3分でわかる!アウトソーシングと外注の違い~それぞれに適した業務についても解説~
最近、アウトソーシングという言葉がよくビジネスシーンなどで使われており、「社内の業務をアウトソーシングしよう」と検討している企業が増えているのではないでしょうか。今回は、今流行りの”アウトソーシング”と、それに似た”外注”の違いや業務内容、メリット・デメリットなどについて紹介します。
目次[非表示]
- 1.アウトソーシングとは何か
- 2.アウトソーシングと外注は似て非なるもの
- 2.1.目的の違い
- 2.2.戦略性の有無
- 2.3.コスト削減につながるか
- 3.アウトソーシングと外注、それぞれに適した業務
- 3.1.アウトソーシングに適した業務
- 3.2.外注に適した業務
- 4.まとめ
アウトソーシングとは何か
アウトソーシングとは、簡単にいうと「外部委託」のことで、社内業務の一部を社外へと依頼することです。語源としては「out-sourcing=外部の資源を利用する」という意味で、業務遂行において、社外のヒトや時間などのリソースを利用することを指します。
よって、社内におけるリソースを、本来すべきコア業務へと集中して利用できるなどのメリットがあります。
アウトソーシングと外注は似て非なるもの
アウトソーシングと外注は“外部に依頼する“という意味では非常に似ているので、よく混同されて使用されがちです。しかしアウトソーシングと外注は似て非なるものであり、大きな違いがあります。
目的の違い
アウトソーシングと外注は、目的が異なります。
外注は外部委託することでコストを削減することが、最大の目的です。
それに対しアウトソーシングは、単なるコスト削減ではなく、企業の成長を最大の目的にしています。
外注は、労働コストの削減が最大の目的です。社内で業務をするよりも安く済むなどの面が重視されます。
一方、アウトソーシングでは、外部のリソース(人やモノ、金、時間)を有効に活用して、より大きな成果を生み出すことを目的としています。
そのため、委託側が想定している以上のことが求められ、その結果として委託した企業が成長することが見据えられています。
マニュアル的な作業をしてもらうのではなく、自社の成長につながるような、より高度な仕事が求められているのです。
戦略性の有無
戦略性があるかどうかも、大きな違いです。
外注では戦略性は特に必要ありませんが、アウトソーシングは戦略的な経営手法です。
外注は昔からの名残で、「外部業者への業務代行」という意味合いを持っており、その目的は「成果物の完成と納品」です。
その範囲は委託側の希望を超えるものではなく、頼んだことを希望通りに推し進めていくことが求められています。言い換えると、一種の“マニュアル作業“をすることが求められているのです。
したがって、場合によって委託側は外注先に作業マニュアルなどを提出することが必要となるときがあります。
しかし、アウトソーシングは戦略的な経営手法の一つなので、戦略性が求められます。ただ単に作業をこなしていくことが目的ではありません。
課題を発見し、それを解決することで、更なる企業の成長へとつなげていくことがアウトソーシングの目的です。
よって、アウトソーシングの依頼先には、高い専門性とコンサルティング力が必要となってきます。
コスト削減につながるか
アウトソーシングと外注は、コスト削減につながるかの違いもあります。
外注はコスト削減が実現可能ですが、アウトソーシングは、必ずしもコストが削減されるわけではありません。
外注における最大の目的の一つは、「コストの削減」です。外注は、社内で行うには割に合わないような業務を安く済ませるといったような、時間やお金、人材などのコスト削減を最も重要視します。
よって、コスト削減が期待できないようなら、その業務は外注すべきではないと言い換えることができます。
一方、アウトソーシングでは「企業の成長」を目的としていますので、必ずしもコストが削減される訳ではありません。
経験豊富なプロフェッショナルにアウトソーシングする場合には、特に費用面において、外注するよりも高額になることが想定されるケースもあります。
ただし、たとえ高額になったとしても企業の成長が期待できるのなら、アウトソーシングすることを選択肢の一つに入れてもいいといえます。
このようにアウトソーシングと外注とでは違いがあります。これらの違いを把握しておかないと、「事前に想定していたような成果をあげられなかった」などといったトラブルにつながる恐れがあります。違いを理解した上で、「アウトソーシングか」「外注か」その業務に適した方を選択してください。
アウトソーシングと外注、それぞれに適した業務
業務によっては、「アウトソーシングか」「外注か」のどちらを選ぶべきなのか異なってきます。
適した方をしっかりと選択することにより、委託元が受ける成果が大きく変わってきます。ここでは、それぞれに適した業務をいくつかご紹介します。
アウトソーシングに適した業務
まずは、アウトソーシングに適した業務をご紹介します。
営業
営業は、アウトソーシングに適した業務であるといえます。営業には、自社ではわかり得ないノウハウや、経験豊富な営業マンによる指導・改善などが求められるからです。
アウトソーシングすることにより、外部のプロフェッショナルを有効に活用できますので、自社の成長に直接結び付くといえます。
広報
広報もアウトソーシングに適した業務の一つです。マーケティングなどの広報に関するノウハウが、まだ社内で十分蓄積されていないような会社では、外部の経験豊富なプロにアウトソーシングすることで、直接的な企業の利益や成長につながります。
ただし、営業や広報においては、アウトソーシングすることで自社にノウハウが蓄積していかないことには注意しなければいけません。
人事
採用や研修などの人事業務も、アウトソーシングに適しています。新入社員の採用や研修をプロにアウトソーシングすることで、より優秀な人材の獲得や社員の成長につながるはずです。
経理
経理業務において、法律関連の専門的な知識を要する業務は、アウトソーシングに適しているといえます。税金や社会保険など、年々変わる法律に対応することが必要とされる業務をアウトソーシングすることで、適切に素早く対応できるようになります。
外注に適した業務
続いて、外注に適している業務をご紹介します。
コールセンターや受付
コールセンターや受付などの対応業務は、外注に適しているといえます。これらに求められることは、「適切な対応」であり、そこに創造性は必要ありません。
データ入力
データ入力のような定型業務も、外注に適しています。データの入力などは社内において大切な業務ですが、業務自体が会社の利益や成長につながることはほとんどありません。
データ入力には正確さや素早くさが求められ、それ以上の創造的なことは求められていないので、外注での依頼が適切です。
経理
上記のデータ入力と同様になりますが、専門性が必要ではない経理業務が外注に適しているといえます。
例えば、仕入れの管理や売上金の管理など、法律などの専門性が必要とされないマニュアル業務について、外注することは有効であるといえます。
ただし、上述したとおり、専門的な知識が必要とされる経理業務の場合は、アウトソーシングが適しています。
まとめ
アウトソーシングと外注にはさまざまな違いがあり、それぞれに合った業務を選ぶことが大切です。違いを理解した上で、適した成果があげられそうな方を選択してください。
社内の業務について、外注するかアウトソーシングするか、一度洗い出してみるのもいいかもしれません。