経理業務をアウトソーシングで効率化!メリット・デメリットと業者の選び方を解説
専門的な知識が必要となる経理業務。人材不足やコスト面で頭を悩ませている経営者や経理担当者の方は多いのではないでしょうか。
そんな方々におすすめしたいのが、経理業務のアウトソーシングです。高い専門性を持つ業者へのアウトソーシングを上手に活用することで、業務品質を向上させながらコストダウンを実現することも不可能ではありません。
この記事では、経理業務をアウトソーシングするメリットと注意点、業者選定のポイントをご紹介していきます。
目次[非表示]
- 1.経理をアウトソーシングするメリット
- 2.経理をアウトソーシングするデメリット
- 2.1.社内にノウハウが蓄積されない
- 2.2.スムーズに外注するために経理業務のマニュアル化が必要
- 2.3.情報漏洩のリスクがある
- 3.経理をアウトソーシングする業者選定のポイント
- 3.1.経理に関する専門性があるか
- 3.2.情報漏洩に対する十分な対策が行われているか
- 3.3.納期管理が徹底されているか
- 4.まとめ
経理をアウトソーシングするメリット
経理のアウトソーシングによって得られる主なメリットは次の3つです。
- コスト削減
- 業務品質向上
- 経理業務のブラックボックス化回避
なぜこの様なメリットが得られるのか、詳しく見ていきましょう。
経理業務を行う上でのコスト削減
経理をアウトソーシングするメリットとしては、まず経理業務を行う上での人材コストを削減できるという点が挙げられます。経理業務を社内で行う場合、経理に特化した人物を雇う人件費や採用費、また経理業務を行える人材を育てるための育成費が必要となります。また、人材は定着する保証がないため、退職によって採用や育成にかけた費用が無駄になるリスクもあるでしょう。
しかし、アウトソーシングしていればこういった心配は不要。人材の採用・育成にコストをかけずに、業務を外部化することができます。
また、その時々の業務ボリュームや費用に合わせて柔軟に依頼することで、費用の最適化が図れることもアウトソーシングならではのメリットといえるでしょう。
ハイスキルな人材に経理を任せられる
経理業務をこなすためには専門的な知識と経験が必要となるため、人材不足に頭を悩ませている企業は少なくありません。しかし経理業務を得意とするアウトソーシング業者へ依頼すれば、高い専門性を持つハイスキルな人材に業務を任せることができます。
また、その会社での業務しか担当しない社員に比べ、専門業者は常に新しい情報を取り入れているため、制度の改正などにもスムーズに対応可能です。
経理業務の属人化・ブラックボックス化を避けることができる
専門知識が必要な経理業務は属人化しやすいため、経理担当者の長期休暇や急な退職により、業務が滞ってしまったという例は多数聞かれます。
また、経理は金銭を扱う部門。属人化することにより業務の内容がブラックボックス化してしまい、不正に繋がるというリスクも考えられます。
その点アウトソーシングであれば退職によって業務が立ち行かなくなるリスクがなく、第三者の中立的な立場から業務を遂行するため、不正の抑制にも繋がります。経費のアウトソーシングは、スムーズでクリーンな経理業務を可能とするのです。
経理をアウトソーシングするデメリット
経理業務のアウトソーシングには、いくつかのデメリットも存在します。会社の状況に合うのであればデメリットにはならないため、厳密には「依頼前に検討すべき注意点」に近いものですが、しっかりと確認しておきましょう。
社内にノウハウが蓄積されない
経理業務をアウトソーシングするデメリットとしては、社内に経理業務のノウハウが蓄積されないという点があります。内製化から切り替える場合には、経理知識や経験がある社員も減ってしまうでしょう。
経理のアウトソーシングを続ける分には問題ありませんが、社内での経理運営を目指したり、タイムリーな作業に対応したりするためには、ある程度経理に関するノウハウを自社でも持っておいた方が良い場合もあります。社内で行う業務とアウトソーシングする業務をしっかりと検討し、うまく調整していくと良いですね。
スムーズに外注するために経理業務のマニュアル化が必要
経理業務の進め方は、会社ごとに違います。そのため経理のアウトソーシングでは、自社での経理業務は必要なくなるものの、自社のやり方での経理業務をオーダーするためのマニュアルが必要となります。スムーズな発注を行うためにも、この作業は必須といえるでしょう。
全ての経理業務をマニュアル化し外注先に引き継ぐにはかなりの労力が必要となるため、この点はデメリットであると言えます。しかし、一度マニュアルが完成すれば、その後の発注は楽になります。
また、マニュアル作成する余裕がないという場合には、初期コストは大きくなるものの、マニュアル作成からアウトソーシングするという手もあります。
情報漏洩のリスクがある
経理をアウトソーシングするということは、自社の情報を第三者が知るということ。さまざまな情報を外部に流してしまうことにもなります。外注先で作業する方はプロなので情報の取り扱いもきちんと行うはずですが、管理体制がずさんな業者を選ぶと情報漏洩のリスクは避けられません。
経理業務をアウトソーシングする場合には、プライバシーマーク認定を取得しているなど、機密保持に力を入れている会社を選ぶようにしましょう。
経理をアウトソーシングする業者選定のポイント
経理をアウトソーシングする業者を選ぶ際にチェックすべきポイントは以下の3つです。
- 専門性
- 情報漏洩対策
納期遵守
なぜこれらのポイントが大切なのか、詳しく解説します。
経理に関する専門性があるか
経理をアウトソーシングする際には、委託先の業者が、経理・財務に関する十分な専門性を有しているかどうかを必ず確認しましょう。これらは業務の品質に直結する要素ですので、詳しいサービス内容と実績を確認しておくことをおすすめします。経理を行う上で、会社で利用しているシステムに精通していると、なお良いでしょう。
注意点として、個人向け業者は個人事業主の経理に特化し、法人の経理業務に慣れていない場合が多いため、なるべく避けるようにしましょう。
また、会社によっては下請け会社に業務を丸投げしている場合もあります。これは作業ミスや情報漏洩などのトラブルにも繋がりかねないので、会社の人員体制などを事前に確認しておきましょう。
情報漏洩に対する十分な対策が行われているか
経理をアウトソーシングするということは、社内の重要情報を第三者に渡すということ。どうしても情報漏洩のリスクが付きまといます。そのため、アウトソーシングする際には、委託先業者の情報管理体制が業者選定の重要なポイントとなります。
必ず委託先のセキュリティ対策や情報の扱い方について把握した上で、委託時に秘密保持契約を結べる業者と取引するようにしましょう。その時には、損害賠償に関する事項を必ず盛り込んでおくようにしてください。これが万が一の保証となります。
納期管理が徹底されているか
アウトソーシングするための業者選定では、委託先の納期管理もポイントです。
経理は会社の運営に深く関わる業務。取引先とのやり取りや運営に必要な入出金など、あらかじめ期日が決まった経理業務もあるでしょう。そこで委託先業者が経理業務の期日を守らなければ、会社経営に支障をきたすこととなってしまいます。
この点については、委託先の実績を確認したり期日厳守を契約内容に盛り込んだりと、委託側でも対策を取りながら、業者を見極めなければなりません。
まとめ
ここまで、経理のアウトソーシングについてご紹介してまいりました。アウトソーシングには、デメリットや注意点があるものの、うまく利用することで業務はスムーズになり、特定の人への負担やリスクも減らすことができるという大きなメリットがあります。
経理業務にお悩みの方は、膨大な業務を無理に自社のみで完結するのではなく、1つの手段としてアウトソーシングを検討してみると良いのではないでしょうか。