します。
①他部門(マーケティング・フィールドセールス)との密な連携体制の構築
インサイドセールスが単体でどれほど努力しても、リード供給元であるマーケティング部門と、最終的な成約を担うフィールドセールス部門との連携が不十分であれば、成果は頭打ちになります。
立ち上げ後の連携不足を防ぐには、感情論ではなくルールに基づいた連携が必要です。そのためにSLA(Service Level Agreement:部門間合意)を締結します。
|
このSLAこそが、部門間の責任範囲を明確にし、相互理解を深めるための土台となります。
②トップダウンで推進し、経営層がKPIにコミットする
インサイドセールスは、立ち上げ初期に「売上に直結しない」「部門間の板挟みになる」といった理由で、組織内で孤立しやすい傾向があります。
これを防ぎ、組織変革を成功させるためには、経営層や導入を決定した責任者によるトップダウンでのコミットメントが不可欠です。
|
③少人数での迅速なPDCAサイクルを回す仕組みづくり
立ち上げ初期は、「完璧な仕組み」よりも「早く試して改善する姿勢」が成果につながります。これを実現するのが、少人数チームによる迅速なPDCAサイクルです。
|
【自社での立ち上げが困難な場合…】
ここまでに解説した極意をゼロから自社で確立するには、1年以上かかることも珍しくありません。
- すぐに成果を出したい
- 自社にSLAやKPI設計のノウハウがない
- 部門間の調整が難航している
このような課題を感じる場合は、立ち上げ実績豊富なプロのノウハウを活用することが、成功への最も確実な近道となります。
【事例】インサイドセールス立ち上げ企業の成功事例3選
インサイドセールス部門の立ち上げは、貴社の抱える課題に対し、具体的な成果として現れます。ここでは、実際にインサイドセールスを立ち上げ、大きな成果を上げた3社の成功事例をご紹介します。
①デジタルマーケティング会社
立ち上げ前の課題
この企業では、展示会やWebサイト経由で多くのリード(見込み顧客)を獲得できていましたが、フィールドセールスによるアプローチが非効率で、営業の商談成約率が9.6%と低迷していました。以前にITツールを導入したものの、機能が複雑すぎたため使いこなせず、社内にネガティブな印象が残っていました。
立ち上げた結果
インサイドセールス部門を立ち上げ、まずSFAツールを再導入し、顧客がどの状態になれば「ホットな顧客(SQL)」と判断するかのスコアリング基準を明確に数値化しました。
|
②ITソリューション・エンジニアリング会社
立ち上げ前の課題
展示会を主なリード獲得手段としていましたが、コロナ禍により集客がゼロになり、新規リード顧客が完全に不足する危機的状況に陥りました。また、過去に蓄積したリード顧客リストが未開拓のまま放置されており、テレアポ業務が個人のスキルに強く依存しているという、属人化の問題も抱えていました。
立ち上げた結果
インサイドセールス部門を急遽立ち上げ、BDR(新規開拓型)とSDR(反響型)のハイブリッド戦略を採用。放置されていたリード顧客リストに対し、インサイドセールスが戦略的にアプローチを開始しました。
|
③医療関連サービスの開発・提供会社
立ち上げ前の課題
3名のフィールドセールス担当者が全国を訪問して商談を行っていましたが、移動に要する時間ロスが大きく、商談にかけられる「コア時間」が圧迫されていました。「医療業界の営業は訪問が必須」という固定概念が強く、オンライン営業への切り替えに社内からの反発もありました。
立ち上げた結果
経営層主導でインサイドセールス部門を立ち上げ、オンラインでのアプローチに完全に切り替えました。これにより、フィールドセールスは移動時間を排除し、トスアップされた良質な商談に集中できる体制が整いました。
|
まとめ
インサイドセールスは、単なる新しい営業手法ではなく、データと仕組みに基づいて組織全体の営業力を強化し、属人化を防ぐための必須の戦略です。SDR・BDRの型を明確にし、KPIを設定し、他部門とのSLAを締結することが、立ち上げを成功へ導く鍵となります。
しかし、立ち上げは「実行のスピード」が極めて重要であり、「ノウハウがない」「人材が不足している」「部門間の調整がうまくいかない」といった課題に直面し、立ち上がりが遅れる企業が多いのも事実です。これらの課題を自社だけで解決しようとすると、時間とコストが膨大になり、競争優位性を失う可能性があります。
もし、「最短でインサイドセールスを立ち上げ、確実に成果を出したい」とお考えであれば、実績豊富なプロのノウハウを活用することも有効な手段のひとつです。
株式会社ネオキャリアのインサイドセールス代行サービスは、約3,500社以上の実績とノウハウで、貴社の立ち上げ初期の課題解決と成果の最大化をトータルで支援いたします。インサイドセールスの立ち上げを成功させ、営業組織を次のステージに進めるためにも、まずはお気軽にご相談ください。







