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プロ直伝!品質向上のためのコールセンター研修の資料・カリキュラムの作成方法

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品質向上のためのコールセンター研修の資料・カリキュラムの作成方法

コールセンター研修は品質向上のためにもっとも重要な研修のひとつです。
お客様と直接応対をするコールセンターは、会社にとって貴重な部門です。

そのためオペレーターは常に品質向上を意識する必要があります。
この記事では研修のプロが、品質を向上させるためのコールセンター研修(資料作りとカリキュラム)についてわかりやすく解説します。

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コールセンターオペレーター向け研修の重要性

コールセンターでは、お客様とオペレーターはお互い顔を見ることができません。

だからこそ丁寧で寄り添った応対が必要になってきます。これは非常に大切なことです。

なぜならば企業にとってお客様と直接かかわることのできるオペレーターは、会社の顔であり、存在そのものだからです。
お客様はオペレーターを通じてその企業を知り、商品を知り、そして「顧客」になっていくのです。

オペレーターは、ただ用件を受け付けるだけではありません。お客様一人ひとりに対して誠実に応対する責任があります。
この誠実な応対が、顧客満足を高め、企業の成長に大きく影響していきます。

またオペレーターの品質が高まるということは、オペレーター個人の高評価にもつながります。
高評価を得たオペレーターはモチベーションが上がり、定着率も高まっていきます。

このように、品質の高い応対をすることによって、人材不足の課題も解消されて、より高いサービスレベルを達成することができるようになります。

そのためにコールセンター研修は会社にとって非常に重要なのです。

コールセンター研修の基本カリキュラム例~新人研修の場合~

コールセンターでは慢性的なオペレーター不足という課題を抱えているケースが多く、会社は採用が決まると業務内容を説明し、すぐに現場へ出してしまいます。

しかしその方法で良いのでしょうか。新人オペレーターは不安でしょうし、何よりお客様のご迷惑となってはいけません。

ここでは、コールセンターの新人研修を例に挙げて、理想的なカリキュラムの説明をしていきます。

新人研修は段階を踏んで完了させる

コールセンター研修の重要性は前述したとおりですが、知識を詰め込むだけではいけません。

時間とコストをかけて育成をしても、辞められてしまったら無駄になる、という考えがあるのかもしれません。
しかし時間とコストのかけ方、つまり「理想的な研修」を実現することができれば、決して無駄になることはありません。

新人研修は入社日より10日間(約80時間※一日8時間×10日間)、雇用形態の区別なく行います。
カリキュラムは「基礎研修」「スキルアップ研修」「振り返り研修」の3段階で完了させます。

段階を踏んで育成することによって、新人オペレーターと会社の間に信頼関係も生まれ、オペレーターの知識定着はもちろんのこと、職場への定着率も高まっていくからです。

基礎研修

新人研修の基礎研修は3つの柱で考えていきましょう。

1.座学
2.ロールプレイング
3.OJT

1.座学

座学では、以下の3つを学びます。

①会社の理念・方針・目標

自分の入社した会社がどんな理念をもっているのか。社会にどう貢献をしているのか、目的や意義はなんなのか、それを学びます。

コールセンターはお客様と会社をつなぐ架け橋であり、オペレーターは会社そのものです。
会社の考えをしっかり学び、会社の考えに共感することによって、自信をもった応対ができるようになります。

②業務内容と商材について

コールセンターの多くは、その会社で扱っている商品の問い合わせです。

その問い合わせに迅速に応対するための技術を学びます。PC操作などのIT関連から、製品についてなど、デモ画面などを使用しながら学びます。

③電話応対について

①や②がしっかりと頭に入っていても、応対そのものに問題があってはお客様に満足していただけません。

言葉遣いや相槌、クッション言葉などの正しい使い方。そして顧客満足があたりまえになっている今、お客様には予想以上の感動を与えなくてはいけません。
そういった接遇マナーやホスピタリティを学びます。

2.ロールプレイング

ロールプレイングとは「役割演技」です。

コールセンター研修の場合、「役割」とは【お客様】と【オペレーター】であり、「演技」とは【電話応対】を指します。
座学で学んだ「会社の理念・方針・目標」を念頭に入れ、「正しい知識と応対マナー」が できているかを見極めるために行います。

このとき注意すべきは、オペレーター育成だからオペレーター役だけをやらせる、ということがないようにすることです。

コールセンターはお客様のために存在するということは誰もが知っていることです。

「お客様の立場に立つ」ということは、非常に大切なことです。お客様の立場を学び、どんな応対をされるとどんな気持ちになるか、を感じ取るためにも、オペレーター役と同じくらいお客様役も体験させるようにしましょう。

トークスクリプトを用意することも大事ですが、本番と同じようなシチュエーションを用意(手元資料などの準備)をし、特別感がないよう演習することが重要です。

3.OJT(On the Job Training=実践研修)

ロールプレイングで応対スキルの研修を終えたら、OJT=実践研修を行います。 

座学でインプットした「会社の理念」「商品知識」「マインド」をアウトプットするのがこのOJTの目的です。
ただアウトプットするだけではなく、正しく適切に行うことが非常に重要です。

OJTはその名のとおり「実践」ですので、実際のお客様応対を行います。

お客様はオペレーターが研修中だということを知りません。「新人だから仕方ない」などと思ってもらえるわけではありませんので、気を引き締めて受電をさせましょう。

OJTを始める前は、受電できるスキルに達成しているか、効果測定(筆記試験)を実施し、合格者のみOJTをスタートさせます。

基準に達しない者は補習を受けてから参加をします。なぜならば前述したとおり、OJTは実践です。研修とはいえ、お客様にご迷惑をおかけすることはあってはならないからです。

なお、この効果測定は「座学」「ロールプレイング」の各研修をしっかり学んでいれば高得点が獲得できる内容の試験にしましょう。
今までの研修の集大成がOJTです。自信をもって次に進んでもらうための試験ですので、ひっかけ問題や複雑な問題は不要です。

ふるいにかける試験ではありませんので、意地悪な問題作成にならないように気をつけましょう。
ただし問題は基本的な内容をすべて網羅し、問題数もできるだけ多く、50問以上は作成しましょう。

OJTのやり方について

最初はトレーナーやベテランオペレーターの横について受電の様子を学びます。

その際、Yケーブルを使用し、お客様との応対内容を直に聞けるようにすることをおすすめします。オペレーターの受け答えだけでは、お客様の状況を知ることができません。

お客様の声を直に聞くことは、応対技術を学ぶうえで非常に有効です。

また新人オペレーターが実際の応対中にトラブルとなってしまった場合、(わからない質問、クレームなど)、速やかにトレーナーやベテランオペレーターにボイスチェンジをすることができます。

OJTの際はYケーブルなどを使用し、応対内容を共有しましょう。

数本、受電をモニタリングしたのち、新人オペレーターが受電をするようにします。PC操作と通話を一度に行うことがコールセンターでは必要とされますが、最初のうちは慣れず慌ててしまうことがあるかと思いますので、トレーナーはしっかりとサポートをしましょう。

このとき大切なことは、「トレーナーは新人オペレーターの気持ちになること」です。
トレーナーにとってはなんでもないことでも新人にとっては、一つひとつが初体験であり 緊張の連続です。

そんな新人の気持ちに寄り添いながら、ひとつずつ丁寧なフィードバックを心がけましょう。また良くできたときは必ず具体的に褒めましょう。
トレーナーと信頼関係を築きながら経験を積んでいき、管理者の見極め試験に合格をすればデビューとなります。

OJT中の注意事項

トレーナーは「最後まで頑張って応対をさせる」ことを目的にしてしまうことは絶対に避けてください。

「電話に出たら最後まで責任をもって応対する」ということだけがデビューの基準ではありません。
適切な保留をしてアドバイスを受ける、場合によっては折り返しの応対にする、エスカレーションする、など臨機応変な対応もOJTで学ぶ大切なポイントです。

いついかなるときであっても「お客様のため」を念頭に入れた応対を心がけるよう指導することが重要です。

スキルアップ研修

基礎研修を終え着台をして1~2が月経過したら、スキルアップ研修を行います。

初めから全ての応対をさせるのではなく、基本的な内容(注文や商品の問い合わせ)の応対技術を経験してから、次のステップ(クレームや複雑な案件)へ進むほうが効率的です。オペレーター自身も弱点などがわかり、次のステップに備えやすくなります。

振り返り研修

基礎研修・スキルアップ研修が終了したら、同期たちとの振り返り研修を行います。
これには前もって課題を与え、発表をしてもらいます。その後、同期同士でこれまでの経験について語り合います。

ここでは上長や先輩は介入せず、トレーナーもオブザーバーです。ファシリテーションも参加者にさせるようにしましょう。
基礎研修時は常に一緒にいて、励まし合ってきましたが、デビュー後は自分の業務に精一杯でしょう。

ランチもシフト制になればなかなか一緒になることもないため、だからこそお互いの仕事上の体験をシェアしてもらうのです。
嬉しかったこと、逆にイヤだったこと、感動したこと、そんなことを誰に遠慮せずに話してもらう場が「振り返り研修」です。

この研修は一件「ただのおしゃべり」に見えるかもしれませんが、とても重要で、この仕事をどう思っているかが見られる貴重な研修です。ぜひ実施してください。

※事前課題の例「今まで最高のお客様体験」

コールセンター研修の資料作りのポイント

研修をするにあたって、資料を用意することも必要です。あらかじめ課題図書を読んできてもらうといった手法もありますが、ここではトレーナーが資料を作成する場合のポイントと見せ方を説明していきます。

①作成ポイント

研修内容に沿った資料を作成するのですが、この資料は、研修後も読み返しができるように作成をしましょう。
研修を補完するような内容ではなく、研修全体を網羅する内容にするということです。

なぜならば、研修というのはあくまで「手段」であり、本来の目的は「お客様に満足をしてもらうため」に実施するものです。
研修を受けたことで満足をしてしまい、その後の成長がないということはあってはなりません。

したがって研修後にも読み返し、研修で学んだことを反復できるような資料が必要なのです。

そのため、読み直したときにわかりやすく詳細に書かれていることが必要です。
イラストやカラーを使って「読み返したくなる資料」を作成するようにしましょう。

手元資料の作成例

コールセンター研修手元資料の作成例

②効果的な見せ方

研修のときは、オンライン研修の場合でもオフラインの集合研修であっても、ホワイトボードを使ったり、パワーポイントなどで画面を共有して進めていくスタイルが一般的です。
①でお話しした資料はここでは使用するでしょうか。

答えはYesであってNoです。
研修の最中に①の資料を使用するのはトレーナーだけです。

トレーナーは①の資料を使用して研修を行いますが、参加者にはこの段階では配りません。
資料を先に配ってしまうと、たいがいの参加者は、資料を読み進めてしまい、トレーナーの話を聴かなくなってしまうからです。

研修中はトレーナーの話に神経を集中させて聴かなければなりません。研修中の資料はともすると邪魔なものになってしまうのです。
研修資料はあとで配る旨を参加者に説明をし、必要だと思うことや大切に感じたことはメモをとるよう伝えましょう。

では研修資料はいつ配るのか。研修が終了したら配ってください。
オンライン研修の場合は、研修終了時に配信をしてください。翌日などにならないよう速やかに配布(または配信)することで、研修中にとったメモを資料に書き写したり復習をするようになります。

また手元に資料がない状態で研修を行いますので、パワーポイントなどで作成をするスライドは目を引くように作成をしましょう。
講義をしますから手元資料のように全体を網羅する必要はありません。パッと目に入りやすいような画像を使うこともおすすめです。

講義で使うパワーポイント資料作成例

コールセンター研修講義で使うパワーポイント資料作成例

コールセンターオペレーター研修時の注意点

準備が整い、いよいよ研修のスタートです。研修時は以下の三点を注意するようにします。

①会場を整える

オンライン研修であればリマインドの通知を送ります。
オフラインの集合研修の場合、会場の設備(PC、プロジェクター、マイクなど)を確認します。

②出欠の確認

開始前に必ず確認をします。研修が始まってから確認をすることがないようにしましょう。
またオペレーターは受電が長引き、予定どおりに終了しない場合があります。

早めにログアウトをして、研修に備えられるよう上長はサポートをしてください。

③定刻に始め、定刻に終わらせる

貴重な時間を使って研修を行いますので、必ず時間どおりに行ってください。
参加者側の都合や実施側の都合で時間を変えてしまってはいけません。

質疑応答も含め、決められた時間内で実施することは信頼関係にも影響が出てきます。時間厳守で実施しましょう。

コールセンター研修終了後の注意点

研修は「やっておしまい」ではありません。むしろ研修後が大切です。無事研修が終わったら、最後の仕上げをしましょう。

①手元資料の配布

前述したとおり、研修が終了したら研修資料の配布(または配信)を速やかにします。

②アンケートの実施

研修内容の理解度、研修に対する要望などを知ることができます。1~5などの評価と具体的に記入するできるものが理想的です。

③着台フォロー(新人研修やクレーム研修の参加者)

Yケーブルや遠隔などで引き続きモニタリングをし、フィードバックをします。
自信をつけさせることでさらに良いオペレーターへと成長していきます。

④参加者への労い

必要なの?と思うかもしれませんが、ぜひ研修の参加者へ労いの言葉をかけてください。

オペレーターは決められたスケジュールで高いパフォーマンスを出すために日々努力をしています。
「毎日忙しい中、研修に参加いただきありがとうございます」この言葉だけでも研修に参加して良かった、また頑張ろうと思ってもらえるのです。

まとめ

ここまでコールセンターでの研修について、カリキュラムと資料について解説をしてきました。

コールセンターはお客様の顔が見えません。しかしまたお客様にも私たちの顔は見えないのです。どんな態度で応対をしているのか、ちゃんと調べてくれているのか、その用件が深刻であればあるほど、知りたい情報が得られなければ満足はしませんし、不快な応対をされてしまえば、不満を募らせてしまいます。

不満に思ったお客様が苦情を言われることもあるでしょう。また苦情も言わずに「もう利用しない」と思われるかもしれません。

たった1本の電話がお客様損失につながることもあるのです。そうならないために会社は何をするか。
お客様ひとり一人に対して真摯に向き合うオペレーターを育てることにほかなりません。

この記事を通じて、ひとりでも多くの素晴らしいオペレーターが育つことを心より願います。

ノウハウ、リソースがなくお困りの企業様へ

コールセンターでの研修の重要性は十分認識できたが、ノウハウ、リソースがないとお困りの場合、コールセンター業務を外注(アウトソーシング)するという方法もあります。

ネオキャリアの「コールセンター代行サービス」は、10,000社以上の実績と豊富なノウハウを基に、コールセンター業務の課題解決をサポートします。

応対率、応対品質共に向上した企業様の成功事例資料などをご提供していますので、お気軽にお問い合わせください。

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北川 たまき

【著者情報】北川 たまき

大手タクシー会社のコールセンター、外資系メーカーのカスタマーサービスにて研修講師を務める。わかりやすく、もっと読みたくなるような「読む研修」を得意とする、研修講師×ライター。

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