ITアウトソーシングとは?IT業務を外部に委託するメリットや注意点を解説

最終更新日 2021.08.11

アウトソーシングとは、社内で遂行していた業務を外部の業者へ委託することです。品質・サービスの向上やコスト削減などが期待できるため、近年注目を集めています。

また、ITアウトソーシングとは、IT分野に関係する業務を専門的な知識やスキルを持つ業者に外部委託することです。

今回は、ITアウトソーシングの形態やメリット、注意点などについて解説していきます。

「ITアウトソーシング」4つの委託形態

ITアウトソーシングは、委託する業務の規模や種類によって4つの形態に分けられています。

フルアウトソーシング

フルアウトソーシングとは、IT業務の全てを一括してアウトソーシング先に移管することです。

IT業務を丸ごと委託することで、それに充てる人材や時間などのリソースを他のコア業務に振り分けることができます。

運用アウトソーシング

運用アウトソーシングとは、サーバやOSなどのシステム運用に関する業務をアウトソーシング先に委託するものです。

社内に営業支援や顧客管理のシステムを導入するには膨大なコストがかかりますが、システムを充分に活用できないままになってしまうことも少なくありません。導入後、コストに見合った働きができるようにシステムを活用するには、システムの運営やメンテナンスに社内リソースを割り当てる必要があります。

このようなシステムの運営をアウトソーシング先に任せれば、導入したシステムをしっかりと運用・稼働させることが可能になります。

ホスティング

ホスティングとは、外部の専門業者が管理するサーバを借り、ネットワーク経由で利用するサービスのことで、一般的にはレンタルサーバとも呼ばれています。

自社内でサーバを管理する場合、導入費用や維持費用がかかり、メンテナンスや障害発生時の対応に人員を割く必要があります。しかし、外部のサーバを借りていれば、サーバのメンテナンスや運用、保守、機能強化を任せることができるので、安定したサービスの運用を行い、サーバ管理に割いていたコストを削減できます。

ハウジング

ハウジングとは、サーバや通信機器を専門業者のデータセンターに預けて管理を任せることをいいます。

ホスティングの場合、サーバ自体を専門業者から借りるため、自社でサーバを用意する必要はありませんが、ハウジングは、業者に預けているサーバや通信機器の保守やメンテナンス、トラブル対応などの運用だけを任せるため、自社でサーバを含む通信機器を準備する必要があります。

ITアウトソーシングのメリット

ITアウトソーシングの導入によって期待できるメリットには、以下のようなものがあります。

コア業務に注力できる

IT業務をアウトソーシング先に委託すると、自社の社員がコア業務に注力することができます。

IT業務に関する問い合わせやトラブル対応に時間を取られることがなくなるので、貴重なIT技術を備えた社員が、より重要な業務に時間を割り当てられるようになり、結果として、会社全体の生産性・創造性の向上が期待できます。

人材の採用・教育コストを削減できる

IT業務をアウトソーシング先に委託することによって、人材の採用や教育にかかるコストを削減できます。

IT業務を担当できる人材は慢性的に不足している傾向にありますが、セキュリティ管理のためには高い専門性を持った人材を採用・教育する必要があります。人材の育成には時間やコストがかかるため、IT業務における高い技術を持った人材を保有するアウトソーシング先に業務を委託することによって、採用や教育にかかる費用を削減することができます。

ITのプロが事業のサポートをしてくれる

ITアウトソーシングは、ITに関する技術的知識に長けているプロが業務を請け負うため、高水準なサポートを受けることができます。

IT業務を適切に行い、システムを安定して運用していくことがこれからのビジネスには求められています。ITアウトソーシングで、業務をプロに一括して任せることにより、システム全体を強化できるだけでなく、システム運用に関するリスクの軽減が期待できるのです。

海外の人材を活用することができる

ITアウトソーシングには、海外の人材を活用するという選択肢もあります。海外にいる高いIT技術を持ったエンジニアやデザイナーをアウトソーシング先にすることで、コストを抑えることが可能になります。

インターネットのインフラが世界中で整備されている昨今、日本では賄いきれないような人材を、海外に求める企業が増えてきているのです。

ITアウトソーシングの注意点

ITアウトソーシングを導入することには、メリットだけではなく注意するべき点もあります。

必ずコストカットが実現するわけではない

ITアウトソーシングを利用したからといって、必ずしもコストカットが実現するわけではありません。

自社の内部状況やアウトソーシング先のサービス内容によっては、従来よりも余計にコストがかかってしまう場合があります。費用面については事前にしっかりと調査し、計画しておく必要があります。

社内にノウハウが蓄積しない

ITアウトソーシングにより、業務を外部に委託するため、ノウハウを自社に蓄積できません。

長期的にアウトソーシングを活用していくと決まっている場合にはノウハウは必要ないかもしれませんが、アウトソーシング先の倒産など、トラブルが発生した際には別のアウトソーシング先を探す必要が出てきます。

そのため、ノウハウを蓄積する必要がないような、重要度の低い業務をアウトソーシング先に委託するのが賢明といえます。

データ流出の不安がある

ITの専門業者をアウトソーシング先にするとはいえ、システム上で自社データが流出してしまうリスクはあります。アウトソーシング先のセキュリティ面や情報管理の方法を確認し、不正利用や漏洩の履歴はないか、充分に調査し、アウトソーシング先に任せきりにしない姿勢が大切です。

ITアウトソーシングに適した企業

ITアウトソーシングの利用に適した企業としては、以下のような企業が挙げられます。

閑散期と繁忙期の差が大きい

年末・年度末や月末締めなど、時期によって閑散期と繁忙期の差が大きいという企業は、ITアウトソーシングの利用がオススメです。

ITアウトソーシングを活用して繁忙期の業務をアウトソーシング先に委託すれば、社内業務量を閑散期に合わせておくことが可能となります。

慢性的に人員が不足している

慢性的に人員が不足している企業も、ITアウトソーシングの活用に向いています。

IT人材は人員不足となりがちではありますが、求人情報を出すだけでもコストがかさみますし、求人情報を出しても人が集まらないケースも珍しくありません。

時間やコストをかけずに、手っ取り早く専門性の高いIT人材を確保したい企業の場合、ITアウトソーシングの導入に適しています。

IT技術進展スピードに対応していく必要がある

近年ではどの企業においても、めまぐるしく進むIT技術の進歩に対応していく必要があります。しかし、人員的にもコスト的にも、それに対応する余裕がない中小企業は多く存在します。

ITアウトソーシングを利用すれば、進歩するIT技術に置いていかれることなく、時代の流れに沿った経営が実現できるでしょう。

まとめ

今回は、ITアウトソーシングについて紹介しました。ITアウトソーシングを検討するときには、メリットや注意点を考慮し、自社に適しているのかどうかを充分に吟味することが大切です。

IT業務で困っているという企業は、ぜひ、一度ITアウトソーシングの導入を検討してみてください。

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